「言語に依存せず表情と行動で豊かな表現を実現した作品。」映画 ひつじのショーン バック・トゥ・ザ・ホーム Opportunity Costさんの映画レビュー(感想・評価)
言語に依存せず表情と行動で豊かな表現を実現した作品。
鑑賞前は“子供向け”と舐め腐った印象を若干抱いていましたが。
開始直後には姿勢を正し、気が付けば作品に惹き付けられ前傾姿勢に。
上映時間85分がアッという間、情報量が多く濃密な時間でした。
特筆すべきは表現力。
言葉は無く、全ては登場キャラクターの表情と行動、そして音楽のみ。
自然と状況を説明するために画面の情報量が増えることになりますが。
整理整頓されており決して煩雑/難解ではない。
話自体が非常に単純明快ということもあり話運びに違和感を覚えず最後まで楽しめました。
また、どのキャラクターも可愛い。
ショーンを始めとした羊達。牧場の動物達。
牧場犬のピッツァ―。歳を喰い若干の残念さもある牧場主。
そして彼等を取り巻く都会の人間達。
ショーン達とピッツァ―が割と序盤から普通に二本足でタッタと走り出す姿も相まって。
人間/動物関係無くキャラの面白さを堪能出来ました。
何処か澄ました都会の人間達よりも牧場の動物達の方が人間臭い点も良かったです。
羊達が馬鹿可愛いのは勿論。
個人的には牧場犬のピッツァ―が無茶苦茶可愛かった。
ブーたれた不機嫌な顔、驚いた顔、仕方ないなという顔。
陰陽織り交ぜた巧みな表情の使い分けにグッときました。
言語に依存せず表情と行動で豊かな表現を実現した本作。
そうは言っても情報量が多いので御子様方は楽しめないかも…なんて不安は何処吹く風。
子供達もゲラゲラ笑っていましたしテンション上がって立ち上がっている子もいました。
○○向けという区分ではなく子供も大人も楽しめる作品。
オススメです。
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