「.」シャークネード 瀬雨伊府 琴さんの映画レビュー(感想・評価)
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自宅(CS放送)にて鑑賞。悪名高いアサイラム製TV用ムービーで、日本劇場未公開作。日本では往年のパートナー、アルバトロスがリリースしている。相変わらず細かい破綻が散見出来るが、それらを凌駕するパワーを感じた。出演者やその演技もいつになく板に附いていた。スケジュールの都合上、晴天時のみの撮影となり、雨や曇天はポスト・スクリプトで合成したらしく、よく観ると同じ流れのシーンでも空の具合や画面の色味が変化している。竜巻に巻かれた上、陸上で活動する鮫と云う巫山戯た設定さえ眼を瞑れば、それ程悪くない。60/100点。
・天候や画面の色味、竜巻等に加え、鮫等で使われたCGはお世辞にもよく出来ているとは云い難く、どうしても見劣りしてしまう。
・製作時の仮タイトルは"Dark Skies"だったと云い、僅か18日間で撮影された。俳優のC.モンティスが遺したTwitter上での最後のツイートは、本作についてのボヤキが二回連続で、これは薬物の過剰摂取で彼が亡くなる当日('13年7月13日)の呟きである。
・A.ジーリングの“フィン・シェパード”が何度か口にする"Semper Paratus("Always Ready[常に供えろ]"の意味)"と云う科白は、米国の沿岸警備隊のモットーである。亦当初、この役は、S.グッテンバーグにオファーされたが、断られたと云う。本作がカルト的にヒットしたのを受け、辞退したS.グッテンバーグは酷く後悔し、後に同じアサイラム製の『ラバランチュラ 全員出動!('15)』に主役の“コルトン・ウェスト”として出演している。エンドクレジットはこの役名に因み""Fin"から始まるが、米国でのTV放映時には読み取れない程、高速でスクロールしたらしい。
・随分昔と違った印象に思えた“エイプリル・ウェクスラー”のT.リードだが、彼女の家での撮影はたまたま見付けた大邸宅にプールを持ち込み撮影された。プールの水を温める事が出来無かった為、よく見ると出演者の何名かは震えているのが写ってしまっている。
・序盤、海中で鮫に喰われる男の役で、監督がカメオ出演している。亦、J.シモンズ演じる“バズ・ホーガン”はシーン毎に髪型が変化し続け、作品を通しての一貫性や整合性が無い。
・鑑賞日:2016年7月18日(月・海の日)