海街diaryのレビュー・感想・評価
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広瀬すずという才能を発掘した、日本映画の分岐点といえる作品
熱烈なファンが多くいる吉田秋生の人気漫画を、是枝裕和監督のメガホンで映画化。
昨今の日本映画界にあって、綾瀬はるか、長澤まさみ、夏帆、広瀬すず…という面子を揃えることが本来いかに困難を極めるか分かっているだけに、俳優陣にとってみても是枝監督の世界に入ってみたいという熱があればこそ成立したキャスティングといえるかもしれない。
そして、今作は広瀬すずという才能を発掘したことで、これからの日本映画を語るうえで非常に重要な役割を果たしていくことになる。
この4人だけじゃない。加瀬亮、鈴木亮平、池田貴史、坂口健太郎、樹木希林さん、リリー・フランキー、風吹ジュン、堤真一、大竹しのぶという実力派が脇を固めていることも含め、見どころにあふれた逸品である。
映像だけでも…
美人四姉妹の素敵な雰囲気
吉田秋生さんの世界だった♪
是枝監督が吉田秋生さんの原作第1話を読んだとき
「これを他の人に映画化されたくない!」
と思ったそうだから、
監督自身の原作への思い入れとリスペクトは相当なもの。
愚直と言っていいくらい、原作の世界を忠実に描き出そうとしている。
もちろん、
公開当時単行本にしてすでに6巻出版され、継続中だった連作(その後9巻で完結)だから、
わずか2時間かそこいらで描ける範囲には限りがある。
軸は、第1話「蝉時雨のやむ頃」
つまり、「すず」が鎌倉に引っ越してくるまで。
そしてそれ以降、登場人物の数だけある物語のなかで、
すずの物語を中心に、海猫食堂の幸子さんの話を加え、
その他は基本的にカット。
まあ当然のことで、文句を言う筋合いはない。
父の死→葬式から始まり、
幸子さんの死→葬式で終わり、
(さらに真ん中に、祖母の七回忌が挟まり)
その間、最初はどこにも自分の居場所がないと感じていた「すず」が
「ここにいていいんだよ」と言われて居場所を見つける物語。
縁先の庭の
三姉妹の母が生まれた年に植えた樹齢55年の梅からつくる梅酒が、
いろいろと象徴的。
一見大きな事件は起こらないように見えるかもしれないが、
人は死ぬ、
あるいは死なないまでも、いつかは別れがくる、
姉妹で仲よく喧嘩しながら祖父母以来の家に共同生活しているこの暮らしもいつまで続くか分からない、
という薄氷の上で人生は送られてゆく、
でもそれでも人は、笑おうとしながら、
ともに生きる道を見出してゆく、
そういう物語。
映画化に関して言えば、
長女の「シャチ姉」は、綾瀬はるかさんではちょっと柔らかすぎた気がする。
すずも、「シャチ姉似」のキツい部分が、ちょっと描かれてなかった。
その辺が、ちょいと残念。
でもそれ以外は、まさに原作の世界が眼前に展開していた。
ずっとその世界に浸っていたかった。
静かで優しい世界
何も考えたくない時に観ると良いです。
感想を一言にまとめると、
喪服が多いんだけどー。笑
美人四姉妹の中でも、特に綾瀬はるかさんがキレイ。特に横顔。
ダメお父ちゃんとダメお母ちゃんのせいで、苦労を引き摺ってしまったのは
運命なんだけど、そう悪いことばかりでもないね、という静かな映画でした。
鎌倉という場所が、すべての人間の業を包み込み、癒していく。人の弱さとやさしさの物語
豪華すぎる俳優陣に目を奪われがちだが、まずもって原作のストーリーが最強。両親に捨てられた3姉妹(いわゆる機能不全家族)の日常と和解の日々をこれほどまでに繊細かつ優しいタッチで描ける吉田秋生という漫画家に脱帽であり、それに惚れ込んだ是枝が素晴らしいと言わざるを得ない。
3姉妹の日常は、一見すると平和に見える。が、自分たちを捨てた両親を憎んでいるはずの長女は自らも職場の医師と不倫関係にあり、次女は男と酒に溺れ、3女はエベレストで足の指6本を失ったバイト先の店長に好意を抱くという三者三様の壊れっぷり。そこに父の訃報が届き、腹違いの中学生の妹がいることを知るのだが、子どもの頃から親代わりで家を守ってきた長女は、気丈にふるまうその妹を見るや、彼女も自分と同じ、大人のだらしなさのためにしっかり者にならざるを得なかった境遇を一瞬で見抜くのだ。
そして、両親不在の辛さを知る3姉妹は、あろうことか身寄りのない腹違いの妹、つまりは自分たちの家庭を壊した人の子どもに「鎌倉に来ない?」と呼びかけるというのが、なんとも素敵すぎる。「行きます」とほとんど即答で答えた中学生の妹の姿が、いかに居場所がなかったかを想像させて切なく、もう開始15分ほどで「あぁ、あったかいなぁ。人の痛みがわかる人間っていいなぁ」と泣きそうになる。
自分の居場所に戸惑いながらも徐々に心を開いていく腹違いの妹、3人を捨てた母親と長女の和解、そしてだらしなかった父親を赦していく3姉妹のやさしいまなざし……。
これは、人の弱さとやさしさの物語だ。父親は人に同情してすぐに女性とどうにかなっちゃうダメな弱い人だったかもしれない。でも、その弱さとやさしさの結晶とも言える腹違いの妹と向き合う中で、3姉妹はもろく傷つきやすくもキラキラと宝石のように輝く妹の姿に、父が遺したかけがえのないやさしさというものを見いだしていく。だからこそ、長女は人の死を看取るターミナルケアの道を選び、次女は弱った人に手を差し伸べる融資課に進み、3女はエベレストの夢やぶれた店長を支えたいと思うのだ。
そして、4人を取り巻く男たちも、みな温かく、限りなくやさしい。サッカー少年や次女の上司、そして長女の不倫相手ですらも、あぁ彼女の苦しさをずっと支えてきたのはこの人だったんだなぁと思わせてくれる。
鎌倉という場所が、すべての人間の業を包み込み、癒していくような、そんなこれ以上ないやさしさに溢れた映画である。
過ごしてきた場所や人たちで染み付いていくもの
とにかく『素晴らしい!』の一言・・
他の方のレビューと似てしまうけれど・・
綾瀬はるか/長澤まさみ/夏帆/広瀬すずが四姉妹を演ずる、て段階で大勝利/╲/\╭(•‿•)╮/\╱\
これは紛う事無い、名作!!!
