サイレンス(1998)のレビュー・感想・評価
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音楽は世界だ
美しい音楽を奏でる人につられて、道に迷い、店をくびにされそうなホルシード。必死で彼を助けようとするナデレー。市場の雑踏と牧歌的な雰囲気とが交差しエキゾチックなコントラストを奏でるような映像と音楽。果たして美しい音楽を聞かせて大家さんは家賃の支払を待ってくれるのだろうかと物語は進む。
パンや果物を売っている少女たちが綺麗。バスの中の女性もとても綺麗なのだ。もしや、この設定さえも盲目の少年が創りだした現実なのだろうか。そして、観ているうちに少年が感じる音の世界に入り込んでいってしまうのだ。金属鍋を鍛えている少年たちに「ボボボボーン」だと忠告し続けるこだわりは、ラストのベートーベン第5交響曲へと繋がり、民族楽器の音色にのめり込んでしまった。
軽く反戦を訴えて、貧しくても美しい音楽に幸福を感じる独特な世界を表現した良質映画。
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