「是枝監督ならではの繊細な映画。」海街diary しゅんいちさんの映画レビュー(感想・評価)
是枝監督ならではの繊細な映画。
まず、「愛」に溢れた丁寧な作品です。
みなさん、それぞれに思い思いのレヴューをされてるので、ストーリーラインや原作との比較などはいたしませんが。。
とても「丁寧」に作られてるので。。感受性の問題になってくる可能性はありますね。
演技も含めて、微妙な心情変化などを映像化してるので。。そこから、どこまで観客が読み取れるかで受ける印象はガラリと変わってきます。
そのため、恐らく人生経験の差なども反映されるのではないかと思いましたね。
「悼む人」を鑑賞した時以上に、いろんな思惑を切り取ってスクリーンに映し出されてる為に。。
そこの部分を「感じられない」と・・恐らく「説明不足」とか「話をもっと掘り下げてほしい」と感じるかもしれませんが。。
実は、一見するとなんでもないシーンの中に沢山のモノが常に詰め込まれてる「情報過多」な映画でもあるんです。
ただ・・「ヒト」ってホントに観たいものしか見ないので
集中力なく、さらっと適度に観ると。。「その奥にあるもの」は決して感じる事は出来ないだろうなぁと思いました。
そのため。。「すず」が鎌倉に行くことを決心した心情表現ですが。。私には痛いほど伝わってきました。
というのは、似たような経験があるからです。
そういった部分も含めて、観る側も丁寧に向き合って。。観て行くと。。
何度か涙が流れてしまうシーンがあります。
どう感じるか・・どう受け止めるかはそれぞれの自由だと思います。
ただ・・せっかく料金をはらって映画館で鑑賞するのですから
余すことなくしっかり受け止めて帰った方が、満足度は高いと思います。
まぁ・・カップルで来てたり家族で来てる人も多かったです。
ポップコーンなどをバリバリ食べてる人もいっぱいいました。
でも、多分。。「ながら」だと100%感じる事は出来ないだろうなぁと思いました。
決して。。「淡々」とは描かれてません。
しっかりと丁寧に「演出」された近年稀にみる傑作だと思います。
めんぼうさん
初めまして・・1年ごしのお返事で申し訳ないです。
「映画ドットコム」からのお知らせメールが迷惑メールに・・
今、振り返ってましたら・・初コメントにびっくりしました!!
凄く嬉しいです!!
こうして、ふりかえってみても・・「日本アカデミー賞」を無事に受賞しましたし
やはり、素晴らしい作品だったんだなぁと改めて感じてます。
このあと・・「すずちゃん」はひっぱりだこで・・その非凡な才能を発揮していきますが
やはり・・この映画のすずちゃんが一番好きですね。
しゅんいちさんのコメントに強く共感します!
この映画は、自分の中の色々なものと重なる部分が呼び起こされて感情を揺さぶられる良作だと思います。
特に、すずちゃんを鎌倉に誘う幸ねえの優しさ。同じ様に子どもらしく過ごせなかったからすずちゃんの辛さを短い時間で感じ取ったのでしょうね。そして、息の詰まりそうな現実から抜け出したいすずちゃんの即決。私も親元を離れる時に同じ様な気持ちがあったなぁ…(居心地が悪かった)としみじみしました。
この映画をわからないという方は、居心地のいい環境で育ったとか救われない環境に置かれているのかもしれないですね