「戦争オタクにでもならないと、やってけなかった!」フューリー 琥珀糖さんの映画レビュー(感想・評価)
戦争オタクにでもならないと、やってけなかった!
戦車の話し・・・と一言で言ってもいい位、戦車が活躍します。
戦車vs戦車・・・そんな映画です。
現在進行形で世界中が憂慮しているロシアのウクライナ侵攻。
この戦争でもロシアが戦車を非常に重用しているのが分かります。
そしてウクライナのドローンや手持ち式の携帯式防空ミサイルで戦車攻撃する。
など2022年の戦争は破壊力が半端ない。
この映画はもっと古い時代・第二次世界大戦のドイツとアメリカの戦いです。
2014年(アメリカ/イギリス)監督:デヴィッド・エアー。主演;ブラッド・ピット。
殺し合いを面白かったと手放しに言うのも気が引けますが、中々良く出来た戦争映画だと
思いました。
『戦車=フューリーと言う名』に文字通り命懸けで戦って散った兵士たちの物語り。
第二次世界大戦も末期の末期。
1945年4月。
ウォーダディ(ブラッド・ピット)率いる戦車小隊がドイツの田舎町で孤立して
最後のたった一台となった戦車・フューリーが、最後の時を迎えるまでを描いています。
戦車は俺の家・・・そう言うドン(ブラピ)
まるで戦争中毒の小隊長。
急遽、ドンの戦車小隊に補強された新人兵ノーマン。
タイピストだった彼がまさか戦車から砲撃したり、ドイツ兵を殺したり・・・
ヘマばかりしてたノーマンがドンを尊敬するようになり、一人前の砲撃手になる過程や、
ドイツの民家で美しいドイツ娘エマと心を通わすエピソードも可愛い・・・
と、思ってたらエマの住む家屋が砲撃されてエマは敢えなく死んでしまいます。
フューリーがたったひとつの生き残り、戦車小隊になった時。
ドイツのSS小隊・300名ほどが、行進して来ます。
戦車を捨てて「逃げよう」と思ったフューリーの乗組兵たち。
でもドンは「沈没する船の船長」のように、死を覚悟して戦い抜くと宣言。
仲間たちも従うことに・・・
無線は壊れるしで、援軍も頼めないのです。
死を覚悟の戦い。
戦車砲、すべての小火器、手榴弾・・弾丸の切れたときが、全ての終わり。
ダンを先頭に仲間たちは死力をつくしました。
本当に戦車(本物のティーガー=戦車を使って撮影)が主役の映画です。
もう1ヶ月もすればナチスドイツは降伏したのに。
死んで行く兵士たちに、複雑な気持ちになりましたが、
戦争の虚しさがドーンと迫って来る異色の戦争映画でした。