くちびるに歌をのレビュー・感想・評価
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最後の最後まで感動させてくれる
この映画はすごいしっかりとしたストーリーだった。
最初はなんかもやもやした感じで見ていたけれど合唱コンが近づくにつれ先生と部員たちの団結力が強くなっていき、はたしてどうなるといった感じ。
先生がピアノをひかない理由、生徒それぞれの悩み、それぞれがしっかり描かれており、最後はひっかかることもなくスッキリする。
合唱コンの合唱は聞いた時には鳥肌が立った。男子の成長ぶり、先生や生徒の悩みの葛藤など、いろいろな見所がある映画だった。
合唱コンで終わりと思いきや最後。思わず「おぉ。」と声に出てしまうような展開に驚いた。
コーラス、個々の葛藤とハーモニー
【品性溢れる秀逸な邦画。傷ついた元ピアニストの教師が生徒たちの歌声に勇気づけられていく姿が眩しい。新垣結衣さんのベストアクト作。】
臨時教員として、五島列島のある島に赴任した柏木ユリ(新垣結衣)の表情は暗い。笑顔はない。生徒たちに対する態度もそっけない。
彼女の暗く、覇気のない姿の理由は徐々に明かされる。
木下恵介監督の「二十四の瞳」は、冒頭から明るさに満ち溢れた名作なのは、万民が知る所であるが、今作は彼の名作へのオマージュに彩られている。
五島列島の風土と、そこで暮らす生徒たちの明るい表情と、彼らが奏でる合唱が、徐々に柏木ユリの心を解きほぐしていく過程が観ていて心地良い。
生徒たちを指揮するユリの吹っ切れた表情と、生徒たちの歌声が響き渡るシーンは忘れ難い。彼らが歌う歌はアンジェラ・アキの名曲である。感動を禁じ得ない。
当時、中学生を演じた方々には、長崎出身の方を中心に現代邦画を牽引する若手俳優さんたちも出演していた。
(恒松祐里さん、葵わかなさん、佐野優斗さん・・・)
<三木孝浩監督が、「手紙~拝啓 十五の君へ~」から物語を組み立てた気品溢れる邦画である。>
<2015年2月28日 劇場にて鑑賞>
この歌自体はあまり響くものがない
ガッキー目当てで鑑賞する方も多いのではないでしょうか。勿論それでいいと思います。作中でもありましたよね、理由がどうであれ音楽を始めてくれたなら、と。
この時期になると夏休みが始まり、
学生達は貴重な休暇をコンクールの練習漬けの毎日を送るのでしょう。今年もそんな季節が来ました。
近年のドラマはいい歳した若手俳優が中高生の役を演じていてあまりにも現実離れしているけど、本作は等身大の15歳像がそのまま反映されていた。
一見強がっているが中身は純粋で時に弱く、思春期ならではの悩みを抱えている繊細な子供達。
部活をひたすら頑張る青春映画はご都合主義が多く、ひたすら厳しく辛い部活に身を捧げた学生生活を送った身としては、あまり好きではありません。
本作もその理由で鑑賞を避けていましたが、そんなジャンルの映画ではありませんでした。
メッセージ性のある作品ではありますが、それを押し出していると少しチープになってしまいます。この映画が訴えるメッセージは、鑑賞する人がそれぞれ感じ取ればいいのではないでしょうか。
私にはみんな良い子ちゃん過ぎました
地元に戻ったピアニストが友達の産休を理由に臨時教師となり合唱部の顧問としてコンクールを目指すお話。
まぁ、最終的にはコンクールなんてどうでもいいや的にはなってましたが😅
ガッキー演じる美人臨時教師はスレ気味。
周りの生徒は皆良い子ちゃん。
悲しい身内話はあるけれど、(そんな事を現実的に味わった事の無い人には可哀想と共感抱くかも知れないでしょうが、逆に)悲惨な現実を味わった事のある人間は「だから何?そんなの不幸なうちにも入らんわ。 」とシラけてしまう。
そんなこんなで身内話から立ち上がりさぁ合唱だぁ〜。
文科省が好きそうな後半ではありました。。。
コンクール合唱部分だけ(歌い始めピアノに写る生徒達の描写が特に)は褒めるが、後は私個人とすると全体的にシラけてばかり。
ラストも良い子ちゃん過ぎました。
はっきり言おう!!同情を誘う不幸話はこの作品には要らん!!
