「蠅の羽音はベルゼバブの笑い声」野火 いぱねまさんの映画レビュー(感想・評価)
蠅の羽音はベルゼバブの笑い声
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観ようか観まいか悩んでいた映画。
塚本監督の作品は一つも観たことがなく、『鉄男』という有名な作品さえも観ていない。俳優としてはいくつか見かけたことはあったが。
でも、この映画は絶対観なければならない、その為に地方の映画館で、リバイバルが行われているのだから。特にロケ地であった埼玉県の深谷市ではこの映画を重要視していると感じた。
内容は、沢山のレビュアーさんが細かく描写していらっしゃるので、そちらに任せたい。
私の感想としては、この世の地獄がフィリピン、レイテ島で繰り広げられていたことに改めて思い知らされた。そのギャップの激しいこと。どこまでも澄んだ自然、狼煙を上げるような煙、極彩色のジャングル、そして、人間の肉、血、本能・・・
そんな世界で、人が人を喰らうことで、それでも生きたいと願う渇望。騙し、騙され、あるいは暴力で攻撃していく狂った人間。戦争の本質は正にここなのだと、頭を揺さぶられる圧倒感がそこにある。
それでも人間は同じ過ちを繰り返す。多分、これからもずっと。。。
この世界に放り投げられたとき、真っ先に死ぬのは自分なんだと改めて自信を持って想像できる。だからこそ、こんな状況にならないようにしなければならないのだ。
弱い人間の戯れ言かもしれないが。。。
ブランキージェットシティのドラマー(中村達也)が、伍長役で出演している。この人、観たことあるなぁと思ったら、斉藤和義とユニットを組んで、ドラマのエンディングをやっていたのを思い出した。そうか、この映画はロックなんだ。
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