くちびるに歌をのレビュー・感想・評価
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高校生でなくて中学生
あまり深く考えずに何となく観たいな、と映画館へ。
大人の事情、子どもの事情、いろいろ混ざり合って、物語が進行する。いろんな伏線が折り重なって、最後は涙が止まらない。
ガッキーが出ているから観に行く!とか甘い気持ちで観に行くとケガするかな(^◇^;)
自分の15歳を思い出す
なめてました
15歳の目で見た風景
良い青春映画
評価は自分でくだしましょう。
え~、え~っ、なんと申しましょうか、え~っ、そのぉ~、見事にひっかかりました。「どハズレ」映画でした。はっきり言って時間と金の無駄でした。僕は映画を観に行く前に、予告編やYahoo映画レビュー、映画.com等での評価を確認してから観に行くようにしています。
本作の「映画.com」での評価は5点満点中の4点、Yahoo映画レビューに至っては、レビュー数300以上、そのほとんどにおいて満点評価。総合得点は5点満点中、「4,45点」という「大絶賛」に近い評価でした。
予告編はまあ、そこそこだし、見に行ってみるか、という感じで観に行きました。
上映が始まると、僕のお尻はムズムズいたしました。
「はよ、帰った方がエエんとちゃうか?」
「自分の気持ちに素直になれや……」
「やっぱり途中下車が正解やで」
「こんなもん、映画とちゃうやろ」
上映時間132分のあいだ、いつ劇場を飛び出そうか?
そればかり考えておりました。
本作は長崎の五島列島の小さな高校の合唱部のお話。
合唱部の顧問の女性教師が出産のため産休に入ります。新たに赴任してきた音楽教師、柏木ユリ(新垣結衣)が新たに合唱部顧問となり、全国合唱コンクールを目指すというストーリー。
まずは疑問。
本作で描かれる高校生たちは絵に描いたような「良い子」ばかりです。
なんで、こんなにいい子ばかりなんだろう? 気持ち悪くて「ヘド」が出るぐらいです。
いくら田舎の高校とはいえ、もうちょっとひねくれ者がいたっていい。
そもそもなんで「合唱部」はコンクールに出ようとするのか?
出る必要があるのか?
その動機が全く映画では描かれません。
だから練習を頑張る姿に、なんの感動も覚えない。
合唱に限らず、全国レベルのコンクールに出ようなんて、それこそ、青春のすべてを賭けるという、並外れた精神力と熱意と努力が必要です。
その困難さにあえて立ち向かう、という無謀にさえ思える挑戦。その無謀さの中にこそ、「青春ドラマ」がうまれる土壌があるのですね。
であるからして、まずは高校生の全国レベルが、一体、どれだけのクオリティーの高さなのか? そのハードルの高さを映画冒頭で提示しなくてはならない。
合唱部が乗り越えるべき障壁を設定してあげなくてはならない。
そのあまりのハードルの高さに躊躇したり、ビビったり、逃げたしたり、でもやっぱり音楽をやり続けたい、と思うかもしれない。そういう「悩む姿」に観るものは共感を覚えるわけですね。
もともと音楽映画はハードル高いです。本作にはそういう意識、緊張感がまるでありません。
高校生と音楽を描いた作品では、矢口史靖監督の「スウィングガールズ」という格好のお手本があります。
全くやる気のない、ダメダメの落ちこぼれの高校生たちが、音楽をする楽しさにのめり込んで行き、女子高生のジャズバンドを結成してしまう、というお話。物語は終始コミカルに描かれます。どれほど、やる気がない連中か、どれほどダメな女子高生たちか? 映画前半ではそれらが全く違和感なく描かれて行きます。最初は補修の授業がサボれるから、という理由で始めた吹奏楽部の助っ人。楽器なんて触ったことはもちろんない連中です。それでも練習するうち、ちょっとだけ吹けるようになってきた。間近に迫った野球部の試合応援で、デビュー演奏するぞぉー、と盛り上がっていたら、突然、顧問のグータラ、天然女性教師から
「アンタら、今まで、おつかれさん。あとは部員達に任せて」
と告げられます。
集団食中毒から回復した吹奏楽部員たちが戻ってきたのです。
せっかく弾けるようになった楽器は、アッサリ取り上げられてしまいます。
主人公たち(ちなみに本作で大ブレイクした上野樹里、貫地谷しほり)は悔しくって大泣きします。
「畜生、せっかくここまで練習したのに!」
分かりますか、皆さん?
彼女らが「なぜバンドを結成しようとしたのか?」その「強烈な」動機がここで提示されるわけです。
彼女たちはやがて、仲間たちでビッグバンドを結成し、音楽にのめりこみます。
そして映画のクライマックス。矢口監督はここで彼女たちに演奏の場を与えています。しかしそれは「コンクール」ではなく「誰でも参加できる」音楽祭という場でした。
ここに矢口監督の重要なメッセージがあるのです。「スウィングガールズ」という映画は、音楽の「競技、競争、コンペティション」を目指すお話ではないのです。
「音楽の楽しさを知る」映画なのです。だから彼女たちがラスト3曲を演奏する場は「音楽祭」なのです。そこに点数はつきません。
ぼくはこの「スウィングガールズ」を劇場で14回も鑑賞しました。
ラスト3曲を劇場で最初に聴いた時、全身に鳥肌が立ちました。
「すごい!!」
ちなみに、本作「くちびるに歌を」では、何度も居眠りをし、あくびをし、「ああ~」と深いため息をついて映画館を後にしました。
やはり、映画は自分の目で見て確かめた方が良さそうです。
ただ、ロケ地の風景の美しさだけが本作の救いでした。
心に沁みわたります。
15歳 私は映画にハマった
さわやかな風が吹く
中学時代を思い出しました
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