海街diaryのレビュー・感想・評価
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品のある優しい作品
人間の清も濁も、併せ呑んだうえで、その美しさの描かれた作品だった。ほんとに品のある優しい作品だった。感情揺さぶられっぱなしでずっと泣きながら観ました。とにかく女優さんたちがみな凛としていて美しい。
父親の記憶がほとんどないという3女(夏帆かわいい)だけが、いいかんじの彼氏にも恵まれていて天真爛漫に暮らしているようにみえた。長女と次女は彼氏がクソ。でも男には見きりつけて、仕事をがんばる。まっすぐに自分の脚で立っているようにみえる彼女たちも、自分の存在価値をめぐって心のうちでは葛藤していて、少しずつ、いろんなことがあって、自分はここにいていいんだ、この世に存在していいんだっていう手応えを得ていく。そんな姿が、潔く美しく見えた。
じんわり。
原作のファンで、映画化が決定してからずっと楽しみにしてました。
鑑賞前は長女役の綾瀬はるかちゃんは、好きな女優さんだけど、幸姉とはちょっと違うかな…って思っていましたが、全然そんなことなかった。むしろ幸姉役がぴったりで、素晴らしい役者だと改めて実感しました。
他のキャストもぴったりで、よっちゃん、チカちゃんはもちろん、リリーさんとか風吹ジュンさん、樹木希林さんなどベテラン陣も流石の演技でした。何と言ってもすずちゃん!
原作のすずちゃんのまま現れた感じ。お風呂上がりの下手するとセクシーになってしまいそうなシーンも、彼女の瑞々しさ、清潔さで、とっても可愛らしいシーンになっていました。
他の役者さん達もですが、自然な演技はやっぱり是枝監督の演出ならではなのでしょう。
すーっと心に自然にストーリーが入ってきて、淡々とした日常風景なのにあっという間の2時間でした。
これを見た後は鎌倉に行きたくなりますね〜♫
『けいおん!』 + 『6才のボクが、大人になるまで』 ÷2 = 『海街diary』?!?
「まったりとした女子だけの日常」
アニヲタを野郎を興奮させた『けいおん!』を感じさせる。
「日常は、過ぎ去るものじゃない。積み重なるんだ」
あの奇跡の名作、『6才のボクが、大人になるまで』で思い知らされた。
そして、この『海街diary』も、そんな作品。
兎にも角にも、広瀬すずが、キラキラしていた。
上の三姉妹、樹木希林、リリー・フランキー、堤真一などの脇役陣も強烈的。「自分を抑えめ」にした大竹しのぶも、素晴らしい。
是枝裕和監督は、またしても愛おしい一本を作ってくれた。
観入ってしまいました
テレビのスペシャル番組で
十分と一瞬過ぎりましたが…
大画面の四姉妹になった遣り取りに
完全に引き込まれました。
綾瀬さんと長澤さんの言い合う場面、
夏帆さんのホンワカした感じでの優しい話し方、
すずちゃんは、最高です。
あの三姉妹が居たから、
すずちゃんが引き立ったんでしょうね。
しかし、すずちゃんのサッカー場面には驚き。
DVDやTV放映を待つ皆さん、
是非とも映画館で。
脇役に回った主役級の控えの演技も良かったです。
綺麗な作品
日常を写してる。
鎌倉に住む、4人の姉妹を。
それだけ。
ただそれだけの事なのに、その日常に引きつけられる。
彼女たちを直向きに観察してしまう。
そして、その気持ちに感情移入してしまう。
広瀬すずが底なしに可愛かった。
彼女の表情は、とても雄弁にその世界を語ってくれてた。
長澤まさみは、美しくも危うげで、絶妙なバランス感覚を発揮してた。
何か特別な事は起こらないのだが、人が人と関わり思いやる気持ちを想像してしまう。
そして、それがとても美しく貴重なものに感じてしまう。
是枝x吉田秋生のコラボに相乗効果でもあるかのように…他に類をみない美しさの作品でした。
名作漫画が素敵な是枝映画になった
海街diaryを是枝裕和監督が映画化すると発表されてから、楽しみにしておりました。とても良かったと思います。
吉田秋生の読者であり、海街diaryのみならず、地続きに位置する作品、ラヴァーズキスをも読み込んでいる者の感想です。
(ラヴァーズキスは映画の冒頭でちらっと出てきたよっちゃんの彼氏の物語です。名作ですのでご興味を持たれたならば是非。20年前の作品なので古いですが。)
