「すべては茶番」テロ,ライブ redirさんの映画レビュー(感想・評価)
すべては茶番
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かの国もこの国も薄汚さは等しく同じ、どこを切っても金太郎飴のように茶番、茶番、嘘とでっち上げと居直りだけだ。男が女の手柄をわがものとし、上司が部下の手柄をわがものとし、施政者、政府、警察はたかみの見物。
ハジョンウというキャスター役の役者さんが人間味溢れる体温を表現していて好感、というか、拍手。この人物も大概クソなの、でも、一個人としての心、組織の中の自分、組織の中の個人としての皮算用、元妻、周りの登場人物もだいたいクソなので全てが茶番。、労働者が信頼していたキャスターとは。彼も収賄も、さっさと犯人に振込されるあたりも、だいたい組織がらみの事情のようでそんなにクソではないのかもしれない。妻の手柄も局長に横取りされそうになっての偽装受賞かもしれないし、そもそも男尊女卑であるから。晴天の空の下、一等地の高層ビルかひとつ、ふたつと倒れゆく様はもちろん911を彷彿とさせるし、いつの時代にも労働者、労務者という言葉もあったし今でも現代奴隷法なんて言葉もあるがそんな人たちは名もなく何もなく人柱として使い捨て搾取されていく。誰がなにをもって誰に対して、テロ、テロリストなどと言いう放つことができるのか。
設定も秀逸映像も迫力があり、抑制の効いたシナリオ、そして課題は山積みであることを改めて思い知られる。
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