精霊の守り人】や他作でも、いつもの天然ぽわぽわで無い、キリリとした綾瀬さんが見れるけど?
本作でのキリリとした、それでいて『女』の部分を持ってる長女役は、お見事!
(名作は数多有れど)涙そうそう】での長澤まさみさんが、映画では一番の名作代表作と思ってたけど、本作が塗り替えたと思ってる。
三姉妹の自由闊達な次女、原作や脚本が素晴らしかったとはいえ、コチラもお見事だった。
(*キングダムの長澤さんが凄い!て声も聞くけど、見てないしなぁ・・
**テレビだと、プロポーズ大作戦/都市伝説の女/真田丸の長澤さんが好き♡)
天然コケッコー】の夏帆さんが、もう今や30代!この撮影時点では22〜24?
三姉妹の末っ子ての、良いキャスティングでした。
三姉妹全員、男を見る目が無いんだけど、無いなりに、三女役がある意味一番まともな男性(父性)を選んでるのかも知れない。
いや、やっぱり三者三様ウムムだった(笑)
ーーー
そして特筆なのは・・
広瀬すずちゃん!!!
現実でもしっかり者(でもやっぱり抜けてる)のアリスの妹で、本役名も『すず』。
天然の末っ子気質なのも相まって、かなり自然に演じられたのでなかろうか?(本人談)
ーーー
言うなれば?やおい系。
ヤマ無し/オチ無し/意味無し、で淡々と粛々と、四姉妹それぞれの物語が進んで行く・・。
・・だがそれが良い(/‾ ・∇・)/‾
山の清水を飲んだ後の様な、浄化される感じ?
素敵な映画でした。
ありがとうございました。
ーーー
やっぱり苦労してる長女って不◯しちゃうよね度】☆④
長澤まさみさんの美脚、美し過ぎない?度】☆⑤
ファザコン女子てかわよ( ・∇・)♡度】☆⑤
広瀬すずさん、今や『怒り』や『流浪の月』でのガチ演技、この頃からは想像つかないよ?度】☆④
伯爵オススメ度】☆⑤
見ながら飲んで欲しいお酒/甘酒やリキュールや梅酒
もう一回言います、素敵な映画でした!
ありがとうございました、
会話と表情から想像する
思い出や記憶を会話だけで描写し、姉妹たちの視線の先にある写真や景色は視聴者からは見えない。
序盤の父親の葬儀では氣付かなかったことが、終盤の葬儀で見えてくる。
さすが演技派が揃っているだけはあって、見応えがある。
明るい未来を予感させる終わり方で、視聴後は幸せな氣持ちになれる。
姉妹の絆の話でもあり、登場人物それぞれの恋愛物語でもある。
長女のシャチ姉(綾瀬はるか)...
母のように「足元に氣を付けて」と心配して言うのは愛情。
妻帯者の部屋に行き食事をしているがエッチなシーンは無い。
肉体関係があるかどうかはどうでもいい。
次女のよっちゃん(長澤まさみ)...
冒頭の彼氏(坂口健太郎)との添い寝から目覚めるシーンは、恋愛物語が始まるという象徴的な意味があるかもしれない。
三女のチカちゃん(夏帆)...
昔、花火大会でウンチを漏らしたエピソードが序盤に有る。
手作りのチクワカレーを美味しそうに食べる場面は必見。
明るく振る舞ったり面倒見が良かったりと、子供っぽいようでいて意外と大人で、釣り好きの性格(釣り好きは短気という説がある)からしても深みがあるキャラクター。
四女のすず...
