誰よりも狙われた男のレビュー・感想・評価
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すごい。とにかく演技のすごさを感じる。
フィリップ・シーモア・ホフマンの素晴らしい演技がとても堪能できる一本。
ストーリーもとても楽しめた。
対テロリストの部署にいて
仕事以外のことに興味を示さない男が主役で
その役を見事に演じ切ってくれてます。
何度も策を講じて敵を追いつめていく
目の離せない展開で、
ラストにおぉ〜と思わせてくれる数少ない映画。
タイトルもバッチリだし文句なしです。
いい意味で、主役がこのビジュアルで
最後まで飽きさせず、
のめり込ませてくれる演技ができる役者さんは中々いませんね 。
この人の演技がもう観られないのは非常に残念。
予告のラストは永久保存版
凄いタイトルだ。
全部鑑賞して振り返るとなおさらズシンとくる。
テロ。
絶対に防ぎたいけれど難しい…。
イッサは本当のところはどうだったんだろう?
日本でもテロ対策法が取りざたされていたけれど、イッサみたいな目に合うのかな?
名優の演技や演出等の映画としてのおもしろさに酔いしれるとともに、すぐそばにある現実と思うと、怖い…。
トミーやアナベル達もいつの間にか巻き込まれているわけだし。
原作未読。有名な『裏切りのサーカス』未鑑賞。
かなり端折っているのだろう。あの息子が父を裏切る理由が???だったりするのが難点といえば難点だけれど、映画の評価を下げるほどではない。
そんなわけのわからんところが、何に巻き込まれてどうなっていくのか?あの人の真意は?見えない相手はどう動く?と、渦に巻き込まれてしまった緊張感を体験させてくれる。
ホフマン氏の遺作。
本当にいつ倒れてもおかしくない様子が、演技なんだか地なんだかで、観ていて痛くなる。尤も演技にひきこまれて、後半気にならなくなるけれど。
あの予告は永久保存版。本当にいつまでも観ていたい。
そんな映画の余韻と、ホフマン氏への哀悼に逡巡するエンドロールに流れるのが、トム・ウェイツ氏の歌。沁みわたる。
月並みだけど、ほんとーーに、惜しい人を亡くした、と言ってしまう。ま...
時事が何ひとつ分からない!!
残るのは…
根こそぎ刈り取られる様はなんとも言い難いです。自分は何も得られず、他人が美味い蜜を啜るのですから。何より信じじてくれた人への申し訳なさ…
虚しさと心に残るダメージだけ…。その穴埋めは自分の信念を変えない限りはできないのでしょうか。
いい人ほど痛い目にあうことも多いということなのでしょう…
面白い映画でした!
タイトルなし(ネタバレ)
ハンブルグで諜報活動を行なっている熟練のスパイ、ギュンターはトルコから密入国したチェチェン人青年イッサの存在を察知。彼はイスラム過激派の要注意人物として国際指名手配されていてCIAも動き始めるが、彼が人権団体の弁護士を通じてある銀行家に接触しようとしていることを知ったギュンターは敢えて彼を泳がせて、自分が追い続けている人物へ接触させるべく利用しようとする。
曇天のハンブルグでイッサを巡って対立する組織と彼らに翻弄される善良な人々が織りなす重たいドラマが印象的で、銃声の1つもない地味なスパイ映画ですが主要な登場人物の胸の内にある願いが”平和”であるというどうしようもない皮肉に被さるトム・ウェイツの歌声が強烈なコントラストを残す傑作。残念ながら本作が遺作となってしまったフィリップ・シーモア・ホフマンの終始憂いを纏った佇まいに胸が熱くなります。
誰よりも惜しい俳優。
原作も秀逸なのだろうが(未読)、映画も主演俳優も秀逸。
ヒタヒタと緊張感が増す中、報われないラストが切なく残る。
J・ル・カレ作品の中では「裏切りのサーカス」より観易かった。
それにしてもP・S・ホフマンこれが最後の主演作品だったのか。
