海街diaryのレビュー・感想・評価
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広瀬すずという才能を発掘した、日本映画の分岐点といえる作品
熱烈なファンが多くいる吉田秋生の人気漫画を、是枝裕和監督のメガホンで映画化。
昨今の日本映画界にあって、綾瀬はるか、長澤まさみ、夏帆、広瀬すず…という面子を揃えることが本来いかに困難を極めるか分かっているだけに、俳優陣にとってみても是枝監督の世界に入ってみたいという熱があればこそ成立したキャスティングといえるかもしれない。
そして、今作は広瀬すずという才能を発掘したことで、これからの日本映画を語るうえで非常に重要な役割を果たしていくことになる。
この4人だけじゃない。加瀬亮、鈴木亮平、池田貴史、坂口健太郎、樹木希林さん、リリー・フランキー、風吹ジュン、堤真一、大竹しのぶという実力派が脇を固めていることも含め、見どころにあふれた逸品である。
会話と表情から想像する
思い出や記憶を会話だけで描写し、姉妹たちの視線の先にある写真や景色は視聴者からは見えない。
序盤の父親の葬儀では氣付かなかったことが、終盤の葬儀で見えてくる。
さすが演技派が揃っているだけはあって、見応えがある。
明るい未来を予感させる終わり方で、視聴後は幸せな氣持ちになれる。
姉妹の絆の話でもあり、登場人物それぞれの恋愛物語でもある。
長女のシャチ姉(綾瀬はるか)...
母のように「足元に氣を付けて」と心配して言うのは愛情。
妻帯者の部屋に行き食事をしているがエッチなシーンは無い。
肉体関係があるかどうかはどうでもいい。
次女のよっちゃん(長澤まさみ)...
冒頭の彼氏(坂口健太郎)との添い寝から目覚めるシーンは、恋愛物語が始まるという象徴的な意味があるかもしれない。
三女のチカちゃん(夏帆)...
昔、花火大会でウンチを漏らしたエピソードが序盤に有る。
手作りのチクワカレーを美味しそうに食べる場面は必見。
明るく振る舞ったり面倒見が良かったりと、子供っぽいようでいて意外と大人で、釣り好きの性格(釣り好きは短気という説がある)からしても深みがあるキャラクター。
四女のすず...
氣持ちの変化が見どころ。
結局すずは素敵な存在なのである。
蒸し暑くて胸騒ぎのするような日々を綴っていく作品
夏の暑さの隙間から漏れる心地良さを感じたくて、ダラダラと時間のある時に観ていった。なんとなく変わっているのを感じつつ、それとなく染み渡るような変化も感じつつ。diaryとは言い得て妙。
刻々と変わりゆく姿を四季折々な鎌倉の景観に乗せて綴っていく。豪華なキャストが顔を揃える是枝組ながら普遍的な日常に溶け込ませる技量はさすが。こういうフラットに見えて実はそれぞれの悩みや秘密が顔を出す。その繊細さにはあの4姉妹でなくてはダメだなと感じさせる。それを引き立てる、どこかザラザラとした画質も良い。
一方でハマらなかった理由はdiaryだからだと思う。そういうモノを受け入れて人生は続いていく、そうした変化を淡々と描いていくのは簡単ではない。ただ、時間をかけて家族が形と意味を変えていく様は美しかった。
主演は言わずもがな、姉妹4人。だが何より、広瀬すずさんのフレッシュな透明感を味わえるのがこの作品の良い所。今は演技が分厚くドシッとしているが、この頃のあどけなくも周りに可愛がられているようなシーンたちは見物。まさしくdiaryとしての機能を感じる。
陰陽にある心模様を繊細に紡ぎ出す美しさ。対して是枝監督の作品は観れていないものの、その天秤の様な鋭い感覚が『怪物』の様な人の多面さを感じさせてくれるのだろう。夏にぴったりだった。
ノスタルジックな気分になる家族のお話
観ようと思って見逃した映画を観るシリーズを最近やってます(Netflixで鑑賞)。
静かな流れの中で、鎌倉で暮らす4姉妹の心模様が描かれる。美女大共演、そして広瀬すずの愛らしさに目を奪われる作品だが・・・。
初めから最後まで、ずっと懐かしいものを観ている感じがした。田舎の駅(電車じゃなくて汽車)、古い一軒家、街を見下ろす丘、梅酒、柱の傷、食堂・・・。自分が育ってきた環境に近いものがずっと画面に映り続けるものだから。
同じ感覚を抱いた人はいないだろうか。これは、懐かしい日本の家族の物語のように感じる。小津安二郎的な世界観というか。
