「キャラクターは良い」新宿スワン えさんの映画レビュー(感想・評価)
キャラクターは良い
ブルーレイで視聴。
映画館で見たものと小さい画面であとから見るのとでは評価が多少変わるという前提。
原作は途中まで(ハーレムがバーストの傘下に入るとこまで)読んでいた。
キャラクターはかなり忠実(細かいキャラまでは不明)で特に伊勢谷雄介はハマッっていた。
歌舞伎町で実際に撮影しているだけあって雰囲気のリアリティさも感じる。エキストラが棒演技なのは仕方ないかな。
序盤は原作の設定、登場人物等紹介など説明要素が必要なためテンポが速い。これはテンポが良いのではなく、不自然な速さ、雑さで違和感を感じ、原作を知らない人には不親切な気がした。
中盤は普通に鑑賞できたが、よく分らないカットが多く(山田優が髪を解くシーンなど(あれは寝たということでいいのか?その後、それを匂わすようなシーンはあったが))主人公がいきなりアップの叫びが入ったり
え?なにこれは?といちいち感情移入から突き飛ばされたような気分に陥る。
終盤はもう惰性で時間が過ぎるのを待っていた。
沢尻エリカはオリジナルキャラのはずだったが(凄く曖昧なので原作にもいたかもしれない)絵本を読んでその主人公が綾野剛に似てたから「逃げよ^^」手を取って走り出す。楽しくプリクラ撮ったら急に「帰らなきゃ」ってなんじゃそりゃ。
途中からその絵本の物語が沢尻エリカの朗読で読まれるのだがいちいち綾野剛の行動に沿っていてご都合主義はだはだしいというかそもそもその絵本自体作中オリジナルなので全く感動もしないし沢尻エリカの演技くさい朗読がまた滑稽に思えた。そもそもが普通とかけ離れているので薬漬けになっても全然可愛そうだと思えないしどうでもいいとさえ思った。
また伊勢谷雄介は超能力的に主人公が思ってることや行動を読んでおり、クラブママの山田優も伊勢谷が綾野の胸ポケットに仕込んだGPSを透視能力で教え、もうなんでもありになっていた。
バーストの連中も伊勢谷以外がただの悪人であり、仲間みたいに接してくるが全く信用できない(リアルでそうなのかもしれないが)。
また途中でまたいきなり入る過去の映像(学生時代の集団喧嘩)越しに歩く綾野剛のシーンや出てきた登場人物の普段をバックに歩くスカウトになる前の綾野剛のシーンなど唐突すぎだしそれぞれのキャラクターもそこまで掘り下げてないのでなんの感慨も感じない。そして次回があるのかないのか良く分らない陰謀のようななにかを残して終了・・。消化不良だった。
中盤、終盤の喧嘩が見せ場だと思う。役者の演技が迫力あって良いと思ったが、あの迫力ならBGMいらなかったかなぁとも思えた。
最後にテーマがテーマなだけに少し子供に見せられないようなシーンはあるがなんというか監督が監督なので変にリアルというか気持ち悪いというか引いてしまう。そのくせ乳首は一切見せないという謎のバランス。園監督はよく出す監督だと思ったが。
TOKYOTRIBEを劇場で見てブルーレイも買ったのでそのノリで見たが、満足できなかった。Young Daisが出てたのはおお!と思ったが(しかも演技うまい)。この作品は園監督が超多忙な中で作ったものなので少し期待しすぎた感はあったかもしれない。