あーもったいない、そんな言葉しか出ないほど素晴らしい演技。
今作の完成を観ることなく逝ってしまったそうだが、何とか公開
にこぎ着けたこと自体が喜ばしい。それ程今作の演技は重厚だ。
タイトルの狙われた男とは果たして誰のことだろうと初めから
考えていたが、なるほど…やはりしてやられたか。酷いものだと
身につまされる。冷徹に見せても実は温情派、地位や栄光よりも
さらに大物を挙げるべく邁進するテロ対策チームの仕事人間だが、
そんな風にデキる男ほど狙われるに決まっている。彼の獲物には
CIAや人権団体まで絡んでこれは難しいぞと思う中、卓越した
手捌きで協力させては任務を遂行していくバッハマンだったが…。
レイチェル、ロビン、ウィレムと豪華競演陣の演技も素晴らしく、
誰が死んだわけでもないのに背筋がゾッとするシーンが多数ある。
そもそも国際指名手配のテロリストを匿う⇔泳がせるなんていう
ことができるんだろうか。しかもあんな目立つイケメンで真面目、
遺産も要らないなんてホントかよ?と思うくらい脱テロリスト系。
これで観客に共感度を増そうって作戦だな、なんて訝りながらも
まさかのラストで「あーっ!」となる。バッハマンが大声で喚く姿
が実に切ない。シャラっと車に乗り込む女のまぁ憎たらしいこと!
「東ベルリンから来た女」のN・ホスが忠実な女部下を見事に体現し、
取調室や車載カメラの寒々としたハンブルクの風景も身に沁みる。
(この頃のホフマンは更に太ってて、走るのがかなりキツそう~)
面白く深い
月並みだけど、ほんとーーに、惜しい人を亡くした、と言ってしまう。ま...
許されたいと願うことさえ許されない [各所修正]
元MI-5(英国軍情報部)出身の作家ジョン・ル・カレの
2008年刊行作『誰よりも狙われた男』の映画化にして、
昨年急逝したP・S・ホフマン最後の主演作。
ドイツに密入国してきたチェチェン人の青年イッサ。
ドイツの情報局はイスラム教徒である彼が
テロを企てている可能性を憂慮して彼をマークするが、
ベテラン局員のギュンターは彼をわざと泳がせ、
更に大きなテロ情報源を得ようと試みる……
というあらすじ。
鑑賞中に思い出したのは2012年公開の『外事警察』劇場版。
テロに対抗する為には民間人を利用する事もいとわない非情な世界。
イッサの悲惨な過去に同情を寄せ、彼にドイツ国籍を
与えようとする弁護士アナベル(R・マクアダムス)、
イッサの父と関わりを持ち、彼の父が残した
莫大な資産を管理する銀行家ブルー(W・デフォー)、
ホフマン演じるギュンターは民間人である彼らを
危険な世界へと引き摺り込む。
脅迫紛いの方法と良心に訴える方法とを巧みに使い分けて彼らを懐柔し、
過激派に関わりがあると思しき人物をイッサを利用して
罠に嵌めるよう仕向けるのである。
非常に打算的で冷徹な男に見えるギュンター。だが
物語後半になるに連れ、実はその内側には熱い血が
流れている事が分かってくる。
恐らくは彼の血を静かに沸き立たせた、CIA局員の言葉。
子供の戯言のようなその言葉を彼は繰り返してみせる。
「世界を平和にする」
もしかしたら、打算的に見えた行動の数々も――
情報屋のイスラム人青年を気遣う言葉も、
イッサをかばう弁護士を説得した言葉も、
銀行家ブルーの熱意を掻き立てた言葉も、
本当は駆け引きでも何でもなく、
彼の本心からのものだったのだろうか。
だが、あの瞬間。
突然みぞおちを殴られるような衝撃を味わうあの瞬間。
何かが起こる予感はしていたのだ。
それでも僕は裏切られたのだ。馬鹿だったのだ。
世界はこんなにも無情か。こんなにも非情か。
許されたいと願う事すらも許してくれないのか。
あの人物の魂からの叫びが、あの打ちひしがれた
哀切極まる表情が、未だに頭を離れてくれない。
.
