劇場公開日 2014年10月11日

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「【意外な面白さ。コメディ×アクション×ドラマ。バランスの取れた良作】」シークレット・ミッション 3104arataさんの映画レビュー(感想・評価)

3.5【意外な面白さ。コメディ×アクション×ドラマ。バランスの取れた良作】

2021年11月28日
PCから投稿
鑑賞方法:DVD/BD

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【意外な面白さ。コメディ×アクション×ドラマ。バランスの取れた良作】
・2013年公開の韓国のコメディアクション映画。
・原作はインターネットポータルサイトの「ダウム」に掲載されたウェブ漫画だそうです。
・北朝鮮の特殊工作部隊5446部隊のエリート隊員のリュファンは韓国にスパイ潜入し、おバカな青年を演じて地域に溶け込みつつもきたる作戦実行の命令を待つ。のちに、2人のスパイが送り込まれ、3人は仲良くなるが、最終的にひどい作戦命令が3人に下される という大枠ストーリー。

[お薦めのポイント]
・コメディ×アクション×ドラマチックのバランスのある作品
・日本人俳優をイメージしながら観れる

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[物語]
・人間的な重厚感はないのですが、コメディタッチ→アクション→ドラマチック、という流れが素晴らしく良くできていると思いました。ぱっと見、アイドルを売り出したいがための映画で、観る価値がそこまでないのでは?なんて思いましたが、全然。しっかりと観れる映画に仕上がっていました。朝鮮問題を詳しく知らないので、裏に深いテーマが隠されていても、その辺はよくわかりません。しかし、北朝鮮という(個人的に)ちょっと異質な国でも、そこに生きる人(スパイとして派遣されたもともと無慈悲な人)でも、私たちと同じように人情を感じ、優しくなり、(万国共通的にある人として)こうなりたいを思い描く、のだということを肌で感じさせてくれるものでした。

[演出]
・緩急が素晴らしいですね。序盤で主人公リュファンがおバカを演じる部分のコメディタッチは笑いを誘い、中盤以降のアクションシーンではカッコよさが際立ち、終盤では兵器として育てられたスパイでも人並みに人としての幸せを望んでしまうもの悲しさを感じさせてくれます。計算された流れがわかりやすく提示されているので、観ているこちらも受け入れやすいですし、共感もしやすいです。

[映像]
・アクションシーンがかなりかっこよいです。意味なくVFXなどを多用はしておらず、あくまでもドラマを主軸に物語に必要なシーンのみを際立たせるために映像を工夫している、王道の映画、といった印象です。

[音楽]
・物語の流れに沿って、BGMも出しゃばらず、しっかりと裏で物語の抑揚を支えてくれているものだと思いました。

[演技・配役]
・びっくりするくらい日本人俳優に見立てながら鑑賞してしまいました。それゆえ、アイドル映画なんでしょうけど、そうは見えずに最後まで楽しめました。キム・スヒョンさんは横顔が永山瑛太さん。パク・ギウンさんは玉木宏さんとつるの剛士さんを足して2で割った感じ。イ・ヒョヌさんは高橋一生さん。不思議と親近感がわくんですよね。
・何より、キム・スヒョンさんがおバカにコメディタッチに描くシーンとアクションシーンやドラマチックシーンのギャップが凄すぎて、感情移入してしまいます。

[全体]
・人の幸せとは意外とシンプルで、親や兄弟、友達や家族、そんな身近な人と幸せに生きていられれば、ただそれだけで実はものすごい幸せ。ということがジンジンと伝わってきました。それが中々叶いづらい人たちの物語を描くことで、自分たちがどれだけ幸せな状況なのか、ということを改めて感じさせてくれます。
・物語の終わらせ方は賛否があると思います。私はもう少し希望を持たせてほしかったから若干「否」です。が、冷静に考えれば、この終わらせ方をするからこそ、安っぽいアイドル映画に成り下がらなかった気もします。情もろく考えると「否」、ロジカルに考えると「賛」といったところでしょうか。

・私はぱっと見、ただのアイドル映画と思っていましたが、実際に鑑賞してみると全然異なる印象でした。「2時間、無駄だった~」とはなりづらい映画だと思いますので、お時間あれば是非鑑賞されてみてはいかがでしょうか。ありがとうございました。

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#全体3.6 #物語3.6 #演出3.7 #演技3.6 #配役3.5 #映像3.6 #音楽3.6

3104arata