海街diaryのレビュー・感想・評価
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原作読んでから観ましょう
原作ファンなので楽しく観れました。原作知らない人は難しいかな~。ある意味、是枝作品の特徴?である各シーンのあいだにいわゆる間があるのですが、ここに吹き出しを作ってあげないと意味があまりにも解らないような気がしました。原作ファンの為の作品ですね。女性陣の4人は皆さん良かったです。長澤まさみが一番良かったかな~。樹木希林や大竹しのぶの演技も最高でした。それに比べて男性陣は全体的にミスキャストかな~。特に鎌信の係長は格好良くない方が良かったかな~。まあ、言いたい事はいろいろありますが全体的には良かったです。あくまでも原作ファンの意見ですが…。
古き良き日本映画の香りがする
「映画とは国と国の垣根をなくすこと」とは淀川長治氏の言葉だ。ハリウッドナイズされた邦画が目立つ昨今、この「海街diary」は久々に古き良き日本映画の香りを世界へ届けてくれた気がして、嬉しくてならない。
何よりも是枝監督の手腕には頭が下がる。今時こんなにもゆったりと時間を使い、その中でゆっくりと変化していく人の心情を描けた作品は少ないのではないだろうか。思えば、デビュー作「幻の光」でも時間と台詞の間の取り方に古風な日本映画の雰囲気を感じたが、今作ではそれがより現代の日本にマッチした形で描かれていく。そして、これこそが日本映画本来の魅力ではないかと、思い出させてくれる。
しっかり者の長女、イケイケの次女、マイペースな三女に、自分の居場所を探す腹違いの妹・すず。4姉妹のキャラクターが個性的でありながらも、皆作品の中で輝いて映る。誰を物語の中心に据える訳でもない、そのバランスは絶妙なカルテットとなり、4姉妹の絆が溶け込んでいく様を丁寧に描いていく。
梅の実が成る、桜が咲く、季節は巡る。静かに流れる時間の中で、いつしか姉妹は家族になる。映画に国境はない。だが、世界に見せたい美しい日本の姿がこの作品にはある。
いつまでも観ていたくなる心地よさ
『海街diary』を鑑賞。
カンヌ国際映画祭に出品された事でも話題の是枝裕和監督の最新作。
長女幸(綾瀬はるか)と次女佳乃(長澤まさみ)、三女(夏帆)の3姉妹は、鎌倉の祖母が残した古家で生活していた。
ある日、昔母親と離婚し家を出た父親が死に、腹違いの妹であるすず(広瀬すず)を引き取り4人での生活が始まった。
海が見える街で繰り広げられる物語には大した起伏はない。
diaryというだけあって、ごく普通の日常を描いた作品となっている。
時には喧嘩もするが仲の良い3姉妹が突然4姉妹となる。
しかも自分達を捨てて出て行った父親の娘である。
迎え入れる側、迎えられる側双方に存在する気遣いや気まずさのようなものが丁寧に表現されており、広瀬すずの純粋無垢な雰囲気がより一層物語を際立たせている。
そしてこの4姉妹の関係性が実に良い。
仲は良いが、常に一定の距離感が保たれていて、決してお互い干渉はしない。誰にどんな男がいようと気にも留めないのだ。
全体的に派手さは全くないが、悪人も登場せず暖かい気持ちになれる良作。
鎌倉の四季折々の美しい景色と個性的で性格も(容姿も)全く違う4姉妹の日常はいつまでも観ていたくなるほど心地よい。
海街diaryだもんね、題名の通り。四季を通して姉妹4人が過ごす日...
広瀬すずを愛でる作品。
温かく爽やかな気持ちになる映画です。
淡々と鮮やかな非日常
豪華女優陣が潰しあってない名作
洋画で感動される方にはお勧めしません。
この作品のストーリーは、日本人の感性を持って、行間を読めないと、何を伝えたいのかわからないと思います。
素晴らしい邦画です。女優さんのための。
女優さんの力量の差があると思うのですが、男性俳優さん達の力量の差が目に付くのに対して、女優さん達は全く感じないんですよ。
本当の姉妹にしか見えないし、親戚や同僚、近所のおばちゃんでしかないんです、名女優さん達なのに。
四姉妹はもちろん、樹木希林さん、大竹しのぶさん、風吹じゅんさん、キムラ緑子さん・・・これだけの女優陣を揃えたら、どこかで潰し合ってもおかしくないのに、そんな嫌な感じは微塵も無いんです。スゴイことですよ。
是枝監督って、女優さんの使い方が上手いんでしょうね。
それだけでも名作だと思うんですが、インタビューで夏帆さんが仰られているように、とにかく食べてる映画です(笑)
おいしそうだし、食欲そそられるし、元気になりますよ。
減点は、影になるはずの男性俳優さんが目立つシーンがいくつかあったことが残念だったから。
でも、夏帆さんのファンであること、広瀬すず・長澤まさみ両名が静岡出身であること、ストーリーの一部に自己投影したことを除いても、この作品は名作だと思います。
(追記)
先日、広瀬すずさんのバラエティー番組での発言が問題になりましたが、映画をご覧になった方は、銀幕の中の「すず」なら同じように言ったと感じたのではないでしょうか。
まだ役に入り込んでいるのかもしれませんね。
広瀬すず
「あるよ。いっぱいできた。」
もう、はじめっから涙が出っぱなし。
ひとつひとつの台詞、些細なしぐさ、ふとした視線、、、言葉以外に胸に秘めた思いが、じんじん画面から伝わってきた。
そして、四姉妹の仲の良さに、悲しいくらいにやさしい気持ちになれる。初めての失恋の時にも似た、純粋で切ない誰かへのやさしい感情、とでもいうか。
不実をしてしまっているからこそ自分に厳しく、他人にも厳しくしてしまうサチ。
上司の誠実さにいつの間にか牽かれて(本人は気づいていない風だ)、仕事に向き合い出すヨシノ。
ニュートラルな立ち位置が、かえって重心のように落ち着きを与えてくれるチカ。
そしてなにより、痛々しげで健気な「宝物」のスズ。
四人に関わる周りの人間の、人を思う心の表現も見事だった。
自分の居場所が見つからずにいたスズが、三人のお姉ちゃんに包み込むように育てられ、最後の台詞を言う。
その余韻で映画をしめるところなど、さすが是枝監督。
抜群に最高の映画、という評価ではないが、ずっと忘れられない映画ではある。
日記
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