「かつてのジョニデと今のジョニデは本当に同一人物なのか!?」チャーリー・モルデカイ 華麗なる名画の秘密 近大さんの映画レビュー(感想・評価)
かつてのジョニデと今のジョニデは本当に同一人物なのか!?
全米公開時、ジョニー・デップ出演作の中でも記録的大コケ&大酷評となった本作。
そもそも、まるで興味無かった。と言うのも、もうジョニー・デップのこういうコスプレ道化映画にいい加減うんざりしていたから。
どれだけ酷いのか、逆に気になって見てみたのだけど…
ストーリーは全く盛り上がらず、テンポはグダグダで鈍く、展開は生温い。
巧くやれば「シャレード」や「泥棒成金」のような洒落たサスペンスにだって出来そうな題材なのに、どうやら監督デヴィッド・コープにはそんなセンスは皆無だったようだ。勿論、ハラハラドキドキも無い。
サスペンスと言うより、完全にコメディ。しかもかなりのナンセンス。
漫画みたいにベタなギャグは見てて恥ずかしいほど滑りまくり、その上お下品下ネタ。
主人公の英国紳士が聞いて呆れる。(胡散臭い美術商だけど)
ナレーションも含めベラベラ喋りまくり、子供がそのまま大きくなったような大人で、ちょびヒゲの事ばかり気にするテキトー男、チャーリー・モルデカイに魅力無し。
ジョニー・デップは8年間も本作の企画を温め、プロデュースまで担当する力の入れようだったが、果たしてこの映画のこの役の何処にそんなに惹かれたのか、映画を見ながらずっとその疑問が拭い切れなかった。
グウィネス・パルトロウ、ユアン・マクレガー、ジェフ・ゴールドブラムらせっかくの豪華キャストの無駄遣い。
唯一、“無敵の用心棒”ポール・ベタニーだけちょっと面白キャラ。
人それぞれ好みはあるかもしれないが…、これは駄作、失敗作。
かつてインディーズの良作に出演していた“本物の”ジョニー・デップは何処へ?
あの頃の彼と今の彼は本当に同一人物なのか、そんな思いすら抱いてしまった。