劇場公開日 2015年1月30日

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「"十の災い"と"津波"は凄い。」エクソダス 神と王 平田 一さんの映画レビュー(感想・評価)

2.0"十の災い"と"津波"は凄い。

2015年2月5日
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鑑賞方法:映画館

単純

興奮

ワイドショットの使い方、十の災いの演出、ラストの巨大津波の技術は、オスカー取っても不思議じゃないレベル。未だ『グラディエーター』が強烈なのに、そのレベルは同作越え。そう言っても良いかもしれない。
だけど肝心の物語がビックリするほど機能してない。ところどころ『グラディエーター』が見ている最中よぎったけど、あの完成度には及ばないし、娯楽としても中途半端だった…。
話の大きな要を占めてるモーゼとラムセスも描写不足。パライノアックな側面を仄めかす英雄モーゼは興味深いけど、彼が奴隷を解放する大きな過程が分からなすぎる。”神”と思われし少年の存在を否定するために動いたのか?元々抱いてた今の疑問を無くしたかったのか不明だし、一つ一つの大きな行動が欠落のせいで集中できなかった。あと妻子のくだりもあったけど、これも正直上手くいってない。『ワールド・オブ・ライズ』もそうだったけど、入れ方がかなり下手に感じた。脚本段階で気付けなかったのかな?史劇が似合うクリスチャン・ベール(『ニュー・ワールド』も似合ってましたし)は存在感も役の熱意も不満がそんなになかっただけに、尚更もったいない気持ち。
モーゼと争うラムセスも”恐怖”の背景が物足りない。何が彼を恐れさせるのか?”神”の存在か?”死”の恐怖か?心境を語る台詞も表情も見れなかったから曖昧だし、見ていて段々”大きな子供”に見えてくるからイマイチだった。もっと彼の掘り下げを時間かけて描いていけば、人間ラムセスになれたはず。『キング・アーサー』以来だったジョエル・エドガートンのお芝居もそれを最後まで保っているから、こっちも本当勿体なかった…。
とにかく本当に面白い題材を、全然生かし切れなかった。そんな言葉がハマってる映画です。パンフレットの表紙の写真が、それを予兆してる気がします…。
最後にちょっとずれますが、映画観終わって駅向かってるとき、深夜の頭上を大量の(多分)雀が建物の屋根飛んでました…。十の災いが凄かったので、”その予兆!?”と思っちゃいました。色々タイミング良かったです。

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平田 一