海街diaryのレビュー・感想・評価
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綾瀬はるかの あの一言
「一緒に暮らそう」。
とてつもない一言を綾瀬はるかに言わせる台本。
そして広瀬すずは同居人となる。
是枝裕和の映画作りの核は絶えずこの一言「一緒に暮らす」にあるのだとわかる。
鑑賞からもう何年も経つのだけれど、研がれて精米されて、綾瀬はるかのあの声だけが僕の耳に残る。
自然と不自然を行き来する演技・物語
観たかった映画だが、なぜか気が乗らずに5年以上もズルズル先延ばしにしてしまった作品。
主演女優4人とも好きな方たち。
話のテーマは「家族のリアル」と思う。
家庭の環境は違えども、誰が観ても共感する部分や考えさせられるところがあるはず。
嫌なところがありつつ、やっぱり家族としての繋がりがあって、愛し愛されることを望んでいる。
冒頭の「あれ」という言葉に始まり、登場人物の言動やクセを使いながら、家族のつながりがうまく表現されている。
血のつながりだけじゃなく、共に過ごした時間の中で似てくるのが家族と思う。
少し抜けた母を助けようとしっかりものを演じる長女、そんな長女に対抗するように感情的に行動する次女、そんな2人のバランスを取るように楽しく振る舞う三女。
そして、そこへ仲間入りするも心の内は明かせず後ろめたさを感じる四女。
みんなが、それぞれに胸の内に思いを抱えつつ、互いのことを考えている。
そういう心情が演技に織り交ぜられていて、「こういうところが家族だよな」と、ある種のあるあるを目の当たりにできる。
「家族ってこういうもんだよね」という理想的、物語的な「自然」と、「家族なのにそんなことないだろ」というぱっと見では反論してしまう「不自然」
ただ、それらが混ざったものが「家族のリアル」なんだと観た後に思う。
家族について、幸せについて、自分の中にある思いをふと気づかせてくれる作品。
4姉妹の日常を静かに淡々と描いていく
鎌倉の一軒家で暮らす3姉妹が、15年前に失踪した父親の死によって、腹違いの妹を引き取り、本当の家族になるまでの物語。
律儀な長女、男にだらしない次女、マイペースな三女、健気な四女。4姉妹のキャラが明確で存在感がある。特に、長女役綾瀬はるかと次女役長澤まさみは、演技とは思えない程のハマリ役。
大事件は起きないが、日常の些細な出来事を丁寧に積み重ねて描いており、四姉妹其々の家族への思いが心に深く浸透してくる。
カンヌ映画祭出品、人気女優共演等、華やかな話題とは裏腹に、派手さはないが観終わって心温まる作品。
サッカー経験がないというのが信じられない
私は女子サッカーのファンであるので、すずちゃんがサッカーやるシーンを見て思った「どっかのユースに入っていたのかな」って。そしたらサッカー経験ゼロだという。素晴らしい運動神経だ。もし本当にユースに入っていたら今頃日本代表だったに違いない。女子サッカー人気は今の100倍はあっただろう。
さて、映画のレビュー。この映画は20分で終わってしまっている。そこのところが一番良いシーンでその後はずっと蛇足のように感じた。それでもこの20分だけでも見る価値があるので3.5点とした。この20分、私は泣いてしまった。たったの20分でこれだけの感動を生み出せたのは役者の力もあるだろう、演出の影響力もあるだろう・・しかし何と言ってもその写真の美しさにあったと思う。この映画はフィルム写真で撮られていて写真がとても美しい。特に主人公たちの住む家の中の風景がとても美しい。このような美術的な美しさが深層心理に与える影響、感動につながる影響というものは計り知れないものがあると思う。そのフィルムの力によって最短で最高の感動シーンにたった20分でたどり着けた。
だから映画監督には映画をフィルムで撮ってほしい。それから写真ファンにも写真をフィルムで撮って欲しい。
美しい4姉妹
2015年。監督:是枝裕和。原作:吉田秋生。
6年前にこの映画を見たときには、この映画はいったい何を言おうとしているのか、
とても不思議でした。
見る私が未熟だったと今、思います。
家族(妻やこども)を捨てて別の女性と暮らす・・・
夫が自分を捨てたから、妻の自分も他所の男性のところへ出奔する、
こどもを捨てて・・・
そうすると残された家族は苦労しますね。
父親にも母親にも捨てられた姉妹がいます。
長女・幸(綾瀬はるか)次女・佳乃(長澤まさみ)三女・千佳(夏帆)
今は成人して自活している3人は日々元気に過ごしていますが・・・。
この映画はとても葬儀と法事の多い映画です。
美人3人姉妹の喪服姿が3回も見れるのです。
始まってすぐに15年以上生き別れの父親の葬儀が山形であります。
父親は異母妹すず(広瀬すず)を残していました。
すずは母親を既に亡くし、この度は父親まで亡くして孤児になります。
帰りの汽車に乗る直前に、幸は言います。
「すずちゃん、良かったら鎌倉に来ない?一緒に暮らそう」
すずは自分たちの父親を看病して看取った・・・幸にはすずへの感謝があったのでしょう。
山形ですずは他人に生活の面倒をみて貰うことになる。
幸には不憫でならなかったのでしょう。
鎌倉の古い大きな家。
本当に古い・・・これは修繕費が嵩みそう、柱は朽ちて倒れてこないんだろうか?
