ジェームス・ブラウン 最高の魂(ソウル)を持つ男のレビュー・感想・評価
全3件を表示
ジェームス・ブラウン
JBと言われても「ゲロッパ」のフレーズしか思い浮かばないくらいだ。
それ程に全く接点がないままであったが、彼の残した音楽を聞くと何故だか心が弾む。体がムズムズする。
じっとしてるのが、勿体なく思えてくる。
そういう事を感じた映画だった。
ソウルミュージックとか、安易にカテゴリー分けしてるけど、そんな簡単なもんじゃないってのが分かった。
他に何もなかったし、出来なかったんだ。
歌う事以外。
そんな事がJBの成長を通して語られてたように思う。
過去を振り返るように紡がれる編集がとても印象的だった。
にしても…最早、憑依といっても過言ではないくらいの役作りには恐れ入る。
あんな足のステップ、振り付けとかすんのかしら?
カウントもクソもない。
ぶっちゃけフィーリングだろうと思うし、監修って立場の人が居たとしても、元のステップがJBの思いつきだろうしな。
コピーしようがない。
声といい、振る舞いといい…眼福でした。
ブルースで泣く!
JBのFunkの源を描きながらボビー・バードの友情とベン・バードとの交流を織り交ぜながら映画は進む。
JBにとってのFunkは“何か”を求めたための“あがき”でありそれを極めてゆく。時系列がバラバラなのはそのためだ。それにしたがって「Funkは俺にしかできない、俺がFunkだ!」という傲慢になってゆき、ボビーとの破局やベンとの死別へての孤独は本当にお決まりの展開なのだが……
最後がFunkじゃなくてBulesなんだぜ!
JB、お前こじらせツンデレしてんじゃねーよ! と思いつつも泣きましたよ! 声を堪えましたよ。
俺殺しだったわ。
唯一無二の男。
私にとって一番耳に残るJBはやはりあの「ゲロッパ!」だけど、
(正しくはGET ON UP)正に彼の人生そのものだったなぁと思う。
極貧生活で父に殴られ、母に捨てられ、窃盗で捕まった刑務所で
生涯無二の親友となるバンドマンと出逢う、映画みたいな人生。
彼には歌とダンスの才能が元々あっただろうが、偶然の命運が
彼に味方しなければ、こんな発展は絶対に望めない状況だった。
子供の頃からJBの歌はよく流れていたけど(顔が怖くって^^;)
ファンにはなれなかった、でもファンキーなシャウトを聴く度に
すげぇ、やっぱり黒人って歌上手いよなー!なんて思っていた。
日本でも人気の高かったJBは前述の映画タイトル^^;にもなり、
未だにエンターテイナーとして羨望の的であり続けているのだが、
まぁその半生といい行動といいハンパなく破壊的。奇行やDVも
よくニュースになっていた。そういった彼の人生を余すことなく
しっかり描いているところが今作の素晴らしさ。もちろん音楽は
(オリジナル音源多用)知っての通りだけど、あの人生でこの歌
ありきとあらゆる点でなるほど~なるほど~と思わざるを得ない。
時系列を前後した冒頭のライフル発射とパトカーチェイスなんて、
どこの犯罪者なんだよ、お前!と言いたくなるし、公民権運動の
最中で黒人が差別から這い上がる為のシンボルの一片がJBにも
注がれていたところが大きく、当時の時代背景の描き方も詳細だ。
彼は黒人社会を虜にしたけれど、彼自身は愛に苦しみ周囲の人間
を巻き込んでは傷付けていた。成功しても満たされない胸の内を
繊細にパワフルに(まるでコピーしたかのように)C・ボーズマンが
体現している。歌こそ吹替えなんだけど、彼にソックリである。
J・ロビンソンの時といい偉人を演じるのに縁があるのだろうか。
ラスト、親友ボビーとのエピソードに泣かされる。
(D・エイクロイドとの共演に懐かしさ倍増。人気者だったもんね)
全3件を表示