.
全編ポリティカルサスペンスとしての緊張感に溢れ、
それでいて奥底には人間性を感じさせるドラマがある。
P・S・ホフマンを初めとした役者陣も残らず見事。
そして、あの幕切れ。
僕は完全にやられた。素晴らしかった。
<2015.01.25鑑賞>
余談1:
昨年10月の公開で劇場鑑賞は諦めていたが、
嬉しい事に少し近所のミニシアターで上映!
滅多に行かないのでなんだか申し訳ないけど
ありがとう某ミニシアター様……。
昨年観てたら2014年個人ベスト10内に挙げてたと思う。
余談2:
前述通り本作は、P・S・ホフマンの最期の主演作。
優れた演技力は勿論のこと、優しくも傲慢にもなれる
彼の風貌は、善悪の境界線のキワキワを歩む役において
ひときわ威力を発揮していたと思う。
序盤で彼が夜の街頭を歩くシーン。
店の照明をバックに浮かび上がる彼のフォルム。
彼で無ければ成立し得ないシーンだと思った。
亡くなるには早過ぎる役者さんでした。
ご冥福をお祈りします。
燻して燻し切った銀色。
いぶし銀の無常感
rip
派手さや深い心理描写はなく、登場人物の説明もそこそこなので、どこに感情移入するかというのは難しい作品ではあったが、だからこそなのか緊張感が凄かった。
誰が裏切るんだろう、誰がどこでキレるんだろうとそればかり考えて視聴してたら、案外そこは大波乱はなく無難な線だったけど(笑)、それが逆に緊迫感と、作戦成功後の爽快感、ラストの無情さを増幅させる上手い流れだった。
それにしても悔しい。
見終わった後に悔しいという感情が一番浮かんできた。
続編があっても面白い締めかただったと思うし、それが見たい出来の良さで、フィリップ・ホフマンの死が本当に悔しい。
改めて、追悼の意を表したい。
「誰よりも求め過ぎた男」を描いた作品。
良かった。
14年2月急逝したフィリップ・シーモア・ホフマン、最後の主演作。
ホフマンは本作でも渋い役を好演。
見た目は大柄、猫背、白髪の中年男性。
大きな塊のような彼がノソノソ動き呼吸を常に乱しつつ。
自身の頭と情報網を活用して謀略を巡らす。
その得体の知れなさ、底の見えなさが話に説得感を与えていました。
またホフマンの表情が魅力的。
通常は感情が抜けた無表情。
そのため時折見せる感情豊かな表情にハッとさせられます。
身内に見せる柔和な笑顔。
敵対者に見せる皮肉な笑顔。
神経質な思案顔。
そして独りの時の寂しげな顔。
彼の表情で状況の理解が深まり話に惹き込まれていきました。
話の設定/展開も良かった。
9・11テロ以降の世界でテロを未然に防ぐこと、テロの芽を摘むことに執念を燃やす各諜報機関。
同様の思想を持つものの、現場を指揮するバッハマンはより広く長期的な考え方で対応しようとします。
行動を通して徐々に明らかとなるバッハマンの考え方。
序盤と終盤でバッハマンに対する印象がガラッと変わりました。
そして迎える結末。
全てが変わった、一瞬の出来事。
その圧倒的な密度に息を呑み。
一瞬の間を置いて理解が追いつき大きく息を吐く。
非常に濃密な時間でした。
ホフマンの魅力と確かな演出で緊迫感を保ち続けた本作。
個人的には「誰よりも“求め過ぎた”男」の方が適切だったように思います。
ホフマンの好演を堪能できると同時に、終わりなきテロ対策の解決策とは…と考えさせられる作品でもありました。
オススメです。
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