劇場公開日 2015年1月30日

  • 予告編を見る

「走れ、ミルカ!」ミルカ 近大さんの映画レビュー(感想・評価)

3.5走れ、ミルカ!

2020年10月10日
スマートフォンから投稿
鑑賞方法:DVD/BD

泣ける

興奮

インドのオリンピック陸上選手、ミルカ・シン。
その半生を映画化。
単なるアスリートのスポーツ映画と思うなかれ。
様々な要素を詰め込んだ、いつもながらのさすがのボリウッド・エンターテイメント。

頭の上に髪の毛をお団子状にして束ねてターバンで巻き、“空飛ぶシク教徒”と呼ばれた国民的英雄。
1960年のローマ・オリンピック。金メダルが確実視されていたのだが…。
ゴール直前、何故か後ろを振り返ってしまい、4位という結果に。インド中からバッシングを浴びる。
その直後、パキスタンとの合同スポーツ祭典が開催される事になり、ミルカは団長に指名されるが、拒否する。
彼に何があったのか…?

ミステリアスな導入部で始まるミルカの過去は壮絶。
インドとパキスタンの分離化の歴史。
その中で翻弄されたミルカ。恋人とも引き裂かれ…。
悲劇から、逃げろ、ミルカ!
あのオリンピックでの出来事は、少なからずこれが関係あるのかもしれない。

シリアスであると同時に、前述通り要素をたっぷり詰め込んだエンターテイメント。
初めて飛行機に乗って、怖い怖い。
オーストラリア遠征で、地元の女の子といい感じに。が、その結果、陸上の方に支障が…。
直接的ではないが、インド映画らしく歌や踊りも。
主演ファルハーン・アクタルの肉体改造は本物。亀仙人の修行のように足に重りを付けての訓練。躍動感はアクション映画のようで、スポーツ映画の真骨頂。
ライバル選手に妨害され、足に怪我を負う。痛みと闘いながら走り抜き、1位ゴール。熱い感動。

悲劇的な過去、絶えぬ努力、称賛される功績…。
相応しい物語がある。
それが英雄。
走れ、ミルカ!
語り継がれるゴール。

近大