グッド・ライ いちばん優しい嘘のレビュー・感想・評価
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アメリカの難民政策のプロパガンダ映画だと思う。 元スーダン難民の俳...
アメリカの難民政策のプロパガンダ映画だと思う。
元スーダン難民の俳優を使うなら、兄妹どうしの会話はスーダンの言葉にしてもらいたいものだ。
この映画に出る白人は全て良い人。アメリカの黒人はどうしているのだろうか?
なんか偽善的な匂いがする。優しい嘘?ファーイーストの日本人にはこの程度の嘘をついても信用してもらえるってことなのか?
難民問題と向き合う
自身の難民に対するこれまでの無知のせいか、素性のわからぬ難民に対する警戒心も漠然とあって、同情はできても何もできないという無力感からか、胸を張って観ることが辛く難しい映画であった。
恥ずかしながら劇中人物の人柄や善意を一面的な美談であるとか、南スーダンは英国統治で言語や宗教観が受け入れに幸いしたとか、映画化に対する難癖のような自己正当化の言い訳が頭をよぎる。
しかしながらそれらを割り引いても素晴らしい映画を創ったことに賞賛と拍手をおくりたい。
今もなお支援を続けている各国の有志の方々には頭がさがります、内乱は無いものの自然災害の多い我が国、ひとたび未曽有な天災が起きれば他人事ではありません。できることは少なくとも目を逸らすのではなく問題を正視する気概を持ちたいと思わせてくれる力作でした。
家族や祖国を失っても、心や誇りは失っていない
タイトルはハートフルな感動作を想像させるが、社会派題材を扱った実話に基づくヒューマン・ストーリー。
考えさせられ、感動もあり、なかなか見応えあった良作。
1983年、第二次スーダン内戦。家族や故郷を失った多くの難民孤児=ロストボーイズ。
隣国ケニアの難民キャンプへ向かう。約1000キロ以上の道中、病気やゲリラ、犠牲や死別を繰り返しながら。
やっと辿り着いたのは、マメール、ジェレマイア、ポール、アビタルの4人だけ…。
辿り着くまでの苦難の旅路だけでも一本の映画に出来たかもしれない。
が、あくまでプロローグ。
なので、旅路の辛さ苦しさをもうちょっと深く描いて欲しかった気もするが、本作のメインはここから。
10数年後の2000年、彼らロストボーイズがアメリカに移住する事に。
アメリカで実際に行われたというスーダン難民孤児受け入れプロジェクト。
これまでの貧しい暮らしとおさらば、自由の国アメリカで幸せで豊かな暮らしが始まる…否!
入国審査でいきなりトラブル。アビタルだけ別の州へ。
4人は一緒に居る事を強く訴えるが…、国の手続きの前ではどうする事も出来なかった。
マメールらはカンザスへ。
何もかもが見た事無い。マクドナルドや奇跡の食べ物=ピザに驚き、電話すら使い方も分からない。
カルチャー・ギャップはユーモアを生むが、彼らの場合はこれが現実。
特に大変なのが、就職。
雇う側も難色示し、雇われても困惑ばかり。故に、長続きせず…。
あの旅路は辛く、苦しかった。
難色キャンプでの暮らしも貧しい。
それに比べると…いや、今の彼らの暮らしは本当に幸せと言えるのだろうか?
家族/仲間と離され、遠い異国の地で右も左も分からず、ただ働くだけ。
納得のいかない事も多々。
スーパーで働くジェレマイアだが、廃棄処分の食品を貧しい人にあげ、店から注意される。
ジェレマイアたちにとって食品は生きていく為に食べるもの。が、店側にとってはただ売る為のもの。
この廃棄処分される大量の食品で、どれほどの難民孤児が腹を満たせる事か…。実際、目の前の人も。
これはそんなにいけない事なのか…?