親子関係に複雑な事情がある姉妹が、ほんとうの家族になっていく様子を、それぞれの日常と心情をマイルドに織り交ぜながら描いていく。是枝監督の作品は、「そして父になる」と「万引き家族」しか観たことがないのだが、家族というものにこだわりがあるのかもしれない。血のつながりが薄くても、繋がっていなくても、家族になれるという考えがあるのかもしれない。
ラスト近く、幸が柱にすずの背丈を書き込むシーンはとても印象的。ああ、これですずもほんとうの姉妹になったなと。憎い演出。
綾瀬はるかも、長澤まさみも好きな女優だが、個人的には千佳を演じる夏帆が気に入りました。とてもナチュラルで。
脇役にも自分が好きな堤真一、リリー・フランキー、風吹ジュン、レキシ(池田貴史)が登場していてうれしい。
あたたかく、ちょっと郷愁を誘う映画だった。
大きな事件も起きないのに引き込まれる!
大きな事件が起きるわけでもなく、たんたんと進むストーリーなのに、引き込まれる!
きっと女優陣の温かな演技に魅了されるからでしょう!
ここから広瀬すずが躍進するのか!納得!
何度も見返したくなるような作品!
この映画から原作漫画も拝見しましたが、こっちも面白い!
ほぼすずと幸の話
すずを中心にお姉ちゃんたちへの
関わりを深めていく展開が良い。
香田家の背景が分かりにくいけど。
綾瀬はるかは何を着ても映え、
長澤まさみはイケイケお姉、
夏帆は面倒見のいいダチ。
イメージそのまま。
結果お父さんはダメな人だけど
優しい人だったでおわりで、
お父さんの人となりは謎のまま。
相当お父さんを好きでないと
この終わり方にはならないだろう。
叔母が全てを諭しているので、
この人がいなかったら別の結末に
なっていただろう。
法事のシーンが多いので
喪服フェチにはたまらないでしょう。
素敵な役者さんはより素敵に。美しくうつろいゆく四季の風景はより美しく。
原作1巻既読。
広瀬すずと初遭遇。
是枝作品としては異色だと思うが、撮るべきものがきちんと撮れている、という気がする。
それぞれにちゃんと見せ場があるいい脚本だと思った。 この映画で広瀬すずの演技をはじめて見たが、 しっかりしたもんだと思った。 個人的には泣ける場面が2か所あった。
動画配信で映画「海街diary」を見た。
劇場公開日:2015年6月13日
2015年製作/126分/G/日本
配給:東宝、ギャガ
綾瀬はるか
長澤まさみ
夏帆
広瀬すず
大竹しのぶ
堤真一
加瀬亮
風吹ジュン
リリー・フランキー
鈴木亮平
坂口健太郎
キムラ緑子
樹木希林
・リボルバー・リリー(2023年8月11日)
・レジェンド&バタフライ(2023年1月)
・はい、泳げません(2022年)
最近の出演作品の興業成績と評価がイマイチ厳しい綾瀬はるかだが、
「海街diary」は大ヒットした作品だろう。
鎌倉に暮らす香田家3姉妹(綾瀬はるか、長澤まさみ、夏帆)のもとに、15年前に家を出ていった父の訃報が届く。
葬儀に出席するため山形へ赴いた3人は、そこで異母妹となる14歳の少女すず(広瀬すず)と対面した。
4姉妹は一緒に鎌倉で暮らすことになる。
この4姉妹の生活を淡々と描く。
この映画には坂口健太郎から金を巻き上げる男意外、悪い人は登場しない。
みんないい人だ。
3姉妹の母親(大竹しのぶ)、
大叔母(樹木希林)
姉(綾瀬はるか)の不倫相手(堤真一)
海猫食堂の人たち(風吹ジュン、リリー・フランキー)
それぞれにちゃんと見せ場があるいい脚本だと思った。
この映画で広瀬すずの演技をはじめて見たが、
しっかりしたもんだと思った。
個人的には泣ける場面が2か所あった。
満足度は5点満点で5点☆☆☆☆☆です。
こういうの好き
腹違いの4姉妹の物語
姉妹愛が良かった
クソシリアスもなく、自然な問題解決で自分たちそれぞれが答えを出しているのは良かった
あとは普通に綾瀬・長澤・なんだっけ・広瀬すずの4人が美人すぎて眼福だったね
2015年の映画なので、製作は2014年くらいか
9年前なので特に広瀬すずが可愛かったわ
感情を揺さぶられるような強い作品ではないけど、自然に共感できるような作風がお見事だった
こういうの好きなので高評価です
キャストが攻めてる 長澤綾瀬の2トップ時代があっただけに当人らも意...
