「ホラー映画にとって「視聴者がしらけてしまう要素」とは」青鬼 みるさんの映画レビュー(感想・評価)
ホラー映画にとって「視聴者がしらけてしまう要素」とは
本作はカルト的な人気を誇る同人ゲーム「青鬼」が元となった映画です。
原作は非常に素晴らしい作品ですが、本作はあまりいい出来とは言えません。
なぜなら本作はホラー映画でやると視聴者が白けてしまう要素がたくさん出てくるからです。
まず、この映画は女の子が何者かに襲われているシーンから始まるのですが、「この娘が主人公かな?」と思わせて、場面が変わります。そこで弾き語りをしている青年の場面になるのですが「今度こそ、この青年が主人公かな?」と思わせて場面が変わります。河原みたいなところでゲームを遊ぶカップル。「今度こそこの二人が主人公」と思ったところで、二人が遊んでいるのは原作のゲーム。つまりこの映画は原作の内容の映画化ではなくて、「原作がゲームとして存在している世界の映画」という内容です。
ここの時点で原作の内容の映画を期待していたファンの気持ちは離れてしまいます。
また、この映画は他にもホラー映画で白けてしまう要素が多くあります。
「登場人物たちが勝手に動いて勝手に死ぬ」「登場人物たちが突然仲間割れする」「視聴者を怖がらせようと登場人物たちが必要以上に叫び声をあげる」「顔のアップが多く、視聴者が見たいものが見えない」
ホラー映画にとって一番大事な要素は「感情移入」です。
感情移入できないキャラが突然死んで「さあ、怖がりなさい」と言われても視聴者は怖がれません。
コメントする