劇場公開日 2015年6月13日

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「劇場全体が、 落ちていました。」海街diary 年間100本を劇場で観るシネオさんの映画レビュー(感想・評価)

2.0劇場全体が、 落ちていました。

2015年6月17日
PCから投稿
鑑賞方法:映画館

笑える

単純

寝られる

コミック原作のようですが、

未読で情報無しです。

ただ広告屋としては、

カンヌ国際映画祭で認められた是枝監督が

コンペ出品ということで、

見逃すわけにはいきません。

漫画の映画化は話を短くする分、

監督の主張が全てだと思っています。

今回も、そこに期待しました。

しかし、恐れていたことが...(笑)

内容はすべての状況説明が置き去りにされて、

あらすじをなぞっただけのドラマでした。

作品は、淡々としてホントに退屈でした。

よくありがちですが、

登場人物やエピソードシーンがが多すぎて、

個性も伏線の説明もできないまま、

ずるずると流れていくカンジ。

3姉妹の前に

とつぜん腹違いの妹すずが現れて、

だんだん仲良くなっていく。

2時間以上を使って、ただそれだけです。

真剣に生きている人のシズルや、

上手くいくはずもない悲哀、

人の温かさなどがきちんと描かれないまま。

全篇に流れているのは、

幸せすぎる上っ面な姉妹愛。

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すずの今までの気持ちも、

親戚関係も、遺産のことも、

触れぬまま

突然鎌倉で暮らし始めるなんて、

作品に入り込めません。

登場人物の設定や脚本も残念で、

一切感情移入ができませんでした。

不倫された母の親は

「不倫された自分が悪いんでしょ」なんて言うし

姉たちは「すずを生んだ父親は優しいね...」

なんか、ええっ?ってカンジです(笑)

姉妹の両親の性格も、

これまたよく分からない。

かわいい娘3人を捨てて、

そのまま何年もほっておけるものなのか。

もう人として、おかしいです。

その娘が不倫してるのも、

なんか嫌でした。

是枝監督はいったい、

何がやりたかったのでしょう。

ただ淡々と鎌倉の四季を描くことで

小津調といわれるのもあんまりです。

フジテレビに踊らされ、

有名女優を起用してヒット作が欲しかったのかな。

そんなスタンスで駄作を作ったら、

漫画家さんに失礼では。

ただこのような邦画でいつも救いなのは、

美しい日本の風情です。

田舎の自然に、鎌倉に、海に、和食に、

日本家屋に、打ち上げ花火に、浴衣に、桜。

広告出身のカメラマン、

瀧本幹也さんの撮った日本美は

世界に自慢できるほど、素敵でした。

けどそれだけじゃ、カンヌは穫れません。

パブリシティでは

カンヌで拍手喝采との

都合の良い記事がばらまかれていますが、

よほど酷い作品でないかぎり

立ち上がって拍手するのは当たり前。

現地の批評家たちの評価は、

ほとんどがが5段階評価の1つ星という

厳しい評価でした。

けど綾瀬はるかさん、長澤まさみさん、

夏帆さん、広瀬すずさん姉妹をはじめ

キャストはよかったです。

彼女達のファンは、楽しめると思います。

満員の劇場で気がつけば、

両隣の女性は熟睡。

前のおじさんも落ちていました。

ああ、俳優陣は素晴らしかったのに、

もったいない時間だったな。

今宵は久々に辛口過ぎて、

ホントにすみません。

年間100本を劇場で観るシネオ
白衣さんのコメント
2015年6月22日

感想はそれぞれなので良いのですが・・・

>不倫された母の親は
>「不倫された自分が悪いんでしょ」なんて言うし

姉妹の母の親=おばあちゃんは亡くなってますよね。
仏壇があり、法事があり・・・
綾瀬さんの「大船が付いているから心配ない」のセリフが布石、
法事の後のセリフで、叔母であることがわかりますよね。
でもって、最後に墓参りのシーンでダメ押し。

どうして母の親になっちゃったのか・・・
それじゃぁ、つまらないですよね。
外国の方も同様で、意味不明n映画だったのでしょうねww

白衣