「歌って、思いを込めて」くちびるに歌を 近大さんの映画レビュー(感想・評価)
歌って、思いを込めて
長崎県五島列島の、中学校合唱部。産休の先生の変わりに臨時としてやって来たのは、島出身で東京で活躍するピアニスト。が、美人なのに無愛想で、ピアノも弾かず…。
ハッキリ言って話はあるあるで、予定調和。
しかしながら、それらを最大限に活かし、誰の心にもスッと入る心地よい感動作になっている。
海に囲まれた小島、先生と生徒の交流…さながら現代版「二十四の瞳」。
合唱部顧問のくせに何も教えてくれず、ずっと腕組んだままで無愛想。
たまに口を開いたかと思えば、ダメ出し、ダメ出し、ダメ出し。
これで美人じゃなかったら、何じゃあのビ○チ!!(#`皿´)
いつものスマイルを封印して、新垣結衣が好演。
「恋空」なんて大ヒット作はあったものの、どうも映画じゃ決め手に欠けてた彼女にとって、ようやくようやくの代表作に!
ピアノが弾けなくなった理由のエピソードはちと弱いが、心に傷を負った女性が新たな一歩を踏み出す。
ラストにだけ見せる笑顔が輝く。
そのきっかけとなったのは、言うまでもなく合唱部の生徒たち。
皆、真っ直ぐで一生懸命で、可愛い子たち!
人一倍熱心なナズナは、家庭にある問題が…。
透き通るような美声を持つ内気な男子、桑原。彼と自閉症の兄のサブエピソードが感動に一役買っている。自分が生まれてきた理由と兄への思いを綴った十五年後の自分へ宛てた手紙には、目頭が…。
作品のモチーフになっているアンジェラ・アキの「手紙 ~拝啓 十五の君へ~」。
クライマックスのコンクールで歌われ、この名曲が今回殊更心に響く。
悩みや葛藤を抱える十五の彼らは歌う。
最高の笑顔で、くちびるに歌を乗せて、様々な思いを込めて…。
青春映画の名手・三木孝浩監督の演出は快調。
五島列島の美しい風景が温かく包み込む。
方言にほっこり。
また、産休に入る先生を最近お気に入りの木村文乃が演じているのもちょっとポイントプラス。
よくある話、ベタ…と言うなら言えばいい。
見終わった後の晴れ晴れとした、爽やかな気持ちよさ。
やっぱりこういう作品は好きだ。
共感ありがとうございます。
三木監督らしい青春映画でしたね。
ベタでも観終わって爽やかな気分になれますね。
私、ガッキーファンですが、いつもの笑顔ガッキーとは違うふてくされガッキーもgoodでした。
では、また共感作で。
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