「夢物語」ANNIE アニー あじぽんさんの映画レビュー(感想・評価)
夢物語
ミュージカルの作品につける文句ではないかもしれないが、魅力に欠ける脚本だった。
まずスタックスの潔癖症の設定がサッパリ活かされていない。
それによってアニーとの距離を取り、徐々に近づいていくのかと思ったが、どこを契機に2人が近づいたのか分からない。気づいたらアニーと抱き合ってたよ。
潔癖症の設定と同様に、ビジネス第一のスタックスがどこで考えを改め、大切なものに気づいたのか分からない。
歌・ダンスは悪くないとは思う。
が。ミュージカル映画にとっての歌・ダンスのシーンというのは映画の中の世界ではいわゆる会話みたいなものであって、それによって聴衆を感動させて、(まるでコンサートのようだった)というのはどうなんだろう。
あのアニーが聴衆の前で歌うシーンまでに練習している描写も努力している描写も全く無しで、いきなりブチ込まれた歌のシーンで聴衆を感動させてしまうというのは・・。全くハマれなかった。
冒頭のベッドで懐中電灯を揺らしながら希望を歌うシーンや、部屋の掃除に勤しみつつ歌うシーンなど楽しめる箇所があったことも確か。
ただ元も子もないことを言うと、こんな事を考えて観るべきではないと思う。「シェルブールの雨傘」を観るときにこんな事を考えるか?と。
けど、考えてしまいました。。。
それと他の方のレビューで、金持ちの家がすごいなんて歌われてもどうでもいいってのがありましたが、確かにそうだなと思いました。
ただ少し時代を置き換えて、貧乏な少女がお金持ちのお城のようなお屋敷に招かれて、舞い上がって歌を歌っていると考えれば有りなような気もする。