氣持ちの変化が見どころ。
結局すずは素敵な存在なのである。
蒸し暑くて胸騒ぎのするような日々を綴っていく作品
夏の暑さの隙間から漏れる心地良さを感じたくて、ダラダラと時間のある時に観ていった。なんとなく変わっているのを感じつつ、それとなく染み渡るような変化も感じつつ。diaryとは言い得て妙。
刻々と変わりゆく姿を四季折々な鎌倉の景観に乗せて綴っていく。豪華なキャストが顔を揃える是枝組ながら普遍的な日常に溶け込ませる技量はさすが。こういうフラットに見えて実はそれぞれの悩みや秘密が顔を出す。その繊細さにはあの4姉妹でなくてはダメだなと感じさせる。それを引き立てる、どこかザラザラとした画質も良い。
一方でハマらなかった理由はdiaryだからだと思う。そういうモノを受け入れて人生は続いていく、そうした変化を淡々と描いていくのは簡単ではない。ただ、時間をかけて家族が形と意味を変えていく様は美しかった。
主演は言わずもがな、姉妹4人。だが何より、広瀬すずさんのフレッシュな透明感を味わえるのがこの作品の良い所。今は演技が分厚くドシッとしているが、この頃のあどけなくも周りに可愛がられているようなシーンたちは見物。まさしくdiaryとしての機能を感じる。
陰陽にある心模様を繊細に紡ぎ出す美しさ。対して是枝監督の作品は観れていないものの、その天秤の様な鋭い感覚が『怪物』の様な人の多面さを感じさせてくれるのだろう。夏にぴったりだった。
ノスタルジックな気分になる家族のお話
観ようと思って見逃した映画を観るシリーズを最近やってます(Netflixで鑑賞)。
静かな流れの中で、鎌倉で暮らす4姉妹の心模様が描かれる。美女大共演、そして広瀬すずの愛らしさに目を奪われる作品だが・・・。
初めから最後まで、ずっと懐かしいものを観ている感じがした。田舎の駅(電車じゃなくて汽車)、古い一軒家、街を見下ろす丘、梅酒、柱の傷、食堂・・・。自分が育ってきた環境に近いものがずっと画面に映り続けるものだから。
同じ感覚を抱いた人はいないだろうか。これは、懐かしい日本の家族の物語のように感じる。小津安二郎的な世界観というか。
親子関係に複雑な事情がある姉妹が、ほんとうの家族になっていく様子を、それぞれの日常と心情をマイルドに織り交ぜながら描いていく。是枝監督の作品は、「そして父になる」と「万引き家族」しか観たことがないのだが、家族というものにこだわりがあるのかもしれない。血のつながりが薄くても、繋がっていなくても、家族になれるという考えがあるのかもしれない。
ラスト近く、幸が柱にすずの背丈を書き込むシーンはとても印象的。ああ、これですずもほんとうの姉妹になったなと。憎い演出。
綾瀬はるかも、長澤まさみも好きな女優だが、個人的には千佳を演じる夏帆が気に入りました。とてもナチュラルで。
脇役にも自分が好きな堤真一、リリー・フランキー、風吹ジュン、レキシ(池田貴史)が登場していてうれしい。
あたたかく、ちょっと郷愁を誘う映画だった。
大きな事件も起きないのに引き込まれる!
ほぼすずと幸の話
それぞれにちゃんと見せ場があるいい脚本だと思った。 この映画で広瀬すずの演技をはじめて見たが、 しっかりしたもんだと思った。 個人的には泣ける場面が2か所あった。
動画配信で映画「海街diary」を見た。
劇場公開日:2015年6月13日
2015年製作/126分/G/日本
配給:東宝、ギャガ
綾瀬はるか
長澤まさみ
夏帆
広瀬すず
大竹しのぶ
堤真一
加瀬亮
風吹ジュン
リリー・フランキー
鈴木亮平
坂口健太郎
キムラ緑子
樹木希林
・リボルバー・リリー(2023年8月11日)
・レジェンド&バタフライ(2023年1月)
・はい、泳げません(2022年)
最近の出演作品の興業成績と評価がイマイチ厳しい綾瀬はるかだが、
「海街diary」は大ヒットした作品だろう。
鎌倉に暮らす香田家3姉妹(綾瀬はるか、長澤まさみ、夏帆)のもとに、15年前に家を出ていった父の訃報が届く。
葬儀に出席するため山形へ赴いた3人は、そこで異母妹となる14歳の少女すず(広瀬すず)と対面した。
4姉妹は一緒に鎌倉で暮らすことになる。
この4姉妹の生活を淡々と描く。
この映画には坂口健太郎から金を巻き上げる男意外、悪い人は登場しない。
みんないい人だ。
3姉妹の母親(大竹しのぶ)、
大叔母(樹木希林)
姉(綾瀬はるか)の不倫相手(堤真一)
海猫食堂の人たち(風吹ジュン、リリー・フランキー)
それぞれにちゃんと見せ場があるいい脚本だと思った。
この映画で広瀬すずの演技をはじめて見たが、
しっかりしたもんだと思った。
個人的には泣ける場面が2か所あった。
満足度は5点満点で5点☆☆☆☆☆です。
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