ケープタウンのレビュー・感想・評価
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謎めいた南アフリカ。
フランスにはまだまだ未知の才能が眠っているようである。
ジェローム・サル監督。どうやらスリラーやノワールに才能を発揮する監督のようだ。
ひとりの若い女性が殺害される。撲殺。
現場には、近頃子どもの失踪に関わりのある薬物があった。
アリ(フォレスト・ウィテカー)は黒人。南アフリカにおいて黒人であることはそれだけでなんらかの意味をもつ。
ブライアン(オーランド・ブルーム)は白人でありながら、やはりアパルトヘイトとは無縁でいられない。
捜査をしていくなかで、ある売人組織とぶつかり、さらにそのバックの存在もちらちらし始める。
この捜査の過程で捜査員をひとり失う。
南アフリカという国が抱えるなにものか。それが映画全体を覆っていて、単純なスリラーとして観ることができなかった。
存在を知ったときから何か引っかかっていて、ずっと気になっていた。観てよかった。
秀作である。
救いのない結末。当たり前の日々のありがたさを痛感。
【賛否両論チェック】
賛:ギャングが町を牛耳る様子や、黒人差別の過程など、南アフリカが抱える問題を赤裸々に描く。残酷な展開も、見方を変えれば現実的。
否:手を切り落とされたりなど、描写はかなりグロい。
刑事が2人出てくるというと、“相棒モノ”を想像しがちですが、この2人は基本単独行動で、一緒に行動することはほとんどありません。2人がそれぞれの捜査で、お互いに真実を知るという構図です。展開はある程度予想は出来てしまいますが、実際にはそれを上回る残酷な結末が待ち受けています。最初は冷静に捜査を進めていたアリが、次第に理性を失っていく様も見事に体現されていて、哀しさを際立たせます。
また、情勢不安や麻薬の横行、人種差別など、南アフリカの厳しい現実も如実に描かれていて、自分達が日々を当たり前に過ごしていることのありがたさも、改めて痛感させられます。
描写はかなりグロいので、その辺は心してご覧下さい。
渋いサスペンス映画です
フランス推理小説大賞を受賞した『ZULU』が原作の渋いサスペンス映画です。舞台が南アフリカと言う事で、かつてのアパルトヘイトの残滓が見え隠れします。明るい内容ではないですねぇ。最後も、スッキリとはしませんでしたしね。
オーランド・ブルームが、ヤサグレたブライアン・エプキン刑事を演じています。イメケンは、どんな役を演じても様になりますねぇ。
他方、アパルトヘイトの嫌な記憶を心の奥底に閉じ込め、民族融和の精神で仕事に打ち込むエプキン刑事の上司、アリ・ソケーラ警部をフォレスト・ウィテカーが演じています。エプキンには女性の影が付きまとうのに対し、ソケーラにはその欠片も見えません。いや、女性を目の当たりにして不思議な行動を示すのですが、その原因は、映画の中で確かめてください。
それにしても、結末は『そう来ますか』と言うか、『そういう結末も有るよね』と言う結末。この手のサスペンスは、ハッピーエンドじゃないよね。渋いサスペンス映画にふさわしい、結末だと思いました。
いい作品です。
心が痛くなる痛快サスペンス
心が重かった。
この映画、
緊張感に息もつけないサスペンスアクション
とあるので、ごく普通に刑事もののサスペンスを想像していた。
しかし、、、、、
そんな生易しいものではなかった。
この試写会、なかのZEROホールというかなり大きなホールでの上映。
参加者もかなりの人数いたと思う。
ぱっと見た感じ、おばちゃまが多いように感じたけど、、、
これ、おばちゃまにはちょっと、きつかったんじゃないかな〜。
R指定が15歳になっているけど、、、
私的には18歳のほうがいいのではないかと思う残虐さ。
といってもサイコ的な感じではなく、、、、。
もちろんこれは映画だけど、
南アフリカというあまりにも日本と違う文化を目の当たりにした気がした。
見終わって、とっても心が重かった。
私は旅行が大好きで、
いろいろな所に行って違う文化やその文化の中に生きる人々との交流を楽しみにしている。
もちろん、理解しがたい文化なんかもあるけど、そういうことを知ることが楽しい。
しかし、、、
この映画で見る文化は私の想像を遥かに超えるものだった。
この映画、とても正直に言うと、大ヒットはしないと思う。
見たくない人がたくさんいると思われるから。
私も出来ることならこんな重い気持ちになりたくなかった。
でもきっと必然だったんだと思う。
他国の文化を知ることは、すべてが楽しいことばかりではない。
そういう現実を叩き込まれた気がした。
でもだからこそ、見てよかったと思う。
試写会があたらければ見ることがなかった映画だと思うので、当選してよかったと思う。
もちろん、これは映画なんだけどね、、、。
でも、この映画のメッセージはきっとそういうことを伝えたかったんじゃないかと思う。
本当にメッセージ性の強い映画だった。
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