イヴ・サンローランのレビュー・感想・評価
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彼に寄り添った作品
伝記としてその人を世に伝える時功績だけでは伝わるものが浅くなる。
こうしてイヴサンローランの人間関係、周りの環境取り巻きを映像として伝えることで見る私たちは彼に共感し同情しまた哀れみイヴサンローランのことを多少は深く知れたような気になる。
主役のピエールニキの人選は勿論イヴサンローランのビジネスパートナーであり恋人であるピエールヴェルジェの俳優にギヨームガリエンヌを採用したのはとてもいい選択だったと思う。
彼のひたむきさ誠実さ、真面目でイヴのことを誰よりも想い支える存在。演じ方もそうだが彼の人格が画面を通して真っ直ぐに伝わってきた。
互いに裏切られても2人は離れようとはしなかった。したのかもしれないが少なくともこの映画の中では描かれていない。どんなに衝突しようとも生涯の男として互いを認め愛し合いお互いを手離そうとはしない。
魂の伴侶とはこういうことだろうか。
舞台の袖口でショーを見守るピエール、
それが彼の立ち位置であり、彼のイヴに対する忠誠でありそれを彼は最後まで貫き通した。
天才故の苦悩、そして孤独があるが
支えてくれる存在とはかくも大きいものなのかと
この映画を見て思った。
彼はファッションで自分を表現し、苦しみながら成功の道を進んだ。
そんな彼を羨ましく思う。
ため息が出るほど美しい
サン=ローランの恋人でありビジネスパートナーだったピエール・ベルジェの協力や、イヴ・サン=ローラン財団所有のアーカイブ衣装の貸し出し許可なども得て製作されたというこの作品、一番の魅力は新作のコレクション発表のシーンでした。
美術館に収容されてもいいような、貴重なオートクチュールの衣装が使われています。繊細で大胆な衣装の数々と、イヴ・サン=ローラン役のピエール・ニネの優美な演技はため息が出るほど美しい。
また、彼の恋人でありビジネスパートナーだったピエール・ベルジェの関係も丁寧に描かれていてよかった。
実業家だったピエールは若きイヴの才能に惚れ込んで、独立してYSLを作るための金策やら細かい実務やらを全て請け負います。イヴがデザインのみに集中し、大成功を収めることができたのはピエールのお陰でした。
ファッション好きな人は絶対に楽しめる作品です!
フランス映画にしては…
フランス映画は何回チャレンジしても、なんか合わなくて途中でやめちゃうことが多いんですが、
この映画はそんなフランス映画のクセがなかった気がする。
落ち着いた映画。
イヴ・サンローラン役の人、いい人選んだなーと思った。
ほんとにこんな感じな気がする。
線の細い、繊細な感じ。
デザイナーの苦悩、性的な苦悩が出てた。
天才ゆえの孤独
出始めに仏軍への入隊を巡りうつ病となるがやがて主人公とともに自身のメゾンを立ち上げその才能を生かし世界的有名になる、しかし仕事以外での心の欲求不満を満たすため飲酒、喫煙 同性愛にのめり込む。やがて体を壊す。有名になり自身を自信もちすぎた者がよくたどる悲しい道か。
孤高の天才
特にイヴサンローランというブランドが好きなわけでもなく、それでも目が離せないのはイヴサンローランという人が魅力的だからか、主人公の俳優さんの細部まで拘ったであろう演技が素晴らしいからなのだと思う。
あまり期待してなかった、オシャレで気取ってて、天才を天才と描いて訳わからないのだろうなぁと思ってたけど、
孤高の天才の中にも共感出来る部分があり、純粋だった心が、高みへと登り頂上に立ち汚れ堕ちてゆく様は破滅的で美しくもあった。
イヴサンローランだけでなく、生涯彼を支えた男の視点も面白かった。
僕の感覚では男は群れるとダメになり、2人で一つというのが無敵な気がするが、イヴサンローランは孤高で繊細過ぎた。彼の心は一体どこにあったのだろうか?