キャストが攻めてる
長澤綾瀬の2トップ時代があっただけに当人らも意識してるだろうし
そこに綾瀬はもうチヤホヤされる役じゃなくしっかりとした大人の女性をあて、更に若手の可愛い子を入れてくるなんて、現場の空気結構しんどかったんじゃないのってそっちが何故か気になった
でもやっぱ長澤も綾瀬も夏帆もさすがで演じるのが上手い
是枝の凄さって適役を見つけられるのもすごいんじゃないかと思う
どっかちゃんとしてない登場人物らに自分を重ねたり共感できたりする所が見入ってしまうのかも
盛り上がりはないけどのんびりと観られた
日常
初めて観た時にとても惹かれて何回も鑑賞してる作品
ストーリーは坦々と進んでくけど喧嘩の始まり方や姉妹(家族)だからへの態度とか絡み方が本当にありがちでリアルに感じる
ありふれた日常がどれだけ大切で尊くて儚いものなんだと気付かされる
映る風景ももちろんだけど四姉妹が綺麗過ぎて絵になる
長澤まさみの演技は本当にいつ見ても凄いなあって
心が温まる作品
風景、人物、ストーリー、空気感がなんか好き
監督のしっかりとした視線が物語を宝物のように輝かせた。
4人姉妹の共同生活に
普通を超えた絆を見た。
長女:しっかり者
次女:勝手気まま
三女:縁の下に徹する
末っ子:姉達を頼りにしたい
一見、このような姉妹に見えるが
4人が生活してゆくうちに実は…
長女は一番甘えん坊
次女はやっぱり甘えん坊
三女は出来れば甘えたい
末っ子はしっかり者
そんな姉妹に見えてくる。
物語は家を出て行った母のこと、
不倫や将来、周囲の人達との交流、
大きな事件はほぼ無いに等しいが、
毎日流れてゆく普通の時間に嫌味はない。
それぞれの視線に思いやりがある。
結局、姉妹はそれぞれが前を向き、
少しずつ成長してゆくのだろう、
そう感じさせて終わる。
それが、とても爽やかだった。
※
テレビの録画‼️❓
何度目かの鑑賞。
贅沢なキャスト、四姉妹の内、夏帆が引き立て役で、夏帆が話すところで、長澤まさみにピント、ワロタ、サイレントでは名演技なのに。
絵が凄い、坂口健太郎と長澤まさみのラブシーン❤️、綾瀬はるかと堤真一が不倫恋人、四姉妹の母が大竹しのぶで祖母が樹木希林。
長澤まさみの上司が加瀬亮、広瀬すずのサツカー指導が鈴木亮平、あげればきりがない。
場面を観てるだけで素晴らしい、けど、ストーリーは思い出せない、良い風景でした。
不自然過ぎる程自然な演技の封印
言葉遣いと笑顔と話題とパーソナルスペースで心の距離を描ききっている。普通は視線の先を映しそうなところをひたすら表情と背中を追うカットを重ねる様式美がとてもステキでした。是枝監督独特の不自然過ぎるほど自然な演技が無いのがちょっと寂しいかな。
昭和的雰囲気
何か昭和の小津安二郎的で見入ってしまった。リアリズムに走り過ぎる事なく、安心してこの世界(是枝的?)に浸り切ることができ、何とも幸せな気分になれた。
4姉妹といい、脇役も含めて尖り過ぎない演技にも好感が持てる。
花火のシーンに蚊取線香を置かなかったのがちょっと残念。ベープだったらパロディ効いて面白かったかも!
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