ポールは新天地での生活に心底嫌気が差し、無断欠勤や家にも帰らず。
彼らの就職を担当する事になった職業紹介所のキャリー。
当初は全くの文化や価値観の違いからイライラが募るばかり。
が、ある時、彼らのこれまでの苦難や難民孤児の現状を知る。彼らの為に尽力する。
離れ離れになったアビタルを自宅に受け入れようとする。
そして、サプライズな“クリスマス・プレゼント”。
ちとベタな役柄だが、交流は温かい。
一応主演はリース・ウィザースプーンで好演しているが、本当の主役はマメールたち。
実際に難民孤児だった彼らの存在がリアリティーをもたらす。
時々悩んだり喧嘩もしたりもするけど、彼らの心が本当に純粋。
さて、タイトルの“グッド・ライ”=“いい嘘”。
これは、ラストに。
マメールは思いがけない人物と再会する。
その人物の為の“グッド・ライ”。
はっきり言ってしまうと、法に触れる。
が、自分の豊かな生活をその人物に譲り、自分は再び難民キャンプに戻って尽くそうとするマメールの決断に、誰が彼を責められようか。
虚しい争いにより、家族や仲間、祖国まで失ったロストボーイズ。
が、彼らのピュアな心や彼ら自身の誇りは失っていない。
難民の過酷さをことさらドラマチックには描いていないがそれでも十分胸...
難民の過酷さをことさらドラマチックには描いていないがそれでも十分胸に重く迫ってくるものがある。前向きな形で話は終わっているがマメールの今後の困難を思うと辛くなってしまった。心に残る作品だった。
誰でも観易いようにまとめてあるなと
この作品の大きな題材は“ロストボーイズ”の生き様について。
スーダンで襲撃を受け、両親を亡くし。
異母兄弟で構成された“家族”のみで安全な地を目指して何キロも歩き続ける。
飲み食いもままならず、兄弟のひとりは命を落とし、兵士に遭遇することを怯えて命からがらエチオピアを目指していたが、そこも危険地帯だとしらされて漠然とし…
こんどはケニアを目指すが途中兵士に遭遇し、一緒に移動する難民達や兄弟も殺されたり。
夜を明かした草原の中、目を覚ますとそこにはまさかの兵士がいて、家族を守る為に一番のリーダーである兄が囚われたり…
絶望的な中、ようやく難民キャンプに辿り着く。
今までに比べたら安全で、飲食もできとても良い暮らしだった。でも何も変わらず何年も経ったある時。
アメリカの難民受け入れプログラムが始まり、その家族は渡米できることに。
難民キャンプは良い暮らしだったが、新たな夢の国にみんな意気揚々夢を膨らませていた。
でも、いざ暮らしてみると“豊かだけどからっぽ”だった。アフリカが恋しいと思うようにもなる。
食べる物に困り、でも“生きる為に”と排尿を飲んで凌いでいた自分が、期限切れの綺麗な食品を毎日大量に廃棄しなければならないのはあまりに酷だ。
彼らはとても心が綺麗で、思いやり、感謝の気持ちも大切にしていて、今現代人に欠けているものを当たり前のように示してくるところに私は胸を打たれた。
なぜ『グッド・ライ』をついて、元リーダーであったテオを自分と引き換えに渡米させてあげたか。
大切な家族が、背中にひどい傷を負っている間、自分たちは良い思いをしていたこと。自分の身代わりに兵士に囚われてくれた恩…沢山の思いと思いやりの結果だろう。
豊かな生活を一度経験してしまうと、それを落とすのは覚悟が必要だ。でも、そんなことよりも家族を想う気持ちが強かったのだから。
あんまり良いレビューもないようだけれど、こういう題材だと目を背けたくなったり、観ようとしない人も多いと思う。でもそんな人にも観易く上手くまとめてあるなぁ、と私は思った。すごく良い作品だったと思う。
個人的にかなりよかった。
私たちが普段当たり前に見てるものを全然知らなくて、軽い感じで描かれてはいるものの実際は想像を絶するような別世界で生きてきたということを感じさせられる。
いろんな感覚は違うけど、とっても尽くしてくれたり、さよならと言われて異常に悲しんだり、でも良くなるだけじゃなく薬に手を出してしまったり。
残酷な描写はないけれど見えない部分のリアリティや深刻さを感じられる作品だった。
ラストは涙涙。
本物の難民が演じていたことには驚いたけど、それもまたよかった。
急ぐなら1人で行け、遠くへ行くなら一緒に行け