心配になります。
でも幸は庭の梅の木になった梅で祖母の代からの梅酒を絶やさず作っています。
幸の生き方が見事です。
父親と母親(大竹しのぶ)に捨てられた妹たちを、キチンと育て上げようとしている。
そして引き取ったすずも責任持って育てるつもりです。
まったりした時間の流れる映画です。
特に劇的なことも起こりません。
でも家族がバラバラに成ったことによる傷を修復した幸は、異母妹すずとともに、
新しい家族と絆を見つけたのでしょう。
綾瀬はるかの地味めでしっかり者の看護師さん。
長澤まさみの伸びやかな手足と奔放な性格。
喪服でも黒ソックスと、どこかパンクな夏帆。
そしてデビュー作とは思えないほど落ち着いた広瀬すず。
透明感が際立ちますね。
四人姉妹役の女優たちが全員主演クラスに成長。
是枝裕和監督の眼力は確かですね。
なんか良い空気
しっかり役の綾瀬はるか、自由奔放な長澤まさみ、バランスの夏帆、そこに広瀬すずという豪華版をようやく鑑賞。鎌倉の街並みを舞台に何か良い空気が流れている作品。重い話もあるし、上手くいかないこともあるが、この空気感は何なのか・・・。やっぱり兄弟姉妹の関係性が醸し出すものなのか。こういう複雑な関係をうまくストーリーにまとめる、さすがは是枝監督。そして、母親との関係性が変化していくところが特に感動し、ほんとに良かったなぁ・・と。是枝監督の終わり方はやっぱりなんか好き。
観ていると落ち着いた気持ちになれる。 自然の流れの中で、家族に生じ...
観ていると落ち着いた気持ちになれる。
自然の流れの中で、家族に生じる波やそれぞれの心の変化をすごく丁寧に描いているなぁって思った。
お互いを支え思いやる心だったり、死を前にして綺麗なものを綺麗に思えるという心だったり、ぐっとくるシーンや台詞を多々。
鎌倉の情景や四季を描いているのもよかった。鎌倉に行きたくなる。
キャストも豪華で、四姉妹の雰囲気も温かく良かったです。
三姉妹も樹木希林さんも素晴らしい
「死ぬ直前、何を想うか」ってすごい考えさせられる。
家族といたくなる映画。夏の前にまたみたい。
樹木希林、綾瀬はるか、長澤まさみ、すごいよかった。
ストーリー 92点
配役 98点
音楽・映像 90点
全体 92点
いろんな家族の在り方
ベイビー・ブローカーを観る前にと、遅ればせながら鑑賞。是枝監督は、家族というコミュニティが、旧来のそれとは形を変えても、人々の根底に否応なく存在してしまう、そのどうしようもなさを描き続けているように思う。
この4姉妹も、そんな家族に葛藤しながらも、常に優しさを忘れず、丁寧に生き、丁寧に暮らしている。
本作は、静かな日常の中にも、それぞれの登場人物の心情の揺らぎがしっかりと描かれていて、心に響きました。
そして女優さん達がとにかく美しくて、それぞれに凛としていて、なんだか背筋が伸びました。
素敵な映画でした。
四姉妹の絆と鎌倉の自然美
この作品は鎌倉で過ごす三姉妹のもとに15年以上会っていない父親の訃報が届くところから始まります。
その父親には中学1年生の異母妹、浅野すず(広瀬すず)がおり、既に母を亡くして父の再々婚相手と暮らしていたすずは長女(綾瀬はるか)の提案で三姉妹と鎌倉で暮らすこととなります。三姉妹のもとに四女として迎え入れられたすず。四姉妹として楽しい日々を過ごしていく中で、長女、次女、三女、すずの4人それぞれの恋愛模様や生活や環境も変わっていきます。
本当の姉妹のように暮らしていく四姉妹の絆が素敵な作品でした。
美人姉妹×鎌倉の海×ハートフル
面白かったです。
美人四姉妹だけでなく、
全体的にキャストが豪華!
