「薫風」くちびるに歌を gattumanさんの映画レビュー(感想・評価)
薫風
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小学5年生の国語の教科書に「薫風」という言葉が出てくる。その名の通り、「風が薫る」という意味である。
この映画を見たとき、感じた感覚がまさに「薫風」だった。五島列島の美しい風景と「今」をひたむきに生きている中学生たちの姿が相まって、近年感じたことのない「爽やかさ」「清々しさ」を得ることができた。若さの煌めきは目映い。
ナズナもサトルも、自分の運命に寄り添い、今を生きている。サトルの「ぼくは、兄のために生まれてきた」という言葉。これほどまでに自分のことを受け止めている。
改めてアンジェラ・アキの「手紙」を通したメッセージの意味を考えさせられる。詩に表された言葉がなんと重く豊かなことだろうか。
世の中、どろどろとしたしがらみは避けては通れないが、この映画でぜひ薫風を感じてほしいと願う。
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