「ハリウッドの流行り物「最強オヤジ」」ターミネーター:新起動 ジェニシス はなせれぶさんの映画レビュー(感想・評価)
ハリウッドの流行り物「最強オヤジ」
ターミネーターのリブート作品。始めはエンジン全開、中盤以降は失速。
アラサーの私は物心付いた時にはシュワちゃん映画の虜であった。T1T2,プレデター、トータルリコール。トゥルーライズはVHSで借りてみたな。金曜ロードショーでターミネーターシリーズが放映になったつぎの週は学校のクラスで大抵何人かは液体金属モノマネがされていた事を懐かしく思う。
そんな私にとっては満足な続編となった事は疑いがない。それだけT3,T4がクソ過ぎたと言う事だけども。
やはりターミネーターはシュワちゃんじゃなければダメなのだ。やっとパラマウントはシュワちゃんと心中する事を選んだ。
T4で新たな主人公の確立に失敗し、とうとう出した答え「ターミネーターは老いる」英断である。
物語の導入部分。シリーズを見ている者からすると耳にタコが出来るほどの世界観説明と人物説明。そのあからさまな既視感で、これはリメイク作品なのか?と感じるほどだった。今思うと物語の一番のハイライトであったが、そしてあの既視感をぶった斬り、鑑賞者を混乱に落とし入れるT-800登場のシーン。巧妙で且つ確信犯的犯行の演出。さすがに巧いなぁと感嘆せざるを得ない。
物語の中盤以降は失速。無駄に話を広げ引っ掻き回し、敵役もアイデア不足感が否めない。話のプロットをもっとシンプルに、最凶の敵から逃げる弱者、守るヒーロー。【逃げる追う守る】そこのシンプルな面白さを出せる本、人物設定には出来なかったものか。
敵役に関しては…これはもうT2の時点で完成されてしまったのではないかと…やはりキャメロンは偉大だったのだ、と再認識させられてしまう。
ナニハトモアレ。新たなt-800像として「親父」と云うべきキャラクターはどハマりしているし、老いてこそ輝きも増すだろう。今後の発展も暗くは無い。メタ的に片言の英語で演技するシュワちゃんが愛おしいぞ!
作品としてはキズも沢山あるのだろうけど、シュワちゃんが撃つ走る!ロケット頭突きに腹パン一閃!これで私は満足です。
私と同じように"ターミネーターまたテレビでやってたねー"何回見たのか分からない。世代の方は是非、旧友と週末この作品を楽しむと良いのだと思います。