結構長生きしてた事にも驚いたが、彼の晩年はどうだったのかも気になった。
まだ観たいなという所で終わってしまった。
伝記映画ベスト5に入る気がしないでもない。
才能と共に。
天才であること。それは、確かにそれだけで十分苦しみを抱えてしまうものなのでしょう。けれどこの映画に関しては、その天才を支える側の、終わりのない痛みと愛が苦しかった。
生涯のパートナーは君だけれど、恋人にしたいのは別の人なんだと平気で言わせてしまう天才という才能。誰よりも近くにいるはずなのに、拭いきれない寂しさを抱えているパートナーに対してのその発言。
それでも愛しているから…
自分ではどうにもならないものを愛してしまった時の、つらくてつらくて哀しい側面を存分に堪能できる映画だと思いました。
デザイナーに同性愛者が多いというのはよくある話。才能が身を滅ぼしてしまうことも、よくある話。互いが互いに、世間に、才能に、そして自分自身に喰い尽くされていく。なかなか、ズシリと痛いものがあります。
本物の天才
良くも悪くも"天才"というものをありのままに描いた作品だなと思いました。美をどこまでも追求し、孤独感から逃げて愛に溺れる、、、そういう解放された、けれどもある意味閉じこもった生活をしていたのだなあと、、、。
若くしてディオールのチームを引き継いだイヴは大きすぎる責任を背負って、創造という仕事をこなしました。つぶされそうになったことも多々あり道を踏み外したこともあったけど、そのとどまることのない才能により成功したことは彼がほんとの天才だったからだと思います。でもその分性格は暗くセンチメンタルで感情や本能のまま生きてるんだろうなあと。きっとトゲのある鎧で自分を守ろうとしていて、その才能で人をひきつける一方で、そのトゲで周りの人を傷つけることもあったんだと思います。
彼がゲイであったとかは関係なく、人生のパートナーがいたことが彼の救いになっていたと思うし、男性の肉体に美を見出していたんだろうと思います。彼の師、ディオールについて描いたディオールと私も見てみたいです。
ニネ
伝記的映画は、ここまで波瀾万丈に満ちたストーリーがやはり面白い。
生々しく切ない描写と、出演者の美しさがスクリーンに釘付けにさせてくれる良作だった。
そして、フランス語の語感の心地よさ。
見終わった後は自分までお洒落な人間になった気がする、素敵な映画でした。
デザイナーもの
デザイナーものは単純に、衣装が楽しみなので観るのが好き。
この映画の話が面白いかと言われるとそうでもない…。
でも、イヴ・サンローランの人となりが分かった。
彼の「彼を愛してる。でも生涯の男は君だ」(うろ覚え)という台詞は狡いな〜と思いました。
繊細で大胆
何と言っても主役のイブのハニカミと繊細さ、狂気とそれを消化させるかのような創作意欲は鬼気迫るものがありました。
ストーリー的にもファッション的にもシャネルのようなドラマチックさには欠けるものの、役者陣の演技が秀逸なので3★で。
仏映画特有の、万人に媚びない作り
2011年のカンヌ映画祭で「ツリー・オブ・ライフ」がパルムドールを獲った時、人々はこぞって映画館に足を運んだが、あまりに難解で、日本人には理解しがたい映画だった。それに賞を与えるフランスの感覚。
まさにこの映画も、いかにもフランス的。
イヴ・サンローランの私生活に焦点をあてた伝記映画だが、取り立てたストーリーやテーマは無い。事実を描写し、複雑な人間関係や様々なゴシップも、セリフのやりとりや出来事だけで見せる。コクトーなどの大物芸術家も登場するが、一切の説明を挟まず、マスコミの報道も流さない。
あくまでサンローランの側から私生活を暴き、早熟な天才デザイナーの、愛と、苦悩と、孤独を淡々と描いている。そこから何を感じるかは、観る人次第といった体(てい)。ある意味、エゴイスティックで、ナルシスティックな映画だ。
それでも、サンローランを研究し尽くしたという、主演のピエール・ニネの立ち居振る舞い、仕草、しゃべり方には魅了されるし、冒頭で登場した遺品の仏像を衝動買いするシーンや、若かりし日、デッサンを描く彼の背中から映し出し、ラスト、主なきデスクで終わるなど、細やかな演出が散りばめられいて、心憎い。
観た直後より、日にちが経つほど、じわじわと魅せられる作品。私的には、結構好きである。
もっと仕事のことを。。
もっと"仕事"のことを描いてほしかったです。でもあーわたし背が高くてよかったかもしんない
と思える作品になりましたw写真の創設期のトップモデルさんがめちゃくちゃコケティッシュ!!最高に!
