「傑作。四姉妹の四季彩る幸せの1ページ。」海街diary ななまがりさんの映画レビュー(感想・評価)
傑作。四姉妹の四季彩る幸せの1ページ。
スクリーンに数々の四姉妹のシーンが映し出される・・・、
まるで四季彩るアルバムのように。
なんてナチュラル感漂う映画なのだろう。
人物だけではない、セリフ、言い方ややり取り等の演出、街の風景まで、至るところ、自然な日常に溢れ、違和感を感じることがなかったと言っていいのではないだろうか。
映画を鑑賞している感覚ではなく、見守っていたと思う。まるで、幼いころから知っている親戚の叔父さんか従兄のお兄さんのような、そんな目線、気分になっていた。
この映画には過去の写真を含め、回送シーンなど一切ない。身内の気分にさせられているくらいだ、セリフ、表情、雰囲気で十分自然に伝わる、それが、わざとらしい説明セリフになっていない所が素晴らしい!
出番は少ないが、リリー・フランキーが、物語の終盤、食堂のおばちゃんの葬式の帰り際にすずに言うセリフが印象に残る。
「お父さんのことを話したくなったら、こそっとおいで」
痺れた。私自身、ずっとこんな思いで鑑賞していたかのようなセリフに、目頭が熱くなってしまっていた。
そして、明るく答えるすずに微笑ましく安堵感。
身内気分になってしまって、時間は、完全に忘れさせられた。
映画鑑賞で、こんな幸せなことはない。
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