ハックルベリーフィンの物語「いい嘘」
ヤディットは「偉大な白い牛」
彼らには想像以上にトラウマが刻まれていると思うの、だって
サヨナラと言うと、死ぬほど悲しい顔をするの。
最後に役者は実際の元スーダン難民だと知らされ絶句
考えされられる
ルック △
シナリオ◯
アクター◯
デプス◎
ラスト◎
オススメ◯
出演者が元難民出身が演じていたのがなのがよかった。
ラストが優しい。
エンディングも良かった。
アフリカとアメリカの違いの差
日本も同じ
アフリカの人がアメリカに行きその違いに驚く。
日本人の私もその違いに驚く。
ものを大事にするか、しないか、文化の違いと環境で人は大きく変わるのかと感じられた。
家族も大事に
命を大切にせねばならんな。もっとアフリカのことを知って、アフリカのことを勉強しないといけない。
「The Good Lie」とは「厳しい環境を生き抜くためのウソ」
映画「グッド・ライ いちばん優しい嘘」
(フィリップ・ファラルドー監督)から。
これが、ほぼ「スーダン」の現実だとしたら、私たち日本は無力であり、
彼らを全米各地へ移住させたアメリカは、やはり大人の国だと感じた。
タイトルになっている「いいウソ」の定義は、大学の授業のシーンで。
「『ハックルベリー・フィンの冒険』の『いいウソ』の意味は?」と
先生が訊ねると、賢そうな女性の学生がさっと答える。
「厳しい環境を生き抜くためのウソ」と。
確かに、本にそう書いてあったのだろう、しかし説得力がない。
その後に答えた、スーターンから移民してきた主人公のひとりは、
「『奴隷はいない』と奴隷狩りの連中をだました。
でも、何よりも大事なのは、そのウソでジムを救ったこと。
彼には、ジムの自由が賞金より大事でした。いいウソです」と付け加えた。
リアル体験から生み出された定義は、より具体的であった。
戦争は、想像を絶する状況で、難しい選択を迫られることが多い。
ウソをつくのは悪いと知りながらも、仲間を救うために、
自分が犠牲になっても、咄嗟のウソがつけるかどうか、
「厳しい環境を生き抜くためのウソ」とはそういうことである。
簡単そうでありながら、実はなかなかできることではない。
最後に流れた「アフリカの諺」を記しておく。
「急ぐなら、1人で行け。遠くへ行くなら、一緒に行け。」
If you want to go fast,go alone.
IF you to go far, go together.
家族あっての。
内戦を描いた作品の中には至極悲惨な現実を描いたものが多く、
そういうタッチのものからすると今作はカラっと描かれている。
しかし前半で両親を失った兄弟たちが難民キャンプへ辿り着く
までの道のりは長く悲惨、それを記憶しておくことでその後の
物語に説得力が生まれてくる。彼らにとっての幸せとはなにか。
職業紹介所でR・ウィザースプーンが担当する一家族にスポット
が当てられているが、残された難民たちはさらに過酷な生活を
強いられていたことと思う。抽選で選ばれた3,600人のロスト
ボーイズたちは手提げ袋一つでアメリカの地を踏むことになる。
電話もマクドナルドも知らない、そんな彼らをどうやって就職
させることができるのだろう。断る業者も多く、斡旋は難関を
極める。しかし適材や意外な才能は先進国にあるとは限らない。
家族関係を重んじる人間性は、自分たちが苦しんだ生活を憂い、
他者を助けることに生き甲斐を見出す。食べる物もなく自分の
小便を皆で回し飲みして命を繋いだ兄弟に、賞味期限が切れた
食物を廃棄しなければならないこと自体が分からないのは当然。
与えないことの方が罪だと、毅然と話す逞しさには頭が下がる。
そして弟が唯一悔やんできた兄への想い。自分たちを救うために
敵の面前に姿を現し拘束連行された兄。生きているのか、死んで
しまったのかも分からない兄の行方を探しだそうと奔走する弟に
ある一報が齎されるのだったが…。タイトルのグッド・ライとは
そういうことだったのかと最後に判明するが、家族全員の幸せを
願う優しい人間性を持つ人々の祖国が内戦とはなんとも皮肉だ。
(彼らのその後も紹介されるけど、他の難民はどうなったかなぁ)
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