ベイマックスのレビュー・感想・評価
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暴力よりも優しさが大切
【概要】
ディズニープラスで久々に鑑賞。
火災事故によって兄タダシを失った弟ヒロが主人公で、兄が作ったケアロボットのベイマックスと共に隠された陰謀を解いていきます。
【感想】
舞台であるサンフランソーキョーは、東京とサンフランシスコを混ぜた架空の都市となっています。それだけでなく、所々に日本文化をイメージした街並みやキャラが登場するので、ディズニーの日本愛が伝わってきました。また、アクションはマーベル映画を意識している印象を受け、戦闘シーンはどれも迫力があって興奮しました。
ストーリーも伏線がうまく散りばめられており、モヤモヤしていた謎が解き明かされた時は、「なるほど!」と思うぐらい納得のいく展開で回収されていました。
特に、先述の事故で亡くなったはずのキャラハン教授が生き残っていただけでなく、事件の黒幕になるとは当時劇場で見た時には予想もしませんでした。
【考察】
この作品を見て思ったのは、暴力は何も生まないというメッセージがあることです。タダシを助けずにキャラハン教授が助かったことを知ると、ヒロはベイマックスに彼を殺すように命令しますが、仲間達によって止められます。初めこそはそれに納得がいかずに感情的になるヒロですが、ベイマックスが写した映像からタダシの思いを知った時に我に返りました。
その後、娘を失ったキャラハン教授が復讐計画を実行しますが、仲間達と共に彼を止めに行きます。そこで彼らは暴力で倒すのではなく、相手を傷つけない優しさで解決しようとする姿勢があるように感じました。
ここから、暴力よりも優しさを持つべきというメッセージがあるのではないかと解釈しました。
【全体】
アメコミ映画をうまくアレンジした新鮮な映画となっており、ディズニーファンはもちろん日本アニメが好きな方にも見てほしい作品となっています。
周りの人が健やかにいられるように
癒し系かと思いきやヒーローものでした。原作がマーベルコミックだそうで納得。「やさしさで世界を~」というキャッチコピーがあるくらいだから、きっと端々にあっただろう優しい言葉や人の動きをもう一度よく見てみたい。想像と違ったけど面白かったです。ベイマックスが可愛い
抱きしめる幸せ
どんなに能力がある人でも、ひとりでは成し遂げられないことがある。へなちょこな集まりでも、皆だからこそできることがある。…ある意味、使い尽くされた・語り尽くされたメッセージを、大切な人の喪失を乗り越えることの難しさを絡ませて、じわりじわりと語る本作。ストーリー以前に、これまでのアニメでは観たことがなかった・体験したことがなかった躍動感が魅力的だ。近未来にして懐かしさもある街・サンフランソウキョウ。その街並みや行き交う人々を目にするだけで、ワクワクしてくる。「思わず抱きしめたくなる」ふわぷにのベイマックスのビジュアルや動き、質感は言わずもがな。どぎつさは皆無のスピード感溢れる戦闘シーンにも息を呑んだ。
観始めてしばらくして、おっ?と思う。主人公・ヒロは、(定番の)ひ弱なダメキャラではない。頭が良く大人社会に打って出ることもへっちゃら。そのくせ、目標が見出せず、才能を持て余している。けれども彼には、最大の理解者であり社会との橋渡しを務めてくれる兄がいる。兄の心遣いで飛躍への足がかりをつかんだはずが、思いもよらぬ事件が起き、ヒロは深い闇へ沈み込む。
そんな彼を引き上げてくれるのが、兄の遺したケアロボット・ベイマックスだ。ヒロには、おっとりしたベイマックスの挙動が危なっかしく思えて仕方がない。しかし、いつしか、ベイマックスに守られ、頼っている自分に気づく。さらには、関わりを避けようとしてきた仲間たちにも目が向き始め、共に巨大な陰謀に立ち向かっていく…。
「ベイマックス」は、マーベルコミックが出展らしい。なるほど、と少し納得した。ヒロが発明するマイクロボットは、スパイダーマンに通じる光と影を併せ持っているし、ヒロと仲間たちは「キック・アス」(マーベルではないけれど、原作はアメコミ)を思い起こさせるような等身大ヒーロー。ベイマックスの可愛らしさで女子の心をくすぐるだけでなく、ヒーローたちの躍進で男子のハートを鷲掴みにしてしまうパワーがある。案の定、同伴した3歳児は、画面に飛び込んでいきかねない勢いの興奮ぶり。大いに盛り上がっていた。
そして母親はといえば、膝の上の柔らかな生き物を、ベイマックスのように抱く喜びを改めて実感した。もしかすると、この映画をいちばん幸せな気持ちで味わえるのは、傍若無人に膝に乗っかる子どもがいる親、かもしれない。
心を癒すロボット
14歳の天才少年ヒロは、兄タダシを事故で失い心を閉ざしていた。兄が開発したケアロボット「ベイマックス」との出会いをきっかけに、悪に奪われたマイクロボットを取り戻すため、仲間たちと共に戦いながら成長していく。
ヒロとその仲間たちは、それぞれ異なる才能や視点を持ち寄って協力し、問題を乗り越えます。多様性のあるチームが持つ力と、連携の大切さが学べるような映画です。
チームの多様性を活かし、逆境にも柔軟に対応する力を学べることができます。
笑いあり感動あり!心を癒すロボットと少年の絆が描かれる『ベイマックス』は、誰もが楽しめる名作です。ぜひ観てみてください!
