「出港の合図」くちびるに歌を 由由さんの映画レビュー(感想・評価)
出港の合図
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私は五島列島を訪れたことはないが、ぜひ行ってみたいと思わせる、美しい景色だった。
この映画は、少年と少女と先生という、三者が中心に描かれているが、それぞれが、自分の存在意義に対する思いを、心に秘めている。原作とは異なるが、自分を認められなかった三者が、音楽を通じて克服していく姿が、清々しく、とても感動した。特に、柏木先生が再びピアノを弾く場面は、選曲が素晴らしかった。悲愴が、これほど人の心を包み込むように優しく感じたのは初めてだった。親に捨てられたと嘆く少女は、それを聞いて涙を流し、再び前に進もうとする。
コンクール後の合唱は、心を浄化してくれるようで、エンドロールまで美しい余韻が残った。
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