劇場公開日 2015年1月30日

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「稀代なる珍妙ディザスター超大作」エクソダス 神と王 ロロ・トマシさんの映画レビュー(感想・評価)

5.0稀代なる珍妙ディザスター超大作

2015年2月4日
PCから投稿
鑑賞方法:映画館

楽しい

興奮

自分、正直この映画の基礎知識が全くないまま鑑賞しまして。単純にリドスコの新作だってんで、エジプトが舞台の歴史スペクタクルな超大作なんだろうな、ぐらいの感じで。あと主演のクリスチャン・ベイルの他にもベン・キングズレーやらジョン・タトゥーロやらシガニー・ウィーバーやら豪華俳優が脇を固めてるのでね、まあ期待できるかなと。で、開始初っ端でクリスチャン・ベイルの役名がモーゼと知って、ああ、これ十戒だったんだ、と映画中に元ネタを知ったという。

やあ、それにしても、ビックリしました。ビックリですよね。「なんだか俺はとんでもないもん観ているぞ!」という気分に中盤辺りからずっとさせてくれたもんですから。
まず怒涛のアクション!から始まって「おっ!いいねいいね!この戦シーン!」なんて普通に観てたら段々ファンタジーの領域に入ってきちゃって「え?神様出てくるの?」となり、やがてはオカルト染みた災厄に次ぐ災厄のオンパレードになりだして「は?え?これどういう映画?」という物語がやや不安気味にさせる明後日の方向を突っ走り、「一体どっち方面に転がるの!?」と、まあ珍妙な様相を呈するので、一時たりとも油断が出来ないという。まあ十戒ですからね。原作(原典?)からしてこういうお話なんですけども。
ただね、なんというか、珍妙な展開をハリウッドのハイクオリティなVFX技術で以って徹底的に描いてくれる豪華さというか、鰐の食人、蛙の大群、蠅の大群、辺りなんて凄すぎるでしょ。珍妙な展開を珍妙なまま滅茶苦茶リアルにやってくれるという、この奇妙な満足感。

いやあ、リドスコはやっぱり偉大ですよ。観客を現実から遠く離れた世界へと誘ってくれる、稀代のエンターテイナーですな。そしてクライマックス!件の海のシーンにも当然圧倒されちゃいますからね。お腹いっぱい。

これは映画館でしょう、初体感するなら。是非、この世界に潜りこんでみてください。

ロロ・トマシ