アーティストの苦悩と孤独
イヴ・サンローラン。大学時代、実はバイトで水商売に明け暮れてた時(、20代後半のマネジャーが『一流になっていつもここのスーツ着れる男になよ!!』と見せつけられた裏地に縫われた美しい『ロゴ』を見たのがこのブランドとの出会い。今振り返れば当時は全盛期であったかと。
さてこの映画。繊細でデリケートな比類なきファッション界のアーティストの苦悩と孤独から生じる栄華と破滅、光と影のコントラストを巧みに表現し、構成的にはよく出来ている映画ではと。オランダ画家『モンドリアン』の美しい絵画からヒントを得た写真の『モンドリアン・ルック』も苦悩と破滅からもがき、抗った末でのデザインには感動もおぼえた。
ただ…今や差別と言われるかもだけど男性の同性愛に全く理解ができない完全否定派なのでそのシーンがあまりにエグ過ぎたのは正直気持ち悪かった(-_-;)そこが大丈夫な方、ファッション業界に興味がある方はご覧になって下さい。
男の嫉妬って怖い ね!
富がありすぎて,自由奔放な生活ってのも怖いですね。60-70年代って、酒とドラックは当たり前って時代だったみたいだし、どういう業界か見てみたかったけど、下らない事に金を使うなら未来のデザイナ-を育てる学校とか設立して、社会に還元してほしいですね。
それにしても、男の嫉妬は醜いですな。狭い世界でしか生きられなかった可哀そうな人だなと思いました。
キュートな鼻眼鏡くん♪
『SEX・ドラッグ・狂気』の映画ではありますが、私の中のイヴ・サンローランは『オバサンブランド』を通り越して、すでに『オジサンブランド』!
「今バッグを買うなら無難な所でCOACHかな?」なんて認識なので、この映画それほど衝撃的ではありませんでした。
でも、まあサンローランが可愛いくって結構、観れてしまうあたり(;´д`)
ピエール・ベルジュと追いかけっこするシーンなんか「仔犬か?!」って位の無邪気な中学生男子ぶりで……
二人とも、いい歳なのに!
ゲイの追っかけっこと言えば、海岸で無駄に薄着の髭面のオッサン二人が「待てよ~♪」「捕まえてごらんなさ~い♪アハハ」のギャグシーンしか浮かばないのですが、本編のコレはホーント可愛いくって♪エロさもなくって、これだけでも一見の価値はあります。
あとファッションショーの最中に、忙しいスタッフに邪険に扱われてて居場所の無い彼が『出産を待つ父親の様に役立たず』で……
ぷぷぷ(^w^)
ショーが成功を納めると、舞台に引っ張り出されて「生まれましたよ、お父さん」とでも言う様に大きな花束を抱かされる。
これはピエール・ベルジュとサンローランの二人の子供って事になるのかな?( ̄▽ ̄)
彼らは自然体でくっついて、ファッションという子供を産み出し続けていった。
男女の夫婦であれば当たり前の話だけれど男のサンローランにはマタニティーブルーはキツかった!って感じなんですかね?!
┐('~`;)┌
不親切さがゾクゾクする
イヴ・サンローランは無駄のない見事なラインを生みだす、天才としかいえないデザイナーのひとりだと思う。
本作は伝記としては不親切な造りだ。
でも、歴史のお勉強をしているわけじゃないのだから、いちいち説明する必要なんてない。
本当に美しく儚い様が見事に描かれている作品だと思う。
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