「楽しいなあ」LUCY ルーシー 小二郎さんの映画レビュー(感想・評価)
楽しいなあ
面白かったなあ。
中学生が習うレベルの進化論をもとに、中学生が思いっきり妄想したらこうなるっていうのを、大盤振る舞い。
携帯から電波が立ち昇っていくシーンなんて、思いついても中々恥ずかしくて映像化しないと思うんだけど、そういうのを惜しげも無くやってくれるのがベッソン監督。
「時間、時」と何度も言ってるから、こりゃ過去を遡るねー絶対。と思っていると、ちゃんと遡ってくれるし。
あとは宇宙行くしかないなーと思っていると、ちゃんと行ってくれる。
予想に反することなく「中学生ならこう考える」を忠実になぞってくれる。
賢く見せたいという欲が、全く無くて、本当に楽しい。
これをやったら〇〇のパクリって言われるんじゃないかと遠慮する小賢しさもない。
ベッソン監督らしい、「オレのこういう所が好きなんだろ?」なサービスも沢山。
(チェミンシクが、かつての悪役ゲーリーから1ミリも外れてない所も楽しい。)
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ニキータ・レオン・フィフスなどと同じく、ヒロイン成長記の本作。
それらのヒロインは今まで、貧乳で少女体型の人が多かった。(成長譚に、成熟したオンナオンナした体型は似合わない。)
で、今回はスカヨハ、もといスカーレット・ヨハンソン。
プルンプルンして、ふるいつきたい身体なわけである。ザ・オンナだ。
ベッソン映画に合わないんじゃないかと観る前は思っていたけど、合う、合うねえ。
女神光臨な感じが、たまんないっす。
こんな「成熟した身体の女」を主役に据えたにもかかわらず、ベッソンは男女恋愛話にすることなく、最後は、ルーシーを神の領域、手を出せない存在へと持っていく。
女性崇拝と言ったら聞こえはいいけど、「大人のお姉さんには手を出せません、相手にされません」っていう、中学生的雄叫びが際立つラストだなあとも思う。
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追:スカーレットの「肉」な感じをしっかり撮ってる所は、ベッソン、中学生ではなく、ちゃんと大人、というかエロいオッサン。そういうのも楽しいなあ。