悔しい〜
まず、アクションがめっちゃ見応えがあって良い!科学ヲタクのヒーローがクールだし、近未来的なコンピューターシステムにワクワクする!
ヒロはまだ思春期の年齢で、両親も亡くしているのに大切な兄も亡くすので、かなり辛かった。
その分、ベイマックスの可愛らしさや温かさ、仲間の優しさに心が癒されて泣きたくなるのだけど、それでも冷静に考えて、ヒロにふりかかる不幸のレベルが重すぎて、ちょっと違和感(;_;)
教授の娘を助けるシーンは、ヒロが大切な人を亡くした悲しみを知っていて、兄のように誰かを助けたいと思うからこそとった行動なので胸熱だけど、教授の娘は生きて戻るのに、ヒロのもとには兄は帰って来ないし、ベイマックスとも別れることになるのが、悔しすぎるし、ヒロの優しさに切ない気持ち。
ハッピーエンドではあるし、大迫力でワクワクするし、総合的には良い映画だった!!
まるふわベイマックスが好き
とにかく丸くて、ふわふわで、マシュマロマンみたいなベイマックス可愛い!!
こちらに近づいてくる時に、そって障害物持ち上げて移動して、横向きにそーって歩く様子とか、キック!って言われて、足が10センチくらいしか浮かないとか、潜入しても足手纏いでしかないベイマックス好き。
なので、ヒーローモードで超合金ロボットっぽくなっちゃってビュンビュン飛んじゃうのは、残念。
話の流れから途中はそれでも良いけど、ラストも超合金ヒーローだったのは残念すぎる。みんなにはヒーローじゃなくて科学者集団として活躍してほしいし、ベイマックスはお兄ちゃんが望んだ通り、ケアロボ、ふわふわ、ちょこちょこ歩きでお願いします。
涙なしには見れなかったけど、ベイマックスの温かさに心が癒されます。天才科学者の主人公が日本人兄弟だったり、日本へのリスペクトが感じられるところも良い。
ベイマックスのスモア(クッキーでマシュマロ挟んだやつ)キーホルダー売ってて、射抜かれたけど、お高い…一緒に見ていた人がスモア作ってくれたので満足。
ヒロとベイマックスの友情が感動的
めっちゃ面白かった。
最愛の兄・タダシを失ったヒロと、故タダシが生前に作ったロボット・ベイマックスが友情を育んでいく物語は最高だし、アクション映画としても楽しいし、スーパーヒーロー映画として観ても素晴らしい。
特に印象に残ったシーンは、タダシがベイマックス製作に苦戦している様子を、ベイマックスがヒロに見せるシーン。
ここはホントに悲しくも感動的で、とっても痺れるシーンでした。
時々ベイマックスの仕草が笑えたりと、ユーモアセンスも最高です。
ベイマックスかわいい
失ったことに対してどう向き合っていくかの物語
かわいさ、アクション、スリル、いいところを全部兼ね備えた映画。
ベイマックスが癒しすぎる。ベイマックスが欲しすぎる。一家に一台あるべき!
穴が開いたからだをテープで止めるシーンが可愛くて好き。いちばんの感動のシーンは、ベイマックスが自分の手を飛ばして自分が犠牲になるところ
やっぱり、戦闘着に身を包んだ強いベイマックスより白い柔らかフォルムなベイマックスがいちばんだなー
全く肌に合わないな… 教授が建物の中に居るから火中に飛び込む? ア...
