「●故郷とは。」グッド・ライ いちばん優しい嘘 うり坊033さんの映画レビュー(感想・評価)
●故郷とは。
考えさせられる映画だ。
物語はまず、スーダン内戦の実態に時間をかける。移民後の話だと思ってたから、心を鷲掴みされた。なんの罪もない人々が虫ケラのように殺されていく。日本でのほほんと暮らしている自分とは、天国と地獄ほど差がある。避難すべく、東京・広島くらい、900kmもの距離を歩く。生きるために肉食獣のおこぼれに預かる。ションベンも飲む。兄貴は捕まる。弟は死ぬ。
そして、からくも助かった彼らたちの家族の絆の深さ、純朴さ、故郷への想い。会いたいのに会えないもどかしさ。助けてくれた人への心から感謝の気持ち。心が洗われる。もちろんラストは号泣だ。相当なトラウマ。まさに想像を絶する。
移民後は、アメリカナイズな資本主義とのギャップに戸惑う彼ら。クスッとさせるシーンもあり、ホッとする。しかし最後につくやさしい嘘が切ない。日本でも震災の影響で故郷に帰れない人たちがいる。本当に気の毒だ。故郷とは。家族とは。身につまされる。
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