「リリー・フランキーの演技が印象に残った」野火 morikenさんの映画レビュー(感想・評価)
リリー・フランキーの演技が印象に残った
私は、大岡昇平の小説に関しては流し読みした程度ですが、映画は原作を忠実に再現しているようです。戦争がいかに悲惨で無意味なものであるかを、荒々しいタッチで描いています。
映像には、いつのまにか引き込まれる力強さがありました。役者の中で特に存在感が大きかったのは後半から登場するリリー・フランキーです。彼の演じる「安田」は悪い男なのですが、あの邪悪さを自然に醸し出すのはさすがでした。
ただ、陰惨な映像の連続は見ていて心に響くものがあったのですが、何か今ひとつ迫力に足りなかったんですよね~。作品のクオリティの低さは否めないです。
例えば、兵士が撃たれて血をどばどば流して倒れるシーンがありましたが、本当は人が拳銃で撃たれても、そんな大げさに血が噴き出すことなんて無いじゃないですか。ネットでそういう動画を検索すればいくらでも出てきますから、誰でもわかります。それなのに、旧来の映画的技法を捨てきれていない感じが、なんだか古いなと思いました。そんなわけで☆2.5つ。
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