全く肌に合わないな…
教授が建物の中に居るから火中に飛び込む?
アメリカだとそんなこともあり得るの…?
主人公の身寄りなくさせるために
ああいう設定にしてるのだとしたら
人の命の扱い方が軽くてかなり不快
相当優秀で頭の良い大学生たちの話だろうに
全員中学生が考えた僕の最強ロボット!みたいな…
キャラの日本名や日本っぽい風景描写も
どうせやるなら
せめて漢字くらいはおかしくないものを…
なんで日本人担当であんなふうになるのか
理解が及ばなかった
ベイマックスというキャラクターと
兄には好感が持てたけど…
ストーリーに新鮮さなどはなく
よくあるアメコミ展開
子供向けだからと言ってしまえばそれまでだけど
あまりに単調で、ううん?
エンドロールの最後はアベンジャーズとか
マーベル通ってれば面白いのだろうか
分からなかったなあ…
.
取ってつけたような、大して魅力のないご都合味方キャラが気に食わない。あとミスリード下手すぎ。
でも面白かった。ベイマックスのキャラがめっちゃ良い。ロケットパンチのシーンは泣ける。
猫とベイマックスが可愛い!
めっちゃ感動しました。
ストーリーも感動して凄くいいんですけど、それぞれのキャラクターが個性的でよかった。アクションも凄くよかったですし。欲を言えばヒロの家の猫がすごく可愛かったので、猫の活躍がもうちょっと観たかったかな〜
主題歌もいいです!英語版と日本語版どちらも素敵です!
子供向けか
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ロボットバトル無敵の天才中学生が兄の大学の研究室を見学し教授に会う。
自ら開発した自由に形状を変えられるチップが認められ入学が決まる。
しかし火災が起き、教授を助けようとした兄は焼死。
研究室の仲間らに加え、彼らが開発したロボット・ベイマックスと共に調査開始。
すると悪の根源は教授と判明した。
怒りが爆発し、教授を殺そうとする中学生だったが、
ベイマックスや仲間から、兄はそれを望まないはずと諫められ収まる。
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最近ディズニー映画が面白く感じるんで楽しみだったが、今ひとつやった。
崖の上のポニョとかに見られたような、キャラの可愛さが中心なためかなあ?
おれ的にはそんなんどーでもええから、内容が薄く見えてしまった。
あと主人公が天才的な上に男前やから、全然応援する気にならんのもあるかな。
多分ベイマックスが三枚目でちょいダメな感じやからバランスなんやろうが、
名探偵コナンと同じで正直天才のガキが主役なのは好きにはなれんわあ。
大いなる力には、大いなる責任が伴う。 日米の宣伝の差は内容以上に興味深いかも。
14歳の天才少年・ヒロと彼の兄が作った介護ケアロボット・ベイマックスを中心としたスーパーヒーローチーム、「ビッグ・ヒーロー・シックス」の活躍を描いたアメコミヒーロー・アニメーション。
「ビッグ・ヒーロー・シックス」のメンバーであるフレッドの父親の声を演じているのは『スパイダーマン』シリーズや「MCU」シリーズの、アメコミ界の巨人スタン・リー。
第87回 アカデミー賞において、長編アニメ映画賞を受賞!
ベースとなっているのはアメコミ界の二大巨頭の一つであるマーベル・コミックが1998年に発表した「ビッグ・ヒーロー・シックス」という作品。
ご存知の通り、2009年にディズニーはマーベルを買収しており、本作はディズニー×マーベルによる初のアニメ映画化作品となっている。
この「ビッグ・ヒーロー・シックス」というコミックは本国アメリカでも全くの無名であり、監督であるドン・ホールとクリス・ウィリアムズが映画化に適した原作を探している時にたまたま巡りあった作品なのだとか。
主要キャラクター名と「ビッグ・ヒーロー・シックス」というチーム名はこのコミックを踏襲しているが、それ以外の設定やキャラクターのビジュアルはほとんどが映画オリジナル。コミック版のベイマックスの見た目にはビックリすること間違いなし。これもうロボットですら無くない!?
