「描きに描き抜かれた」バクマン。 内山。さんの映画レビュー(感想・評価)
描きに描き抜かれた
いやぁ…面白かった!映画バクマン非常に楽しめました。
私は原作は読んでいないので、未読の意見ということで。
ストーリーは高校生の漫画家が「ジャンプ」で頂点を目指すという、僕ら一般人からしたら遠い話のようであり、子供の時から親しんでいる「ジャンプ」の話ということで登場人物それぞれになんだか親近感のようなものが芽生えました。昔の作品の話で盛り上がるところとかジョジョ立ちしたり、なんだか全員が子供みたいにはしゃいでで、もう最高!って思うのです。
だからサイコーとシュージンや天才的な才能を持った登場人物たちに何故か嫉妬しないとうか、頑張れ!て応援したくなるものがある。この作品のキモはここにあると思うのです。「才能を持った人が頑張っているのを純粋に応援したくなる」ということ。
そんな彼らが上手くいくと思いきや壁にぶち当たる。また上手くいくと思いきや、またぶつかる。そして最後、彼らが成し遂げた時に、スラムダンク的なハイタッチでカタルシスが最高に味わえる!心の中でガッツポーズ!そういう体験をするために映画観てるんだよ!という良い映画体験ができました。
後半の熱い展開も、これがジャンプなんだよ!だから良いの!若干寒いけどこれが良いの!っていうこちらも熱くなってしまった笑
あと音楽を担当したサカナクション。すごく良かった。劇伴よりもミュージシャンやDJが作る音楽が見事にこの作品に合っていると思いました。役者は言わずもがな、このサカナクションをキャスティングした大根監督に感謝。
シュージンがアイデアを思いついたときに顔にアップが行くと同時にサビ前のグーッて上がる音楽とか、なんといっても、ペンを走らせる音とサカナクションの音楽の融合。あれは観てて聴いてて、気持ち良い!
CGも良かった。漫画をテーマにした映画ということで一見地味になりかねないのに、ストーリーを見事エンタテインメントとして作りあげている。原画やふきだしが浮かび上がるとことかエイジとの戦いのとこも上手く表現できているなと。
で、美術も最高でした!編集部の部屋、それぞれの漫画家の仕事部屋まであそこまでディテールに拘ってるとお見事。役者の待ち時間が長かったのも頷けますね。そしてエンディングは今年1のエンディング賞。素晴らしい。描きに描きに抜かれた映画だと思います。
べた褒めですが、ただ少しテンポが良すぎて展開が少し早いかな〜っていうのとヒロインの亜豆をもっと上手く見せれたらな〜とか思ったりもしましたが、あまり気にならない程度。
なんにせよ、最初のジャンプ作品がズラーっと出るところから、最後のエンディングまで気持ち良く映画を楽しめました!オススメです。あとパンフレットもとても面白いのでこちらもオススメ。