「男という生き物のバカさ加減を描く」チューリップ・フィーバー 肖像画に秘めた愛 osanさんの映画レビュー(感想・評価)
男という生き物のバカさ加減を描く
一見すると愛に生きる美女を描く古典風作品だが、実際は違う。
男という生き物の中に本質的に存在する馬鹿さ/愚かさ/宿命/情けなさ/空しさ/欲望/辛さ/悩み/を悲喜こもごもに描いた狂騒曲である。
アメリカのポスターのキャッチは、"desire" "obsession" "betrayal" である。恐らくこちらの表現のほうが作品の特徴をよく現している。
男なら、この作品に出てくる男の登場人物の中に必ず一人ぐらいは共感してしまう、あるいは心当たりのある奴がいるに違いない。(もしそうでない男がいたら、よっぽどの聖人か、そうでなければ同情に値する。)
私は身につまされるような登場人物ばかりであった。それだけ自分がいかに低俗で情けない人間であるのかと反省した次第である。だからこそ、観終ってとてもすっきりした気持ちになった。
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