シークレット・ミッションのレビュー・感想・評価
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傑作
心に余韻を残す見応えのある良い作品で、みて良かったと思う。北朝鮮の若きエリート工作員が南に潜伏し、その中で自らの使命を遂行する事になるが、街で暮らすうちに、自分を取り巻く人間達の温かさに触れ、改めて知る人生で一番大切なものと、北で培われたアイデンティティーの狭間で葛藤する姿を描いている。キム・スヒョン演じる主人公リュファンやパク・ギウン扮するヘラン、イ・ヒョヌによるヘジンなど、まさに人生がこれからの若い工作員のそれぞれの純情が、南の自由の空気の中で、揺れ動き、心で葛藤していく様子を笑いありに表現し、だからこそ、最後にそれぞれの選んだ選択が、終盤、悲しく切なく胸に迫りくる内容となっている。役の振り幅が大きいが、俳優陣の演技力に支えられ、そのギャップも見応えがあり、ストーリーを支えている。アクションの取り入れ方もうまく、迫力がある。南北分断を背景にしているので、一見重いかと思われるが、そうではない。純粋で若い主人公達が見せる心の模様の中に人生や仲間、家族への愛情があり、悲しみの中に、一筋の光となって、作品に輝きをもたらしている。秀逸な作品である。
今年度ベスト1級の秀作
解説を読むと「若手イケメン俳優が共演したスパイコメディ」と書かれていますが、本作はそんな軽い言葉で片付けられる作品ではないと思います。
韓国に潜入した北朝鮮のエリートスパイ3名。1人は「バカ」、1人は「ロック・ミュージシャン」、1人は「普通の高校性」に偽装しています。このあたりのコミカルな表現は素直に笑えて面白いのですが、党に忘れ去れれたかのような幸せな2年が過ぎた後、彼らに過酷な運命がのしかかります。
韓国映画界の主要命題と言ってもいい南北問題を描きながら、過剰に暗くならず、また単なるコメディーにも流れず、魅力的なキャラクター造形と優れた演出能力とで、素晴らしい作品に仕上げたチャン・チョルス監督の手腕は本当に見事。
出演者に関しても、主演のキム・スヒョンは「バカ」の時の笑顔が天真爛漫すぎて、「本気」の時とのギャップに泣けてきます。他の2人もクールな2枚目と可愛い弟キャラ、それぞれにいい味を出しているので、「そっち系」の人も大満足間違いないでしょう。
レッド・ファミリーと似たシチュエーションの作品ですが、レッド・ファミリーで感じた演出面の不満がなく、本作では笑える場面では笑え、泣ける場面では泣けます。
是非多くの人に観てもらいたい、今年度ベスト1級の秀作だと思います。
笑いと涙とカッコよさと。
レッドファミリーに引き続き北朝鮮スパイが韓国で潜伏活動する生活をコメディ絡めて描いた映画でした。
北朝鮮スパイが韓国にきても重要任務も発令されずただただ安穏と暮らす設定です。そこで彼らが得る普通の生活がいかに幸せかが凄く浮き彫りになってきます。
韓国人も現代の人達は朝鮮が分断していることに少し意識が薄くなっているみたいな話を聞くけど、こういう作品みるとますますそんな感じを受けます。
祖国の為に全てをささげる北朝鮮スパイに純粋に愛国心をもっている良き人々とみるか、人質とられて仕方なく奉仕しているとみるか、簡単には判断できないけど、この映画みると人情ってやっぱりいい!って感じます。
しかし、韓国映画は相変わらずシビア。簡単にはハッピーエンドにしてくれないところが悲しすぎ…。
泣けます。
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