劇場公開日 2015年7月25日

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「傷の疼きが教えてくれる」野火 グッドラックさんの映画レビュー(感想・評価)

4.5傷の疼きが教えてくれる

2015年7月17日
PCから投稿
鑑賞方法:映画館

悲しい

怖い

興奮

第二次世界大戦末期のフィリピン戦線。美しい、美しい自然の下の凄惨な生き地獄。ひたすらに飢え、何が正気でどこから狂気なのかわからなくなる…。
観ていて眼をそらすことは許されないように思いました、とにかく、それが大事だと思いました。

緊張を強いられる恐ろしい世界ですが、主人公・田村一等兵はじめキャラクターに魅力があり、引きずり込まれます。
リリー・フランキー、森優作、凄かったです。中村達也演じる伍長さんは、独特のカリスマ性があって印象的でした。

先行上映会には、塚本晋也監督が登壇されました。
「重く苦しいものが残るけれど、良いトラウマもあるのです」と穏やかに語る言葉が印象深かったです。
理屈はなんとなく正しいみたいに思えても、傷の疼きが絶対ダメだと教えてくれるはず。新しい傷をつけてやるという気概が作品から伝わりました。

2015.7.12. 福山駅前シネマモード

グッドラック