あらすじは知ってますので、感情移入が先走り、演者より泣くのが早いという有様でした。漫画のほうも何回も読んで何回も泣いていますから、これは殆ど反射です。パブロフの犬的なあれです。最初の泣き所は山形でお気に入りの場所を案内している最中…よっちゃんが歩けてないあたりで、このあとすずちゃんにてっぺんでお礼ゆうんよねと思って泣けてきました。
で、殆どずっと泣きっぱなしでした。
ですがだから良かった、というわけではありません。
原作はとても良い漫画ですが、漫画にありがちな欠点もあって、すずが中学生にしては喋りすぎるというか、大人びていすぎるし、挟まれるギャグシーンが浮いていたりという感じがあります。(ファンの癖に生意気すみません)
絵も語り口も昔からあまり変わってないので今の作品なのに古く感じる部分もあったり。それが魅力でもあるんですが。
そこをうまーく調整していて、どのキャラクターも生きた人間らしく思え、監督の手腕を感じました。
また、原作はすずの中学生日記的側面もあるのですが、そこを潔くとっぱらい、四姉妹の物語に注力したことで、映画的な納まりも良かったように思います。
さらには、漫画って絵とセリフ以外に、モノローグ(セリフ以外の言葉、心の声のようなあれ)という重要な要素がありますが、これはあまり映像と相性が良くないんです。
そのままナレーションにしてる映像もありますが、あまり成功例が思い当たらず、陳腐だったりくどかったりします。かといって無視できない物語の肝が描かれていたりするので、映像化された時にどう扱われたかはいつも注目しています。
特に海街diaryは難しいんです。なぜならモノローグを担う人間が多いからです。漫画は連作短編だからこの手法でありなんですけども。すず、幸、佳乃、風太(!)ときたもんだ。そしてみんなしゃべるしゃべる。すずのモノローグはほんと大人びていて、語彙も中学生レベルではないんですよ。さてこれをどう料理する?ということなんです。
結果的に、ナレーションはなしでした。でも、分かりにくかったかというと、そうではない。演者の表情などで感じ取れるようになっていて、漫画を読んでいなくても分かるようになっていたと思います。その上で是枝裕和映画になっている。やー、すごいなぁと思いました。
もちろん漫画を知っていたから深読みできたこともありますが、そしてもっと映像でみたいとおもった、描かれなかった部分もありますが、鎌倉に異母妹を迎えてくらす四姉妹の物語としては、この作品の選択が、ベストなんじゃないかと思います。
二ノ宮さんとかどう絡めるのかなぁと思ってましたが、最初っから知り合いという設定で、なるほどと思いました。リリーさん演じる福田さんが九州弁になっていて優しい人になっていましたね。原作では口の悪い関西弁の人なんです。その辺りも面白く思いました。
アフロ店長のレキシに笑かされました。
足の写メいらんから!オモロすぎよ。
漫画では、アフロ店長にこの凍傷ネタで泣かされる話もあるんですよ。
綾瀬はるかが幸なのは美人過ぎるし、若すぎじゃね?と思いましたが、まじめで頑ななところがよく出ていて、はまっていたと思います。それどころか漫画の幸は年の割に老けて描かれてるんじゃ、と思い始めました。
長澤まさみはよっちゃんにぴったりでした。露出高めのよっちゃんファッションが現代的になっていて、にあってました。
坂下課長との続きを、見たいのでまさみ❤️加瀬亮の姿で妄想しておきます。
1番のお気に入りは夏帆の千佳ちゃん。可愛すぎる。短い前髪にきつめのパーマのあのスタイル大好きです。アフロはね、浮くもんね。カマドウマのポーズが最高です。釣りのとか、喪服とは言えない葬式スタイルとか、可愛かったです。千佳ちゃんが、何気なく話題を変えて、姉同士の喧嘩の腰を折る感じとか、いいなぁと思いました。すずといいタイミングでいただきます!とか。
広瀬すずのすずちゃんも、とても中学生らしくてかわいらしくて、目が離せませんでした。桜トンネルのシーンが好きです。あとははだかんぼうと扇風機ですかね。やー、新人賞いっぱいとるんやろうなーって思いました。やー、かわいい。眼福です。
樹木希林の大船のおばちゃんも良かったです。母娘喧嘩を止めるところ、最高でした。
鎌倉の風景にも見とれました。古い家、梅の木のある庭、海沿いを走る江ノ電、砂浜、参道を横切る線路、四季の移り変わり。どれも素敵でした。
最後から二番目の恋にもどはまりしてましたので、極楽寺の改札から小泉今日子が出てきたらどうしようとか妄想しました!
