劇場公開日 2015年6月13日

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「可もなく不可もなく。鎌倉と藤沢のプロモーション・フィルム。」海街diary bashibaさんの映画レビュー(感想・評価)

2.0可もなく不可もなく。鎌倉と藤沢のプロモーション・フィルム。

2015年6月13日
PCから投稿
鑑賞方法:映画館

知的

 映画が始まってからニ〇分くらいでしょうか、綾瀬はるかが葬儀の執り行われた山形で、腹違いの妹の広瀬すずに向かって、「こっち(鎌倉)に来ない?」と言います。すると、広瀬すずは何の逡巡も見せずに、「はい」と返答します。この時点で、この映画はもう、既に終わっています。この映画は腹違いの姉妹の広瀬すずが他の三姉妹と、如何にひとつの家族になっていくか話のキモになっているはずなのですが、これでは、三〇分足らずで話は終わってしまいます。残りの二時間弱は専ら、鎌倉と藤沢周辺の観光的プロモーション・フィルムになっています。どうして、このようになったのかといいますと、広瀬すずが、余りにも素直なのです。素直すぎるのです。生活環境が変わることによってもたらされるであろうストレスなど全く感じていないような脚本には些か違和感を感じました。何故、初めて会う、三姉妹と一緒に暮らすことに、「はい」と即答できるのでしょう。脚本によっては、この部分の心理的葛藤をメインにして、広瀬すずが、あれやこれやと悩み抜き、最終的には広瀬すず本人が、三人と一緒に暮らすことを決心するところで、劇が終了、とすることもできた筈です。
 最後の場面、稲村ケ崎を背景に四姉妹が浜辺で語らうのですが、少し、予定調和的過ぎて、ちょっと、物足りなかったです、別に不満はないのですが・・・。また、堤真一、リリー・フランキ―、といった味のある役者がワキを固めていたのですが、彼らにとってはまさに役不足のキャスティングでした。勿体ないな、と強く感じました。
 いろいろ、厳しいことを書きましたが、結果的には観て損はない映画です。1400円の前売り券を買って、観たのですが、まさに、1400円くらいの価値はある映画です。1300円でもなく、1500円でもない、まさに1400円の価値がある映画です。

bashiba