劇場公開日 2015年9月12日

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「世代によって評価が分かれる作品」ピクセル アラカンさんの映画レビュー(感想・評価)

4.0世代によって評価が分かれる作品

2016年9月28日
PCから投稿
鑑賞方法:映画館

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TV ゲームは,1971 から始まったマイクロプロセッサの発展と共に発展して来た文化で,1980 年代にはまだゲームの種類も多くなかったため,当時のゲームは1つ1つが非常に印象深く記憶に残っている。7色しかないジャギーな映像に目一杯想像力を注入しながらゲームをやり込んだ世代には,この映画は非常に懐かしい設定になっている。出て来るゲームは,インベーダーやギャラガ,パックマン,ドンキーコングなどで,ほとんどが日本製のゲームであったのも画期的であった。

ゲームの国際大会の映像をボイジャーに搭載して宇宙に送り出したら,それを見た宇宙人が地球人の侵略と勝手に勘違いして,ゲームキャラを実体化して攻撃を仕掛けて来るという話は,非常にぶっ飛んでいて痛快である。30 年ほど前の古いゲームのために,現代では知る人も少なく,若い頃にゲーオタだった連中が特命を受けて立ち向かうのだが,その特命を発した大統領の人物設定がまた爆笑ものである。

役者は主役を含め無名な人ばかりであったが,英国首相を演じていたのはハリポタでハリーの人間社会での下宿先の主婦役を演じていた人であった。パックマンを開発した元ナムコで現東京工芸大学教授の岩谷徹氏が出て来るのではと思ったら,本人ではなく役者が演じていて残念だったが,良く見たら技術者役で1シーンだけ本人が出ていた。(V)o¥o(V) 3D 版は吹き替えしかなかったのが残念だったが,特に,主役の吹き替えを柳沢慎吾がやっていたのは,残念ながらミスキャストとしか思えなかった。

音楽は,おふざけ作品とは思えないほど本格的なものだった。演出もかなりのこだわりを感じたが,物語の展開上肝心な各ゲームのシステムの説明が一切なかったのは不親切ではないかと思った。40 歳くらいを境目にして,それ以上の年代と以下の年代では感じる面白さに差が出ることになるだろう。(映像5+脚本3+役者3+音楽4+演出4)×4= 76 点。

アラカン