「大量放出!」エクソダス 神と王 snake666さんの映画レビュー(感想・評価)
大量放出!
普通に見れば予想範囲内の普通に楽しめる普通の作品でした。
しかしエンドクレジット一発目の「弟トニースコットに捧ぐ」で、あ〜なるほどなと思った。
これは本作だけでなくトニーが亡くなった後に発表された「プロメテウス」や「悪の法則」にも共通していたんだなという事にも気付かされました。
つまりこの3本はリドリースコットにとって非常に個人的な作品だったのだなと解釈しました。
それは弟トニースコットを亡くした悲しみ、そして亡き弟への想いを作品の隙間にたくしていたのだなと。
「プロメテウス」を見た時は単純に娯楽SFとして、リドリー節健在だなと楽しんでましたが、セリフの中に「それでもまだ神を信じる?」てのがあったりしてたなとか、「悪の法則」では「どうにもならない事はどうにもならん」みたいなセリフがあったりとか、今作「エクソダス」では「一番そばにいたい人はだれ?」なんてセリフがキーワードになっていました。
こうしたあたりに、人の「死」というものは避けられない運命だし、その悲しみははかりしれないものだし、失ってもなお一緒にいたいと想う気持ちはずっとあるんだと、そしてこうした「死」と向き合う絶望に直面したときに「神」とどう向き合うのか。これが大きなテーマとして作られた作品たちではないかと。
その裏テーマを頭の片隅に置きながら「プロメテウス」「悪の法則」そして「エクソダス」を見ていくとトニースコットに捧ぐ三部作だったんではないかと思いました。
ともあれ、リドリー節でもあるめっちゃ綺麗な映像美には本作でもやられます!もうワンカットづつがアートです!あと、王様役のジョエルエドガートンはなかなかの存在感があり、クリスチャンベールと見事に張り合ってました。