私にはある意味、「ある歌をモチーフにして映画作りました」と言う最近流行りの作品は合わない。
ハナミズキとか、これとか、雪の華とか‥‥。
ちょっと(歌モチーフ映画作る)意味分かんない。
その歌を超える映画って出ない気がします。
何かと同情誘う不幸話が付いて廻るし、ワンパターン。
「歌のイメージと合ってるか?」と疑問を呈したい所もある。
ちょこちょこ良い子ちゃんが不幸から希望を見出す話が好きな人とガッキーファンはどうぞ😞
キュートさ封印の新垣結衣さん
15歳のそれぞれと30歳の思い
ずーっとじわじわ
まったくのノーマークだったが、なにやら評判が良さそうだったので思い切って観てみた。
極力余計な予備知識など入れずに観たが、涙腺崩壊とか号泣という感じではなく、ずーっとジワジワ、ウルウルが続く感じ。
ストーリーは、ある意味ありがちな内容で、期待を裏切る何かがあるわけではないが、とにかく観て良かったと素直に思える作品だ。
主演のガッキ―はもちろん、子供達がいい。
特に男の子と、部長の女の子。
切ないね。
そして、たぶん彼らが本当に歌ってると思うが、合唱のシーンが実に感動的だ。
設定や演出など気になる点はあるものの、総合的とても良い作品で、『文部科学省推薦』とか付いてもいいくらいだ。
いま15歳の人にも、ずっと前に15歳だった人にも、年代問わずお勧めしたい。
で、やっぱりこの歌は間違いなく名曲だ。
今後アンジェラ・アキの 『手紙~拝啓 十五の君へ~』が聞こえてきたら、なにかがこみ上げて来そうな気がしてならない。
現役合唱部時代に死ぬほど泣いて観た映画です
高校で合唱部に所属していた時、同期の子と一緒に観に行ってめちゃくちゃ号泣しました。
合唱ってずるいですよね。ストーリーが深い浅いはともかく、あの歌声は胸にくるものがすごくありました。
合唱はひとりひとりの声が重なって、それぞれの表現したい世界や想いが連なって完成するものなので
そこに至る過程の生徒たちや先生の悩みや苦しみもすごく大事なものだと思います。
合唱をしていて、一番大事なのは表現力だと思います。
この映画の重要なキーになっているのはアンジェラ・アキさんの「手紙」という曲で、
実際にNHK学校音楽コンクールの課題曲になった曲です。
いろんな現実に直面して、悩んでいる10代の彼らだからこその表現力で
あんなにも、ひとつひとつの歌詞が心に響くのだと思いました。
最後のコンクールの会場になった長崎市公会堂は立て壊されてしまったので、懐かしい気持ちにもなる作品です。
こういう映画撮らせたら鉄板!
食わず嫌いはいかんねぇ
別にアンジェラ・アキのファンというわけでもなく、この映画のネタとなった曲も好きなわけでもなかったので、映画は完全にノーマークだったのだが、何の気なしにレンタルで借りてきて見たらば。
良いじゃないか。
大人も子供も良い人、良い子ばかりで照れくさくなるほどストレートにテーマをぶつけてくる映画で、「青春映画とは(あるいは音楽映画とは)かくあるべし」という固定観念に囚われがちなスレてしまった現代人としては、どうしても斜めから見て鼻で笑いたくなってしまうのだが、ここまで正面から語られたらこっちも素直になっちゃうよね(笑)
本作で唯一、スレた観客の期待に添う「ヒネた人間」として出てくるのが新垣結衣が演じる産休代理の音楽教師で、つまりこれは子供たちの青春映画であると同時に彼女の再生物語でもあるわけだけど、その彼女の挫折の理由も、そして心を開いていく過程も、ぶっちゃけクサいのだ。
照れくさくなるほどクサいのだけど、こうまでストレートに語られたら感動してしまうじゃないか。
新垣結衣は、彼女を嫌いという人なんているのか?というほどの押しも押されもせぬ国民的女優だが、正直なところ、彼女を「上手い」と思ったことはない。
でも、逆に彼女を見て浮いているとか作品の世界を壊している、と思ったこともないんだよね。
こういう典型的なツンデレ(笑)な役を納得させてしまうというのは、やはり底知れない実力、なんだろうな。
他のキャストも、この一つ間違えば青臭くて照れくさくて見てられないような真っ正直な話を、きっちり自然に見せてくれる実力派揃い。
DVDを買って、生きるのに疲れて心が汚れちまったな、と思った時に見ることにしようか、と思うほど、心が洗われる良作だった。
心に響いた
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