劇場公開日 1965年12月11日

「イ・ユンボギ、君は10歳の韓国少年」ユンボギの日記 kossyさんの映画レビュー(感想・評価)

3.5イ・ユンボギ、君は10歳の韓国少年

2021年5月23日
PCから投稿
鑑賞方法:VOD

 全篇スチール写真をもとに感化院に入れられたイ・ユンボギの詩をナレーションとともに語られる。25分という短さもあって、アマプラで見ました。

 朝鮮戦争後に孤児が5万人もいた。ユンボギの家庭は病気の父親のために母親が家を出て行った。家賃が払えなくなり、テグ近くの闇小屋へと引っ越すこととなった。10歳のユンボギには8歳の妹スンナ、6歳の弟ユンシギ、5歳の妹テスギがいるが、家計を助けるためにガム売りをしてしのいでいたが、やがてヤギ飼い、靴みがき、新聞売りと職を変える。やがて妹スンナも「稼いで戻ってくる」と言い残し家を出たため、ユンボギはさらに孤独を感じ、母を探したいと思うようになる。

 戦後日本の混乱期も似たような孤児がいっぱいいただろうけど、あまり知られていない軍事政権下の実情を伝えてくれる作品。先日見た『ラ・ジュテ』も同じようなスライドショーだったが、クレジットにモンタージュとしっかり書かれていた。この大島作品も自身のモンタージュ理論のきっかけになったとのことだが、モンタージュそのものよりも子役の声優(不明)が素晴らしかったため感情移入もできたと思う。

 戦争による負の遺産についても訴えてくるものがあったし、罪のない子供たちが最も悲惨な経験をする虚しさが伝わってくる。さらに8月15日は日本では終戦記念日であるが、韓国では光復節(独立記念日)。日本が韓国を植民地支配していたことをも思い出させてくれる。

kossy
ぷにゃぷにゃさんのコメント
2021年5月23日

ミツバチのささやきにコメントありがとうございます。
芸術的映画の洗礼を受けてしまいました。アーメン。
うちはアマプラもWOWOWもないので、地上波とBSのみでがんばります。

韓国からアメリカに、養子に行った子どもがかなりいたらしいです。
テレビ情報ですが。

ぷにゃぷにゃ