「真夜中に「スズメだ」いや「夜鳴き鳥」」毛皮のヴィーナス 唐揚げさんの映画レビュー(感想・評価)
真夜中に「スズメだ」いや「夜鳴き鳥」
初ポランスキー!
とある劇場で行われたオーディション。
演目はSMのM〈マゾ〉の語源となった作家マゾッホの小説『毛皮を着たヴィーナス』。
登場人物は女優ワンダと演出家トマ2人だけ、舞台も劇場内から動かないという異色の2人芝居。
はじめは、オーディションに遅刻してきた無名女優ワンダに対し優位だった傲慢なトマが、ワンダにより蔑まれ彼女の力に屈服していく。
芝居と現実が混同していく。どこからが芝居でどこからが現実なのか。
そもそも、やたらこの作品に詳しかったり、奥さんのことを知っていたり、役と名前が同じだったり、ワンダは一体何者なのか。
はじめは安っぽい女だったのが、貴婦人を通り越し痴女になる様子は恐ろしくも美しかった。
とにかく答えを出しにくい。
男性目線としてはトマの「最近は何でも社会問題にしたがる」というのに共感。
一方、ワンダは「この本は女性差別だ」と言い張る。
書いていたら、何言いたいのかわからなくなってきたので、これくらいにしておきます。
エンディングのヴィーナスたちの裸婦像は印象的。
その中でもトリはやはりミロのヴィーナス。
女という生き物を知るための映画でした。
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