「最高にハッピーな飯テロ映画」シェフ 三ツ星フードトラック始めました ロロ・トマシさんの映画レビュー(感想・評価)
最高にハッピーな飯テロ映画
腹が減る映画です。もうめちゃくちゃ腹が減る。鑑賞後は兎にも角にも胃袋に何かを収めたくて取り急ぎ某ファストフード店でハンバーガー食っちゃいましたよ。これがキューバサンドイッチだったらどれほど良かったか……。
いや、これ本当最高ですね。ハッピーサプリメントですよ。「映画から元気を貰う」なんてベタなセリフ、恥ずかしくてあまり吐きたくはないんですけどもね。だけど、まさしくその部類に入る映画です。
あの『アイアンマン』のジョン・ファブロー監督が、まさかブロックバスターから一歩引いて低予算でこういう作品撮るって発想が全くなくて。思わなくて。主演まで自分でやるっていうんだから。寧ろこりゃ観るしかない!てなるでしょう。で、観たら最高じゃないですか。
この物語って、ジョン・ファブローの実体験が少なからず反映されてるのかな、と思うんですよ。劇中に料理評論家が出てきて、シェフであるカールの料理をボロッカスに酷評するんです、ブログで。カールはめっちゃキレる。ツイッターで反撃のリプライをする。ネット炎上。今度はじかに評論家に向かって「レストランが潰れたらどうすんだ!責任を取れるのか!傷つくぞ!」と怒鳴る。その動画がネットに流れて再びの炎上。大炎上。
実際のファブローが炎上起こしたことはない(と思う)んですけど、それぐらいにキレた自分に対しての酷評記事を閲覧したことがあったのかなぁ、と想像に難くない訳です。カールがレストランのオーナーにあれやこれや言われ、好きに料理を作らせてもらえないのも、ファブローがブロックバスター時代、マーベルスタジオからあれやこれや言われたことが投影されてんじゃないかな、とか。ね。
そういうモヤモヤを一回、作品の序盤で吐き出して「これが俺のやりたかった映画じゃ~い!」と後半でノビノビはっちゃける。ハッピーな物語を紡ぎだす。
思わず食べたくなる料理の数々。我が子との夏休みの思い出。熱い友情。元嫁との交流。ロバート・ダウニー・Jr.。
あー、また腹減ってきた。