天才クリエイター、ジョン・ラセターがスタジオを率いていた時代のディズニーアニメはどれも名作揃いだが、本作も御多分に洩れず。
細かい点ではうーん…と思うこともあるが、全体としてはめちゃくちゃクオリティの高い娯楽作品であり、頭からお尻まで退屈しない。オフビートなギャグの切れ味も鋭く、誰が観ても楽しめるであろう多幸感に溢れたアニメーションに仕上がっている。
同じマーベル作品である「スパイダーマン」や「X-MEN」、「アイアンマン」などの影響が大きいことは言うまでも無いが、「攻殻機動隊」や「AKIRA」、「戦隊シリーズ」や「ドラえもん」など、日本のアニメや特撮からも強く影響を受けているのであろうことは想像に難く無い。
舞台となる架空都市「サンフランソウキョウ」の街並みは、日本というよりかは中華街に近い感じもするけれど、製作陣の強い日本愛を感じるユニークかつオリジナリティに溢れたものになっている。
こういう街に住みたい!と強く思わせてくれる都市を現出することに成功している、もうこれだけで”街映画”としては大成功だと言って良いだろう。
ただ、サンフランソウキョウの街並みに楽しさが溢れているが故、もう少しこの街をしっかりと見せて欲しかったという気持ちにはなる。意外と街の中をウロウロしたりする描写が少ないんですよね。街中を爆走するカーチェイスも夜中だったし…。
「キングダム ハーツⅢ」(2019)というテレビゲームではこのサンフランソウキョウを歩き回る事が出来、その街並みのワクワク感に感動した。ゲームと比較するのも酷だが、もう少し街に入り込む感覚は欲しかったかな。
日本からの影響は何もルックだけに限ったことでは無い。感覚的なことなので説明しづらいが、アニメーションの組み立て方やキャラクターの配置に、ジャパニメーションの影響を強く感じる。
「仲間たちとチームを組んで悪と戦う天才少年」という設定はいかにも少年漫画って感じだし、何より「日常に奇妙な生き物(ロボット)が割り込んでくる」という展開がめっちゃ日本のアニメっぽい。
ベイマックスや女性キャラクターには”kawaii”や”Moe”の要素が詰め込まれているし、とにかく日本人に飲み込みやすいアニメーションになっているように思う。…ゴー・ゴーちゃんカワイイペロペロ😋
物語は超王道のスーパーヒーロー誕生譚と「ドラえもん」的な少年とロボットの心の交流を描いたハートフルストーリーのちゃんぽん。
食い合わせが悪いようにも思えるこの2つのジャンルを上手く混ぜ合わせ、しかもわずか2時間弱でそれを見事に描き切っている。この手際の良さは驚異的ですらある。
ただ、2つのジャンルに手を出したことで描かなくてはならない物事が増えてしまい、結果として一つ一つの要素が薄味になっている。また、進行の手際が良すぎることにより物語の流れに作業っぽさが生まれてしまっている気がする。
例えば、ヒロが怒りによりダークサイドに落ちてしまうところなんか、あまりにも手際が良すぎて正気に戻るまでに5分くらいしかかかっておらず、観やすいんだけどちょっと味気のなさを感じてしまう。
また、実は悪役だった教授やイーロン・マスク的な実業家のオッさんなどの人物描写も薄いので、クライマックスの展開にハラハラするようなドラマが生まれていない。
元も子もない事を言うようだが、ビッグ・ヒーロー・シックス結成譚というのはボツにして、ヒロとベイマックスの2人にのみ焦点を当てた物語にした方が、脇役たちのドラマも描けて作品に厚みが出たのかも。
とまぁグダグダ言ってきましたが、エンタメとしてはこの上ない作品であると思います。観て損なし。
むしろ作品内容よりも気になるのは、日米の宣伝の差。
日本の予告編では『STAND BY ME ドラえもん』(2014)を彷彿とさせる”ドラ泣き”ならぬ”ベイ泣き”映画として宣伝しているが、アメリカの予告編だとロボットアクションアニメとしての側面が強く押し出されている。
ヒーローアクション映画とハートフル映画、確かにこの映画は2つの側面を持っているのでどちらの予告編も嘘ではないのだが、国が違うと同じ作品でもここまで切り取るポイントが違うのかとびっくり仰天しちゃいました。
エンディングテーマも、オリジナル版はフォール・アウト・ボーイで日本版はAIの「Story」ですからね。なんだこの差はっ!∑(゚Д゚)
本作の日本での興行収入は90億円以上。これはピクサー作品を除くと、ディズニーアニメとしては『アナ雪』シリーズに次ぐ記録となっています。
