劇場公開日 2015年4月17日

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「これが世界の現実。文化の違いを越え、育まれた友情。」グッド・ライ いちばん優しい嘘 映画コーディネーター・門倉カドさんの映画レビュー(感想・評価)

4.0これが世界の現実。文化の違いを越え、育まれた友情。

2015年4月20日
PCから投稿

悲しい

難しい

幸せ

【賛否両論チェック】
賛:文化の違いを通して、戦争の悲惨さや当たり前の日常のありがたさを痛感させられる。タイトルの意味にも感動。
否:テーマが非常に重いので、気軽に観られる作品ではない。

 アメリカに来て文化の違いに驚くスーダンの青年達を通して、戦争が生む悲惨な現実や、普段当たり前に過ごしている毎日のありがたさを痛感させられます。スーダンでは食料もなく、生きるためにハイエナの残し物や自らの小水をも口にしてきたマメール達が、アメリカでは賞味期限が切れた商品をすぐに捨ててしまう現状を目の当たりにする描写なんかに、それがよく表れています。「文化の違いに驚く」といっても、決して明るく描かれているわけではなく、深く考えさせられる社会派の作品です。そして、スーダンの青年達役で出演されている方々が、みんな実際の難民だったりその2世だったりする事実にも、また驚かされます。この作品が一概にフィクションで片づけられない現実が、そこにあるんだと実感します。
 物語自体は単純なストーリーではありますが、「いちばん優しい嘘」の真実と切ないラストに、思わず胸が締めつけられる想いです。
 内容的に、全然気軽に観られる作品ではありませんので、是非心してご覧になってみて下さい。

映画コーディネーター・門倉カド