綾瀬はるか、長澤まさみ、夏帆、広瀬すずの四姉妹キャストは奇跡でしょ。
それぞれが主役級
サッカーチームに例えるなら、各国のエース級選手を集めたレアル•マドリード。
綾瀬はるかと長澤まさみの姉妹喧嘩は贅沢でしょ。
そして、広瀬すずはサッカーが上手い笑
これに驚いた笑
走るフォームも綺麗。
ストーリーは複雑な家庭でお互いに成長するが、
腹違いの姉妹でも絆を深めていく。
良い関係だよね。
鎌倉のロケーションも良い。
姉妹が暮らす大きな古民家も良い。
年寄りが古民家に住んでてもただの古民家だけど、
美人が住むと古民家もお洒落にうつる!
映画には地域愛がある。
地元の少年団、食堂、カフェ、スポーツ用品店、地銀、、、
映画全体を通して伝わるメッセージとして、
幸せはどこか遠くにあるものじゃなくて、
身近にあったり、日常にあるものに気づくこと
それが何気なく描かれていたと思います。
優しい映画でした。
映画には一秒も出てこないけど、
姉妹の亡くなったお父さんはどうやら優しい人だったそうです。
以上
普通の日常の景色
仕事に疲れ切った週末でしたが、さらっと、なんの負担もなく観れました。
ストーリーは少し複雑な家庭を舞台としていますが、映像としては日本人の普通の日常の風景。
そのおかげで、ありえない展開が日常の景色のひとつのように見え、違和感なく見終わります。
綾瀬はるかさん演じる幸。最初は意地を張っていてよく分かりませんでしたが、母親やすずと心情が重なっていくにつれ、なにを抱えているかが分かり泣けてきました。
「責任」とさらっと言ってしまうのも長女らしい。
そしてなんともナチュラルなすず。
子供らしさも全開で、大人な姉妹3人とくらべると
若くて危うくて、でも姉妹たちと似ていて
存在感があふれます。
脇も樹木希林、リリーフランキー、堤真一など豪華な顔ぶれ。
あの昔ながらの日本的な家を何度も映したのは
日本人ウケかつ、海外ウケ狙いかなと思いつつも、
幸にとって思い入れの強いものなので
意味のある演出だとは思いました。
静かに心地よく流れる音楽のような作品
終始、何か大きな出来事がある訳でもなく、それぞれの時の経過、4人の姉妹たちとそれを取り巻く人たちの日常が丁寧に映し出された作品でした。
誰かを悪者として描かず、人たちの暮らしにそっと寄り添う、是枝さんらしい作品。
決して退屈ではなく、浸っている時間も愛おしくなるような、そんな心優しく暖かくなる作品でした。
人が生きていく中のわだかまり
非常にゆったりとしたテンポで進み、心地が良い作品であった。
腹違いの姉妹ということのわだかまりが描かれていた。
父の不倫を憎みながらも、長女の不倫をしているのは何とも言えない気持ちになった。
梅酒がとても重要なアイテムであり、祖母からのつながりを思い出し、母との関係をつなぐ大切なものであった。
家族をテーマにした是枝裕和監督らしい作品であった。
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