ここまでの売上を記録したのは、ベイ泣きの側面を強く押し出した予告編の功績によるところが大きいのでしょう。前々から思っていたけど、日本人って泣ける=良い映画だと思い込んでますよね。泣けるという事以外にも映画の良さはあると思うのだけど…。まぁ別にいいんだけどさ。
最後に一つ。
今作にはカワイイキャラクターが色々と登場するんだけど、その中でも間違いなくキャスおばさんがNo.1!カワイくてしかもなんかエロい💕
本作と言いMCU版『スパイダーマン』シリーズといい、近年のマーベル作品に登場する主人公の育ての親のおばさんは何故かみんなエロかわいい。これ絶対マーベル社内にそういう性癖の人がいるよね…。まぁ私もそういうの嫌いじゃないから大歓迎なんだけどさ!👍
2D日本語吹き替え版で鑑賞
内容は文句なし!アニメーションの動き、キャラクターの愛らしさ、感動のストーリーと、どれをとっても一級品の仕上がりです。
もし、レヴューを見て、行こうかどうか迷っている人なら、損はないので、劇場で鑑賞されることを強くオススメします。
今回、長文になりますが、映画を観て感じたことをつらつらと綴っていこうと思います。以下、ネタバレを含めて、興味ない人は遠慮なしに読み飛ばしてください。
まず、3D版は時間の都合で見れませんでした。見終わって、素直に3Dで観たかったと思いました。これは残念。
そして、『アナ雪』に代表されるように、近年の、アニメーション映画は日本語吹き替え版の作り込みもあって、メガヒットにつながっているのだと思います。
例えば、街の看板が日本語に変わっていたりなど、細部のこだわりには感心させられます。
今回『ベイマックス』では、そもそもの舞台が日本を強く意識しているので、どこまでがオリジナルの表現で、どこからが、日本語吹き替え版特有のものなのか考えさせられました。それこそが、リピーターを増やす要因でしょう。
採用された俳優、声優さんの声の演技も、上手で、劇中でもし歌うことがあっても、異和感なく溶け込んでいます。
ただ、ベイマックスの声に関しては、もう少し考えて欲しかった。自分がユーザーだった時に、あの声では癒されないだろうと感じます。
さらに、一部話題づくりでpepperを採用したようですが、「え?」と気づかされることもなく、不快に感じることもありませんでした。
最大の疑問点は日本語版主題歌AIの『story』の存在です。
『アナ雪』が成功したのは、それぞれの劇中歌の本気の作り込み度合いと、それを日本語でつなぎ目なくオリジナルの声優が歌うことで、曲が浮いてしまうことがなかったこと。画面の動きと、日本語の歌詞、歌が見事に溶け合い、子供にもその意味が理解できる内容になったこと。誰にでも口ずさめるようになったことが挙げられます。はっきり言って内容はそれほどの映画でもなかったように認識していますが、歌のシーンは本当に感心しました。
これは、近年のディズニー映画のみならず、日本語吹き替え版には、音楽も含めて最大の配慮を施してあると、感じることが多いのです。
ところが、今作AI『story』は全く逆の配慮です。
エンディングで取ってつけたように流すのはなんの意味があるのでしょうか。途中で、退席して、スタン・リーのカメオ出演を見逃した人も多かったのでは?
このように、作品を毀損するような改変を施すのは、本当にやめて欲しい。
百歩譲って、日本語主題歌を標榜するのなら、わざわざ英語で歌い直す必要性を全く感じません。そのまま日本語で採用すればよかったのです。尺も映画用に切って。
この作品、AIのインターナショナルに発信できる表現力をアピールするためだけに利用されているとしか思えません。ごていねいに国内限定で。
過去にも、日本語版主題歌としてエンディングに流れて、好評だった事例を残念ながら知りません。(『アメイジング・スパイダーマン』『ラッシュ友情とプライド』等…)
そして、本当に言いたかったこと。
それは、このような映画をもう日本では作れないであろうということ。
長編の引退を表明した宮崎駿なきあと、唯一可能性を感じるのは、細田守作品のみです。
同じコンセプトで制作しても、『キャプテン・ハーロック』『STAND BY MEドラえもん』が関の山でしょう。
ディズニーの壮年のスタッフが、日本のアニメーションに夢を感じ、リスペクトを惜しまないように、日本のアニメ制作畑も彼らに学ぶべきところはたくさんあるはずです。なによりも日本のアニメーションが特定のファンに向けてのみ作られる、閉じたマーケットでしかないことが非常に残念でなりません。
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