「ユペールだからこそ」間奏曲はパリで pourさんの映画レビュー(感想・評価)
ユペールだからこそ
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フランス映画祭東京2014にて。
作品に対する前提知識を最小限にして鑑賞したため、イザベルユペール+不倫ということでもっとシリアスでドロドロしたものを想像して臨みましたが、終始吹き出さずにはいられないコメディで、鑑賞中観客が声を揃えて大笑い。
エスプリが効いた小難しいジョーク、というよりも、誰もがクスリと(そして時にはお腹を抱えて)笑ってしまうようなネタが満載で、それを真面目に演じるイザベルユペールのツンっとした上品な立ち居振る舞いや表情とのギャップがその笑いを際立たせていたような気がしました。
終盤、不可解な夫の言動の理由を悟ったユペールが、不貞行為を責めないばかりか、彼女の望む男になろうと自分を変えはじめた夫の無償の愛情やら、罪の意識やらを感じて涙するシーンがあって、これはイザベルユペールじゃないとできないだろうな、と言いたくなるほどの迫力があり、胸に迫るものが。
フランス映画祭というフランス映画を愛する人たちが集まることによって生まれた特別な空間において、この作品を笑いによって共有する機会を持てたのは幸運だったと思います。
監督やキャスト、スタッフと同じぐらい、あの時あの場で共に鑑賞した方々に感謝したいです…と書くとお利口さん臭いですが、本心です。
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