「自分がその場にいるような感覚になった✨️」百円の恋 しわさんの映画レビュー(感想・評価)
自分がその場にいるような感覚になった✨️
世界観や人物の設定がめっちゃ良かったです!
家族内のギクシャクしてる感じ、仲悪い感じもリアルだなって思いました。
部屋の汚さもリアル、柿ピーが粉々散らばってるとか。
主人公がだんだん社会と接点を持っていって、治安の悪そうな職場もすごくリアルだなって思いました。
お金のためだけに最低限働ける場所という感覚で、とりあえずアルバイトしている人たちだろうな、
似た者同士が集まる職場ってこんな感じだよなとか、荒れに荒れてる仕事場って現実であったら結構しんどいな、、でもあるかもな、、とすごく思いました。
主人公が、デートに誘われたとき期待してて、初々しくて、表情は変わってないけど、ワンピース買ったり下着買ったりして、行動にウキウキ感が少し出てて、面白かったです。
初めて誘われたときって脈ありだよなって勘違いしやすいのも、わかるなーって昔の自分を思い出しましたし、ワンピース可愛いけど、サンダルと髪型もお金がなくて?かどうにもできなかったようで、頑張っておめかししてるところも初々しくて良かったです。笑
主人公がホテルで襲われてしまう(〇〇)シーンはかなり可哀想でした。。
相手のおじさんの演技もキャラもリアルすぎて俳優さんすごー、、と思いました。
逃げられない恐怖が伝わってしんどかったです、、
失恋と〇〇で、かなりメンタル的に弱っているはずなのに、ボクシングで見返してやろうって思いが強くて応援したくなりました。
純粋に相手のことを想っていた主人公の気持ちがすごく共感できました。
怒りをボクシングに当てるエネルギーが強かった印象でした。失恋で相手を見返してやりたかったのか?
逃げられなかった無力さや、
汚された自分という自己否定を、強い自分や新しい自分になることで上書きしたかったのか?
弱かった自分と〇〇されたショックが記憶で結びついてて、思い出す度に気持ち悪かったのか?
強い自分になれば、変われば忘れられるとしているのか?
いろんな悔しい思いがあるように感じ
ボクシングを頑張る姿に、強い信念を感じました。
ただ勝ちたいだけじゃないようにも感じました。
コツコツ取り組むシーンが何度かあり、それが終盤の対戦のシーンを引き立ててくれたような気がしました。
主人公がどれだけ頑張ってきたから、粘ってきたか、諦めなかったか、対戦が始まって、私もその場にいるような緊迫感で見れました。
がんばれ!勝つよな??と思いながらも、負け傾向が続いていて、ずっと頑張れ、頑張れ!って思ってました。
本当に私の目の前で試合をしているような、
負けない!と頑張っている姿に、感動して泣いちゃいました。
負けと分かっていても勝とうと一生懸命になっている所に、素敵だなと思いました。
大人になってから部活動のように純粋で素直にスポーツで全力で頑張る機会がなかった私にとって、主人公のまっすぐな一生懸命さが、生き方としてキラキラして見えました。
私自身、効率化とかいって仕事を頑張っていたけど、
何のために効率化して仕事を頑張っていたかの理由は、やっぱり働くため、生活のため、評価を上げるため、会社のため効率化すれば損失も減るからでした。
純粋に心からやりたい!良くしたい!自分が納得してやりたい!くそー!見返してやる!というブレない熱い気持ちではなかったことに気づきました。
今の自分には熱い気持ちで一生懸命できる事、効率化を気にせずにコツコツやってても楽しい、やりたいことが欲しかったんだなって気づきました、自分もそうなりたかったとも気づきました。
映画の主題歌にクリープハイプが使われていて、
『百八円の恋』という歌は元々知っていました。
歌詞には、痛い、痛い、痛い、痛い、でも居たい居たい、と言葉を連続している部分があり、この映画の主人公の気持ちの流れそのものだ、と思いました。
この映画に使ってくれて良かったなぁって思いました。歌と歌詞も最後まで聴くと、映像が終わっても楽しめました。
やるべきことに埋もれる毎日を過ごしていたときに、
自分が無くなっていること、純粋な気持ちを気づかせてくれる映画かなと思いました。