涼しくなったら鎌倉行きたいです。鎌倉特集のハナコも買っちゃったし。
もっかい観に行くかもです。
是枝監督ならではの繊細な映画。
まず、「愛」に溢れた丁寧な作品です。
みなさん、それぞれに思い思いのレヴューをされてるので、ストーリーラインや原作との比較などはいたしませんが。。
とても「丁寧」に作られてるので。。感受性の問題になってくる可能性はありますね。
演技も含めて、微妙な心情変化などを映像化してるので。。そこから、どこまで観客が読み取れるかで受ける印象はガラリと変わってきます。
そのため、恐らく人生経験の差なども反映されるのではないかと思いましたね。
「悼む人」を鑑賞した時以上に、いろんな思惑を切り取ってスクリーンに映し出されてる為に。。
そこの部分を「感じられない」と・・恐らく「説明不足」とか「話をもっと掘り下げてほしい」と感じるかもしれませんが。。
実は、一見するとなんでもないシーンの中に沢山のモノが常に詰め込まれてる「情報過多」な映画でもあるんです。
ただ・・「ヒト」ってホントに観たいものしか見ないので
集中力なく、さらっと適度に観ると。。「その奥にあるもの」は決して感じる事は出来ないだろうなぁと思いました。
そのため。。「すず」が鎌倉に行くことを決心した心情表現ですが。。私には痛いほど伝わってきました。
というのは、似たような経験があるからです。
そういった部分も含めて、観る側も丁寧に向き合って。。観て行くと。。
何度か涙が流れてしまうシーンがあります。
どう感じるか・・どう受け止めるかはそれぞれの自由だと思います。
ただ・・せっかく料金をはらって映画館で鑑賞するのですから
余すことなくしっかり受け止めて帰った方が、満足度は高いと思います。
まぁ・・カップルで来てたり家族で来てる人も多かったです。
ポップコーンなどをバリバリ食べてる人もいっぱいいました。
でも、多分。。「ながら」だと100%感じる事は出来ないだろうなぁと思いました。
決して。。「淡々」とは描かれてません。
しっかりと丁寧に「演出」された近年稀にみる傑作だと思います。
酷評ですが…
原作の素晴らしさが殆ど活かされていない映画だと感じました。原作が好きすぎて、見る目が厳しいだけかもしれないけれど…。
まず、序盤、すずが鎌倉に来るのを決心するシーンから早速違和感。あれでは何故すずが鎌倉に来ると即答したのか、幸が鎌倉に来ない?と聞いたのか、全く理解できない。ただの無鉄砲な感じがしてしまった。
他にも、リリーフランキーは一体何者なのか、最初に出てきたよっちゃんの彼は一体どこに行ってしまったのか、原作を読んでなければきっとさっぱり分からなかったと思う。
幸の不倫への葛藤、風太の人としての魅力(あれじゃ何でもないただの男の子だ)、面食いのよっちゃんが課長の人柄に徐々に惹かれていく様子など、原作で心打たれるシーンもことごとくカットされていたように思う。
2時間という短い尺で原作の深さを表すのが難しいのはよくわかるが、それならば全てを浅く盛り込むのではなく、エピソードを絞って掘り下げて描いて欲しかった。とにかく全てが中途半端な印象。出演者が超豪華なので、余計に残念だった。
ほっこり
【海街diary】を観てきました。
鎌倉を舞台に、様々な人間模様が描かれています。リアルな日常生活を観てるみたいで凄くほっこりしました(≧∇≦)
何と言ってもキャストが素晴らしい!
綾瀬はるか、長澤まさみ、夏帆、広瀬すず演じる4姉妹が本当に良かった。
樹木希林さんの存在感も凄くて、とてもいい映画でした。
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