劇場公開日 2014年8月30日

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「【韓国がテロを描くとこうなる】」テロ,ライブ abuさんの映画レビュー(感想・評価)

3.5 【韓国がテロを描くとこうなる】

2025年12月29日
PCから投稿
鑑賞方法:VOD

『ショウタイムセブン』の元ネタということで鑑賞したが、結論から言えば完全に別物だった。
この作品をベースにリメイクしたと言えるのか、正直首をかしげてしまう。

本作は、文字通り“テロを生放送する”映画である。
2014年という、まだ9・11の記憶が色濃く残る時代に、ここまで踏み込んだ表現をしたこと自体に驚かされる。

舞台のほとんどはラジオブース。
それでも外で起きている大規模テロの恐怖とスケールが、音と映像の演出だけで鮮明に伝わってくる。
このワンシチュエーションで成立させる構成力と演出力は見事だ。

特に印象的なのが、耳に仕掛けられたイヤホン型爆弾の存在。
それを“本当に怖いもの”として観客に認識させるのは、役者の演技と演出の力にほかならない。

日本版の阿部寛の方が重厚な演技をしている。
それでも、脚本と演出の差によって、ここまで作品の強度が変わってしまうのかと考えると、
邦画はまだ学ぶべき点が多いのではないかと思わされる。

韓国映画がテロという題材を扱うと、ここまで緊張感と覚悟のある作品になる。
その底力を、強く実感させられる一本だった。

abu
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